解析者: Jemimah Mae Molina   

 別名:

Trojan-Ransom.RotorCrypt (IKARUS); W32/RotoCrypt.C!tr (FORTINET)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

  詳細

ファイルサイズ 71,680 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2018年3月1日
ペイロード ファイルの削除, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %AppDataLocal%\{Random Folder}\{8 Random Characters}.exe

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Local\{GUID}
  • Global\{GUID}

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
nMBWTgVW = %AppDataLocal%\{Random Folder}\{8 Random Characters}.exe

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\nMBWTgVW.lnk

(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows 2003(32-bit)、XP、2000(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8、 8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\mfAhGbEh
nsxKHgVW = {Hex Values}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\mfAhGbEh
nsxKHgVW = {Hex Values}

HKEY_LOCAL_MACHINE\BCD00000000\Objects\
{GUID}\Elements\250000e0
Element = 01 00 00 00 00 00 00 00

HKEY_LOCAL_MACHINE\BCD00000000\Objects\
{GUID}\Elements\16000009
Element = 00

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上でプロセスが常駐されていることを確認した場合、以下のいずれかの文字列を含むプロセスまたはサービスを終了します。

  • sql
  • backup
  • restore
  • SDRSVC (Windows Backup Service)

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • It does not encrypt the files with the following extensions:
    • .386
    • .73u
    • .8xu
    • .adm
    • .adml
    • .admx
    • .adv
    • .ani
    • .ann
    • .aos
    • .asec
    • .bat
    • .bcd
    • .bio
    • .bk2
    • .blf
    • .bmk
    • .bud
    • .cdmp
    • .chs
    • .ci
    • .clb
    • .cnt
    • .cpi
    • .cpl
    • .cpq
    • .com
    • .cur
    • .desklink
    • .deskthemepack
    • .dev
    • .diagcab
    • .diagcfg
    • .diagpkg
    • .dimax
    • .dit
    • .dlx
    • .dll
    • .dls
    • .dmp
    • .drv
    • .dss
    • .dvd
    • .dyc
    • .ebd
    • .efi
    • .evtx
    • .exe
    • .ffa
    • .ffl
    • .ffo
    • .ffx
    • .ftg
    • .fts
    • .gmmp
    • .grl
    • .group
    • .grp
    • .h1s
    • .hdmp
    • .hhc
    • .hhk
    • .hiv
    • .hlp
    • .hpj
    • .hsh
    • .htt
    • .icl
    • .icns
    • .ico
    • .idi
    • .idx
    • .ime
    • .img3
    • .inf
    • .inf_loc
    • .ini
    • .ins
    • .ion
    • .itemdata-ms
    • .its
    • .jpn
    • .kbd
    • .kor
    • .library-ms
    • .lng
    • .lnk
    • .lib
    • .manifest
    • .mapimail
    • .mdmp
    • .mlc
    • .mnu
    • .msc
    • .msp
    • .msstyle
    • .msstyles
    • .mui
    • .mui_cccd5ae0
    • .mum
    • .mydocs
    • .nfo
    • .nls
    • .nt
    • .ntfs
    • .ocx
    • .p7b
    • .pck
    • .pdr
    • .pid
    • .pol
    • .ppd
    • .prf
    • .printerexport
    • .prt
    • .ps2
    • .pwl
    • .regtrans-ms
    • .rs
    • .rnd
    • .savedsearch
    • .scf
    • .scr
    • .sdb
    • .shd
    • .shsh
    • .str
    • .swp
    • .sys
    • .tha
    • .theme
    • .trx_dll
    • .uce
    • .vga
    • .vgd
    • .vx_
    • .vxd
    • .wdf
    • .wdgt
    • .webpnp
    • .wer
    • .wph
    • .wpx
    • .xrm-ms

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • Crypto
  • Credentials
  • AppCache
  • Firefox
  • Explorer
  • Chrome
  • Opera
  • Mozilla
  • Outlook
  • Safari
  • Google

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • !____________ENIGMAPRO@TUTAMAIL.COM_______.PGP

マルウェアは、以下の内容を含む脅迫状のテキストファイルを残します。

  • {Encrypted Folder}\info.txt

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.208.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年7月1日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.209.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年7月2日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\mfAhGbEh
    • nsxKHgVW = {Hex Values}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\mfAhGbEh
    • nsxKHgVW = {Hex Values}

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • nMBWTgVW = %AppDataLocal%\{Random Folder}\{8 Random Characters}.exe

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\BCD00000000\Objects\{GUID}\Elements\250000e0
    • From: Element = 01 00 00 00 00 00 00 00
      To: Element = 00 00 00 00 00 00 00 00
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\BCD00000000\Objects\{GUID}\Elements\16000009
    • From: Element = 00
      To: Element = 01

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %AppDataLocal%\{Random Folder}\{8 Random Characters}.exe
  • %User Startup%\nMBWTgVW.lnk
  • {Encrypted Folder}\info.txt

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.CRYPTROTCOD.AC」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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