解析者: Karen Ivy Titiwa   

 別名:

HEUR:Backdoor.Win32.Remcos.gen(KASPERSKY); W32/Remcos!tr.bdr(FORTINET)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。

  詳細

ファイルサイズ 1074382 bytes
タイプ EXE
ファイル圧縮 AutoIt
メモリ常駐 はい
発見日 2021年1月18日
ペイロード メッセージボックスの表示, ファイルの削除, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\kiwvyrcee.com → script used to trigger the malicious routine
  • %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\cnbbrnrhi.com → used to generate rundll32.com
  • %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\rundll32.com → AutoIt executable used to execute the ransomware
  • %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\qnsdpztxh.com → obfuscated and encrypted ransomware
  • %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\lozgzxher.com → encrypted Autoit decryptor
  • %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\Q → decrypted Autoit decryptor
  • %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\ids.txt -> contains error logs

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • "%System%\cmd.exe" /c echo ywrmqtdba
  • "%System%\cmd.exe" /c cmd < kiwvyrcee.com
  • certutil -decode lozgzxher.com Q
  • %System%\cmd.exe /c @echo off
    sc config browser
    sc config browser start=enabled
    vssadmin delete shadows /all /quiet
    sc stop vss
    sc config vss start=disabled
    sc stop MongoDB
    sc config MongoDB start=disabled
    sc stop SQLWriter
    sc config SQLWriter start=disabled
    sc stop MSSQLServerOLAPService
    sc config MSSQLServerOLAPService start=disabled
    sc stop MSSQLSERVER
    sc config MSSQLSERVER start=disabled
    sc stop MSSQL$SQLEXPRESS
    sc config MSSQL$SQLEXPRESS start=disabled
    sc stop ReportServer
    sc config ReportServer start=disabled
    sc stop OracleServiceORCL
    sc config OracleServiceORCL start=disabled
    sc stop OracleDBConsoleorcl
    sc config OracleDBConsoleorcl start=disabled
    sc stop OracleMTSRecoveryService
    sc config OracleMTSRecoveryService start=disabled
    sc stop OracleVssWriterORCL
    sc config OracleVssWriterORCL start=disabled
    sc stop MySQL
    sc config MySQL start=disabled;
  • ping -n 1 wnmosszxn
  • rundll32.com Q
  • %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\rundll32.com
  • "%System%\cmd.exe" /c del %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\rundll32.com > nul
  • %System%\cmd.exe /c @echo off
    vssadmin Delete Shadows /all /quiet
    reg delete "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\Default" /va /f
    reg delete "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\Servers" /f
    reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\Servers"
    for /F "tokens=*" %1 in ('wevtutil.exe el') DO wevtutil cl "%1"

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
WindowsUpdateCheck = {Executed Malware Directory}\rundll32.com

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\Windows\HomeGroup
DisableHomeGroup = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\Windows Defender
DisableAntiSpyware = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\Windows Defender\Real-Time Protection
DisableRealtimeMonitoring = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\Windows Defender\Real-Time Protection
DisableBehaviorMonitoring = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\Windows Defender\Real-Time Protection
DisableOnAccessProtection = 1

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • windows
  • bootmgr
  • pagefile.sys
  • boot
  • ids.txt
  • NTUSER.DAT
  • PerfLogs

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • {original filename}.{original extension}.Globeimposter-Alpha865qqz

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Encrypted Directory}\HOW TO BACK YOUR FILES.txt

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .dll
  • .lnk
  • .ini
  • .sys

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 16.484.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年1月18日
VSAPI OPR パターンバージョン 16.485.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年1月19日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FSX006

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • WindowsUpdateCheck = {Executed Malware Directory}\rundll32.com

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\HomeGroup
    • From: DisableHomeGroup = 1
    • To: DisableHomeGroup = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender
    • From: DisableAntiSpyware = 1
    • To: DisableAntiSpyware = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender\Real-Time Protection
    • From:  DisableRealtimeMonitoring = 1
    • To:  DisableRealtimeMonitoring = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender\Real-Time Protection
    • From: DisableBehaviorMonitoring = 1
    • To: DisableBehaviorMonitoring = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender\Real-Time Protection
    • From: DisableOnAccessProtection = 1
    • To: DisableOnAccessProtection = 0

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\7ZipSfx.{3 digit number}\ids.txt
  • {Encrypted Directory}\HOW TO BACK YOUR FILES.txt

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.MAOLOA.THAAHBA」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 9

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。

手順 10

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.MAOLOA.THAAHBA」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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