解析者: Maria Emreen Viray   

 別名:

Trojan-Ransom.BlackMatter (IKARUS)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。

  詳細

ファイルサイズ 68,608 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2021年8月3日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの暗号化, メッセージボックスの表示, サービスの無効, プロセスの強制終了, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • used as wallpaper:
    • %ProgramData%\{appended ransomware extension}.bmp

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • if -safe is used:
    • bcdedit /set {current} safeboot network

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\{Generated hash based on GUID}

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
*{random} = {malware path}\{malware name}

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{appended ransomware extension}
hScreen = {screen height}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{appended ransomware extension}
wScreen = {screen width}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
AutoAdminLogon = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
DefaultUserName = Administrator

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
DefaultDomainName = {Computer name}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
DefaultPassword = {random string}

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、デスクトップの壁紙を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
WallPaper = %ProgramData%\{appended ransomware extension}.bmp

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
WallpaperStyle = 10

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • mepocs
  • memtas
  • veeam
  • svc$
  • backup
  • sql
  • vss

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • encsvc
  • thebat
  • mydesktopqos
  • xfssvccon
  • firefox
  • infopath
  • winword
  • steam
  • synctime
  • notepad
  • ocomm
  • onenote
  • mspub
  • thunderbird
  • agntsvc
  • sql
  • excel
  • powerpnt
  • outlook
  • wordpad
  • dbeng50
  • isqlplussvc
  • sqbcoreservice
  • oracle
  • ocautoupds
  • dbsnmp
  • msaccess
  • tbirdconfig
  • ocssd
  • mydesktopservice
  • visio

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Machine GUID
  • Computer name
  • Hostname
  • Username
  • Domain
  • OS Architecture
  • Language
  • Disk information (free size, disk size)
  • Total number of files
  • Total number of encrypted files

情報収集

マルウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}hacks.com/{encrypted gathered information}
  • http://{BLOCKED}den.com/{encrypted gathered information}

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{appended ransomware extension} → deleted after execution

マルウェアは、以下を実行します。

  • If not executed with admin rights, it will relaunch itself as admin
  • It encrypts fixed, removable and network drives
  • It deletes files in recycle bin folder for removable and fixed drives
  • It uses WQL to delete shadow copies
  • It attempts logging in to infected machine using the following credentials:
    • Username: {BLOCKED}er@{BLOCKED}p.com
      Password: {BLOCKED}er
    • Username: {BLOCKED}h@{BLOCKED}p.com
      Password: {BLOCKED}19
    • Username: {BLOCKED}r@{BLOCKED}p.com
      Password: {BLOCKED}**

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • -path {target path} → specifies directory to be encrypted
  • -wall → changes wallpaper only
  • -safe → executes ransomware routine on safe mode by:
    • modifying Winlogon registry:
      • to enable automatic logon
      • to set default username, domain name, and password
    • adding specific process to enable safeboot
    • shutting system down after

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • ntuser.ini
  • ntuser.dat.log
  • autorun.inf
  • thumbs.db
  • desktop.ini
  • boot.ini
  • ntldr
  • ntuser.dat
  • iconcache.db
  • bootsect.bak
  • bootfont.bin
  • {appended ransomware extension}.README.txt

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • $recycle.bin
  • $windows.~bt
  • $windows.~ws
  • all users
  • appdata
  • application data
  • boot
  • config.msi
  • default
  • google
  • intel
  • mozilla
  • msocache
  • perflogs
  • program files
  • program files (x86)
  • programdata
  • public
  • system volume information
  • tor browser
  • windows
  • windows.old

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • {string generated from Machine GUID}

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {appended ransomware extension}.README.txt

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • 386
  • adv
  • ani
  • bat
  • bin
  • cab
  • cmd
  • com
  • cpl
  • cur
  • deskthemepack
  • diagcab
  • diagcfg
  • diagpkg
  • dll
  • drv
  • exe
  • hlp
  • hta
  • icl
  • icns
  • ico
  • ics
  • idx
  • key
  • ldf
  • lnk
  • lock
  • mod
  • mpa
  • msc
  • msi
  • msp
  • msstyles
  • msu
  • nls
  • nomedia
  • ocx
  • pdb
  • prf
  • ps1
  • rom
  • rtp
  • scr
  • shs
  • spl
  • sys
  • theme
  • themepack
  • wpx

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 16.882.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年8月3日
VSAPI OPR パターンバージョン 16.883.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年8月4日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF046

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • AutoAdminLogon = 1
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • DefaultUserName = Administrator
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • DefaultDomainName = {Computer name}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • DefaultPassword = {random string}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • *{random} = {malware path}\{malware name}

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{appended ransomware extension}

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %ProgramData%\{extension}.bmp
  • {appended ransomware extension}.README.txt

手順 8

デスクトッププロパティを修正します。

[ 詳細 ]

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.BLACKMATTER.THGOCBA」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 10

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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