解析者: Karl Dominguez   

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

マルウェアは、リモートサイトから他のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。

  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ PE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年8月9日
ペイロード プロセスの強制終了, システムセキュリティへの感染活動, ファイルのダウンロード

侵入方法

マルウェアは、リモートサイトから以下のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

  • BKDR_TDSS.SIP

マルウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

  • http://buntermah.com/dx.php

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\{random characters}.exe
  • %System%\ernel32.dll
  • %System%\spool\prtprocs\w32x86\{random}.dll

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。. %System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • spoolsv.exe
  • svchost.exe

自動実行方法

この「スケジュールされたタスク」により、以下の時間ごとにマルウェアが実行されます。

  • At User Login

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Security Center
UacDisableNotify = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
system
EnableLUA = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%System%\spoolsv.exe = %System%\spoolsv.exe:*:Enabled:spoolsv.exe"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Tcpip\Parameters
NameServer = {BLOCKED}.{BLOCKED}.164.128,93.188.160.208

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{user defined}」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Tcpip\Parameters
DhcpNameServer = {BLOCKED}.{BLOCKED}.164.128,93.188.160.208

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{user defined}」となります。)

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • mbam.exe
  • spybotsd.exe
  • combofix.exe
  • superantispyware.exe
  • mrt.exe

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「BKDR_ZLOB.SMGS」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

    BKDR_TDSS.SIP

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_ZLOB.SMGS」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Security Center
    • UacDisableNotify = 1
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\system
    • EnableLUA = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %System%\spoolsv.exe = %System%\spoolsv.exe:*:Enabled:spoolsv.exe

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
    • From: NameServer = {BLOCKED}.{BLOCKED}.164.128,93.188.160.208
    • To: NameServer = {user defined}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
    • From: DhcpNameServer = {BLOCKED}.{BLOCKED}.164.128,93.188.160.208
    • To: DhcpNameServer = {user defined}

手順 7

「BKDR_ZLOB.SMGS」として検出されたファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

手順 8

追加されたジョブファイルの削除:

  1. [スタート]-[すべてのプログラム]-[アクセサリ]-[システム ツール]-[タスク]をクリックします。
  2. ジョブファイルをダブルクリックします。
  3. タブ[タスク]の「実行するファイル名」欄に、<不正プログラムのパス名およびファイル名>があるかどうか確認します。
  4. 確認された場合、該当するジョブファイルを削除します。
  5. 同様に、残りのジョブファイルを確認し、確認された場合、削除します。

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_ZLOB.SMGS」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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