解析者: Ricardo III Valdez   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。

  詳細

ファイルサイズ 2,418,688 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2023年1月1日
ペイロード メッセージボックスの表示, ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Public%\.lock
  • %Public%\sd\del.bat
  • %Public%\Desktop\decrypt.key
  • %Public%\Desktop\Readme_on_Chrome.html ← Ransom Note
  • %User Profile%\Administrator\Desktop\Readme_on_Chrome.html ← Ransom Note
  • {Malware File Path}\files.txt

(註:%Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。. %User Profile%フォルダは、現在ログオンしているユーザのプロファイルフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • reg delete "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\Default" /va " /f"
  • reg delete "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\Servers" " /f"
  • reg delete HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\WordWheelQuery " /f"
  • reg delete HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\TypedPaths " /f"
  • reg delete HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\RunMRU " /f"
  • wevtutil cl system ← Clears system logs
  • wevtutil cl security ← Clears security logs
  • vssadmin delete shadows " /all" /quiet ← Deletes shadow copies

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを削除します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Terminal Server Client\Default
(Default) =

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Terminal Server Client\Servers
(Default) =

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
WordWheelQuery
(Default) =

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
TypedPaths
(Default) =

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
RunMRU
(Default) =

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • private.pem
  • public.pem
  • files.txt
  • golancer.key
  • decrypt.key
  • desktop.ini
  • Readme.html
  • Readme_on_Chrome.html

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • {Original Filename & File Extension}.[get_readme_on_desktop]

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %Public%\Desktop\Readme_on_Chrome.html
  • %User Profile%\Administrator\Desktop\Readme_on_Chrome.html

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .exe
  • .dll
  • .sys
  • .lnk
  • .msi
  • .hta
  • .cpl
  • .ini
  • .cab
  • .cur
  • .idx
  • .drv
  • .hlp
  • .icl
  • .icns
  • .ico
  • .ocx
  • .spl
  • .bat
  • .bin
  • .pak
  • .lock

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 18.190.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2023年1月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 18.191.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2023年1月13日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF064

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %Public%\.lock
  • %Public%\sd\del.bat
  • %Public%\Desktop\decrypt.key
  • %Public%\Desktop\Readme_on_Chrome.html
  • %User Profile%\Administrator\Desktop\Readme_on_Chrome.html
  • {Malware File Path}\files.txt

手順 6

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。

手順 7

以下の削除されたレジストリキーまたはレジストリ値をバックアップを用いて修復します。

※註:マイクロソフト製品に関連したレジストリキーおよびレジストリ値のみが修復されます。このマルウェアもしくはアドウェア等が同社製品以外のプログラムも削除した場合には、該当プログラムを再度インストールする必要があります。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\
    • Default
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\
    • Servers
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\
    • WordWheelQuery
  • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\
    • TypedPaths
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\
    • RunMRU

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.ENQTOX.A.go」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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