解析者: Nikko Tamana   

 別名:

Trojan:Win32/AgentBypass.gen!G (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、Evernoteに接続することで不正リモートユーザからのコマンドを受信し、実行します。マルウェアの被害に遭ったユーザは、コンピュータのセキュリティが脅かされます。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

  詳細

ファイルサイズ 118,784 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2013年3月15日
ペイロード システム情報の収集, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\NETUT.dll - Also detected as BKDR_VERNOT.A

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアのDLLコンポーネントは、以下のプロセスに組み込まれます。

  • explorer.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows
load = "{Malware path and file name}.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"" 」となります。)

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download files
  • Execute files
  • Rename files
  • Unzip archive files

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Affected machine’s Registered Owner
  • Affected machine’s Registered Organization
  • Affected machine's OS information
  • Affected machine's Time Zone
  • Affected machine's User Name
  • Affected machine's Computer Name

その他

マルウェアが実行するコマンドは以下のとおりです。

  • ファイルのダウンロード
  • ファイルの実行
  • ファイル名の改称
  • アーカイブファイルの解凍

マルウェアが収集する感染コンピュータに関する情報は以下のとおりです。

  • オペレーティングシステム(OS)情報
  • タイムゾーン
  • ユーザ名
  • コンピュータ名
  • 登録されている所有者
  • 登録されている組織

マルウェアは、データの記録・保存サービスを提供する「Evernote」の以下の正規サイトにアクセスします。

  • https://evernote.com/intl/zh-cn

このマルウェアがEvernoteアカウントにログインする際に利用するユーザ認証情報が失効しているため、自身のバックドア活動を実行しません。

マルウェアは、利用する認証情報が有効だった場合、以下の不正活動を行う可能性があります。

  • Evernoteのアカウントに保存されているノートから自身のコマンド&コントロール(C&C)サーバを取得する
  • Evernoteのアカウントに保存されているノートから自身のバックドアコマンドを問い合わせる
  • 収集した情報を送信するための場所として、Evernoteのノートを利用する

  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.820.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年3月27日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.821.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年3月28日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_VERNOT.A」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
    • From: load = "{Malware path and file name}.exe"
      To: load = ""

手順 5

BKDR_VERNOT.A として検出されたファイルを検索し削除します。

註:このファイルは、隠しファイルとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

特定のファイルが起動した際、マルウェアの自動起動実行の停止:

  • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

    1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    2. [ファイル名のすべてまたは一部]に上記で確認したファイル名を入力してください。
    3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、Enter を押します。
    4. 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。

  • Windows Vista および 7 の場合:

    1. [スタート]をクリックします。
    2. [プログラムとファイルの検索]に、上記で確認したファイル名を入力し、Enter を押します。
    3. 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
  • 手順 6

    コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_VERNOT.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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