解析者: Raymart Christian Yambot   

 別名:

Gen:Variant.Ransom.MedusaLocker.65 (BITDEFENDER)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。

  詳細

ファイルサイズ 431,616 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2023年9月23日
ペイロード システムのレジストリの変更, プロセスの強制終了, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • By using the command line "\?\%Windows%\SysWOW64\cmd.exe /c %Windows%\sysnative\cmd.exe /c {Commands Below}:
    • rem Kill \"SQL\"
    • vssadmin.exe Delete Shadows /All /Quiet
    • wbadmin delete backup -keepVersion:0 -quiet
    • wbadminDELETE SYSTEMSTATEBACKUP
    • wbadmin DELETE SYSTEMSTABACKUP -deleteOldest
    • wmic.exe SHADOWCOPY /nointeractive
    • bcdedit.exe /set {default} recoverynabled No
    • bcdedit.exe /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures
    • net stop {Target Services}
    • taskkill -f -im {Target Processes}
  • cipher /w:\?\{Drive Letter}
  • %System%\cmd.exe /c pause

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
BabyLockerKZ = {Malware Path}\{Malware File Name}.exe

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\PAIDMEMES
PUBLIC = {Ransomware Public Key}

HKEY_CURRENT_USER\Software\PAIDMEMES
PRIVATE = {Ransomware Private Key}

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • Via net stop:
    • MSSQLServerADHelper100
    • MSSQL$ISARS
    • MSSQL$MSFW
    • SQLAgent$ISARS
    • SQLAgent$MSFW
    • SQLBrowser
    • REportServer$ISARS
    • SQLWriter

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • Via taskkill -f -im:
    • sqlbrowser.exe
    • sql writer.exe
    • sqlserv.exe
    • msmdsrv.exe
    • MsDtsSrvr.exe
    • sqlceip.exe
    • fdlauncher.exe
    • Ssms.exe
    • SQLAGENT.EXE
    • fdhost.exe
    • ReportingServicesService.exe
    • msftesql.exe
    • pg_ctl.exe
    • postgres.exe

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software
PAIDMEMES

マルウェアは、以下を実行します。

  • It encrypts the following drives if found existing on the system:
    • Removable Drive
    • Fixed Drive
    • Remote Drive
    • RAM Disk Drive
  • It attempts to mount unmounted drives before doing encryption.
  • It encrypts data in chunks of 750,016 bytes.
  • It skips encryption of 250,048 bytes of data after every chunks.
  • It encrypts a maximum of 9,633,920 bytes of data for each files.
  • It empties the Recycle Bin.
  • It displays logs using the command line application:

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • -network
  • -shares=, -s= {CIDR Notation}
    • Attempts to connect to all the hosts in the network and encrypts all existing drives' files found in each of the hosts.
  • -path=, -p= {Path to Encrypt}
    • Encrypts files found in the given path.

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • How_to_back_files.html

マルウェアは、ファイルパスに以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • /bin/
  • /etc/
  • /lib/
  • /proc/
  • /sys/
  • /var/
  • /dev/
  • /usr/
  • /tmp/
  • /opt/
  • /etc/
  • \$Recycle.Bin\
  • \Recovery\
  • \Windows\
  • \AppData\
  • \System Volume Information\
  • \Program Files (x86)\
  • \Program Files\
  • \$WinREAgent\
  • \$Windows.~WS\
  • \$WINDOWS.~BT\

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • C:\perflogs
  • C:\Intel
  • C:\HP
  • C:\AMD
  • C:\Dell
  • C:\Drivers
  • C:\inetpub
  • B:\Boot
  • A:\Boot
  • B:\EFI
  • A:\EFI
  • C:\ProgramData

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .needhelp266

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Drive Letter}\How_to_back_files.html
  • %Desktop%\How_to_back_files.html

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .exe
  • .dll
  • .sys
  • .ini
  • .rdp
  • .lnk
  • .bmp
  • .mov
  • .cab
  • .toml
  • .out
  • .needhelp266

<補足>
インストール

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • コマンドライン「"\?\%Windows%\SysWOW64\cmd.exe /c %Windows%\sysnative\cmd.exe /c {以下のコマンド}」が使用された場合:
    • rem Kill \"SQL\"
    • vssadmin.exe Delete Shadows /All /Quiet
    • wbadmin delete backup -keepVersion:0 -quiet
    • wbadminDELETE SYSTEMSTATEBACKUP
    • wbadmin DELETE SYSTEMSTABACKUP -deleteOldest
    • wmic.exe SHADOWCOPY /nointeractive
    • bcdedit.exe /set {デフォルト} recoverynabled No
    • bcdedit.exe /set {デフォルト} bootstatuspolicy ignoreallfailures
    • net stop {対象とするサービス}
    • taskkill -f -im {対象とするプロセス}
  • cipher /w:\?\{ドライブ文字}
  • %System%\cmd.exe /c pause

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • コマンド「net stop」が使用された場合:
    • MSSQLServerADHelper100
    • MSSQL$ISARS
    • MSSQL$MSFW
    • SQLAgent$ISARS
    • SQLAgent$MSFW
    • SQLBrowser
    • REportServer$ISARS
    • SQLWriter

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • コマンド「taskkill -f -im」が使用された場合:
    • sqlbrowser.exe
    • sql writer.exe
    • sqlserv.exe
    • msmdsrv.exe
    • MsDtsSrvr.exe
    • sqlceip.exe
    • fdlauncher.exe
    • Ssms.exe
    • SQLAGENT.EXE
    • fdhost.exe
    • ReportingServicesService.exe
    • msftesql.exe
    • pg_ctl.exe
    • postgres.exe

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • 感染コンピュータ上で以下のドライブが確認された場合、対象のドライブを暗号化します。
    • リムーバブルドライブ
    • 固定ドライブ
    • リモートドライブ
    • RAMディスクドライブ
  • 暗号化活動を実行する前に、認識(マウント)されていないドライブを認識させようと試みます。
  • 750,016バイトのチャンクでデータを暗号化します。
  • チャンクごとに250,048バイトのデータの暗号化をスキップします。
  • ファイルごとに最大 9,633,920バイトのデータを暗号化します。
  • ごみ箱を空にします。
  • コマンドラインアプリケーションを使用してログを表示します。

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • -network
  • -shares=, -s= {CIDR表記}
    • ネットワーク内のすべてのホストに接続し、各ホスト内で確認された既存のドライブのファイルをすべて暗号化しようと試みます。
  • -path=, -p= {暗号化対象のパス}
    • 指定のパス内で確認されたファイルを暗号化します。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 19.616.07
初回 VSAPI パターンリリース日 2024年9月27日
VSAPI OPR パターンバージョン 19.617.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2024年9月28日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    • TROJ.Win32.TRX.XXPE50FFF085

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • BabyLockerKZ = {Malware Path}\{Malware File Name}.exe
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\PAIDMEMES
    • PUBLIC = {Ransomware Public Key}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\PAIDMEMES
    • PRIVATE = {Ransomware Private Key}

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\
    • PAIDMEMES

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Drive Letter}\How_to_back_files.html
  • %Desktop%\How_to_back_files.html

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win64.MEDUSALOCKER.THIBGBD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 9

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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