解析者: Henry Alarcon Jr.   

 別名:

Trojan-Ransom.Win32.Shade.pzc (Kaspersky), Trojan-Ransom.Crypted007 (Ikarus)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  詳細

ファイルサイズ 1,071,792 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2019年7月30日
ペイロード 画像の表示, URLまたはIPアドレスに接続, メッセージボックスの表示, ファイルの暗号化, ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %All Users Profile%\Windows\csrss.exe

(註:%All Users Profile%フォルダは、ユーザの共通プロファイルフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users” です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData” です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\{random}\lock
  • %User Temp%\{random}\state
  • %User Temp%\{random}\unverified-microdesc-consensus
  • %User Temp%\{random}\cached-certs
  • %User Temp%\{random}\cached-microdesc-consensus
  • %User Temp%\{random}\cached-microdescs.new
  • %Application Data%\{Random characters}.bmp ← ransomware wallpaper

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\cmd.exe chcp
  • %System%\vssadmin.exe List Shadows
  • %System%\vssadmin.exe Delete Shadows /All /Quiet

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Temp%\{random}
  • %All Users Profile%\Windows

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %All Users Profile%フォルダは、ユーザの共通プロファイルフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users” です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData” です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Client Server Runtime Subsystem = "%All Users Profile%\Windows\csrss.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
xVersion = "4.0.0.1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
xpk = "{PUBLIC KEY}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
xmode = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
xi = "{Random characters}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
xstate = {number}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
xcnt = "{number}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
shsnt = "{number}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
shst = "{number}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
sh1 = "{number}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32\
Configuration
sh2 = "{number}"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、デスクトップの壁紙を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
Wallpaper = %Application Data%\{Random characters}.bmp

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://whatismyipaddress.com/
  • http://whatsmyip.net/

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}p2xzclh6fd.onion/{path}
    where {path} can be any of the following:
    • reg.php
    • prog.php
    • err.php
    • cmd.php
    • sys.php
    • shd.php
    • mail.php

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下の文字列を含むファイルを暗号化します。

  • .3g2
  • .3gp
  • .7z
  • .ai
  • .asp
  • .avi
  • .bak
  • .bin
  • .bmp
  • .ce
  • .cer
  • .cfm
  • .cpp
  • .cs
  • .css
  • .csv
  • .dat
  • .db
  • .dbf
  • .dmp
  • .do
  • .doc
  • .fl
  • .flv
  • .fn
  • .gif
  • .htm
  • .html
  • .ic
  • .ini
  • .jpg
  • .jsp
  • .log
  • .lst
  • .m4v
  • .mdb
  • .mk
  • .mkv
  • .mov
  • .mp
  • .mp3
  • .mp4
  • .mpg
  • .ods
  • .pdf
  • .ph
  • .php
  • .pk
  • .pl
  • .pn
  • .png
  • .pps
  • .ppt
  • .ps
  • .psd
  • .py
  • .rar
  • .rm
  • .rss
  • .rt
  • .rtf
  • .sa
  • .sql
  • .svg
  • .swf
  • .sy
  • .tar
  • .tex
  • .tif
  • .tt
  • .tx
  • .txt
  • .vb
  • .vc
  • .wav
  • .wm
  • .wmv
  • .wp
  • .wpd
  • .wps
  • .ws
  • .xls
  • .xml
  • .zi
  • .zip

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • desktop.ini
  • boot.ini
  • Bootfont.bin
  • ntuser.ini
  • NTUSER.DAT
  • IconCache.db

マルウェアは、以下の名称を利用して暗号化されたファイルのファイル名を改称します。

  • {random characters}.{ID}.crypted000007

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Drive letter}:\README{1-10}.txt
  • %Desktop%\README{1-10}.txt

(註:%Desktop%フォルダは、現在ログオンしているユーザのデスクトップです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。)

マルウェアは、以下の内容を含む脅迫状のテキストファイルを残します。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
VSAPI OPR パターンバージョン 15.270.02
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年8月1日
Outbreak Prevention Pattern (OPP)バージョン 15.271.00
Outbreak Prevention Pattern (OPP)リリース日 2019年8月2日

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\System32
    • Configuration

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Client Server Runtime Subsystem = "%All Users Profile%\Windows\csrss.exe"

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %All Users Profile%\Windows\csrss.exe
  • %User Temp%\{random}\lock
  • %User Temp%\{random}\state
  • %User Temp%\{random}\unverified-microdesc-consensus
  • %User Temp%\{random}\cached-certs
  • %User Temp%\{random}\cached-microdesc-consensus
  • %User Temp%\{random}\cached-microdescs.new
  • %Application Data%\{Random characters}.bmp
  • {Drive letter}:\\\\README{1-10}.txt
  • %Desktop%\\\\README{1-10}.txt

手順 8

デスクトッププロパティを修正します。

[ 詳細 ]

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.SHADE.THHOAAI」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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