解析者: Francesca Villasanta   

 別名:

Ransom:Win32/Filecoder.AA!MTB (MICROSOFT)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。

  詳細

ファイルサイズ 498,688 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2023年12月13日
ペイロード ファイルの削除, システムのレジストリの変更, システム情報の収集, ファイルの暗号化, プロセスの強制終了

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\cmd.exe /c\"bcdedit /set{default} recoveryenabled No\"
  • %System%\cmd.exe /c\"bcdedit /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures\"
  • %System%\cmd.exe /c\"wbadmin DELETE BACKUP -keepVersions:0\"
  • %System%\cmd.exe /c\"wbadmin DELETE SYSTEMSTATEBACKUP -keepVersions:0\"
  • %System%\cmd.exe /c\"wmic SHADOWCOPY DELETE\"
  • %System%\cmd.exe /c\"vssadmin delete shadows /all /quiet\"
  • %System%\mshta.exe %User Temp%\how_to_decrypt.hta

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • {Generated ID} → Derived from computer name and creation time of %Windows%

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Computer Name
  • Username
  • OS Version
  • System Locale
  • Keyboard Layout
  • Disk Data
  • Network Configuration Information

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • By default, It encrypt local drives and network drives
  • It displays its ransom note after encryption
  • It loads its configuration found in its resource section named CFGS.
  • It checks for the presence of the following file that serves as its configuration file:
    • cfgs.txt
  • It encrypts the information it gathers and stores it in the authentication key required during the negotiation procedures to retrieve files
  • It can terminate processes and services based on the configuration.

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • /r → encrypt files in random order
  • /sleep → sleep for n seconds before execution
  • /full → encrypt the whole contents of a file (by default, only the first 0x80000 bytes/512kb are encrypted)
  • /debug → execute in debug mode, need to be executed with /p
  • /log_f → for logging, specify the log file
  • /fast
  • /erase → delete contents of a file
  • /is_testing → for testing purposes, used with /test_cid and /test_vid
  • /test_cid → Use the specified value instead of generating a computer ID
  • /test_vid → Use the specified value instead of the hardcoded victim ID (VID) from the configuration
  • /p → specify path to encrypt
  • /path → specify path to encrypt
  • /!local → Do not encrypt local files
  • /!lan → Do not encrypt network shares
  • /shdwn → Turn off the machine after encryption using the parameter -f -s -t 00
  • /allow_system → Allows encrypting files in system directory
  • /!clear_shadow → Do not delete shadow copies
  • /wipe
  • /block
  • /step
  • /band_start
  • /!prerename → Do not rename files before encryption
  • /delete → Deletes itself after execution
  • /priority → Sets encryption priority
  • /clear_exclude
  • /ips
  • /stealth → Do not rename encrypted files, needs to be executed with /p
  • /e

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • how_to_decrypt.hta
  • how_to_decrypt.txt
  • NTUSER.DAT

マルウェアは、ファイルパスに以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • windows
  • system32

マルウェアは、以下の名称を利用して暗号化されたファイルのファイル名を改称します。

  • available_for_trial.{random}._locked
  • {random}._locked

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %User Temp%\how_to_decrypt.hta
  • {Encrypted Directory}\how_to_decrypt.hta

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 18.882.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2023年12月16日
VSAPI OPR パターンバージョン 18.883.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2023年12月17日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF075

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\how_to_decrypt.hta
  • {Encrypted directory}\ how_to_decrypt.hta

手順 5

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win64.TRIGONA.B」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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