解析者: Erika Bianca Mendoza   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

これは、複数の「BKDR_POISON」の亜種を解析した結果に基づいた説明です。ファイル名およびレジストリ値といった具体的な情報は、亜種によって異なります。

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、添付ファイルに正規のプログラムのアイコンを用いて、無害なファイルを装います。

  詳細

ファイルサイズ 不定
メモリ常駐 はい
発見日 2011年10月27日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 5-18 rat
  • 7-05'rat
  • q's rat
  • 9-15'rat
  • admin
  • 9-7'rat
  • )!VoqA.l4
  • 6as4d

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Active Setup\Installed Components\{random GUID}
StubPath = "{malware path and file name"

感染活動

マルウェアは、添付ファイルに以下のプログラムアイコンを使用します。

  • Microsoft Word
  • Flash

バックドア活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}rus.sytes.net
  • {BLOCKED}4.{BLOCKED}4.215.58
  • {BLOCKED}irus-groups.com
  • {BLOCKED}n.rm6.org
  • {BLOCKED}ir.no-ip.org
  • {BLOCKED}o.3322.org
  • www.{BLOCKED}4rt.org

マルウェアは、以下のレジストリ値にアクセスすることによって、既定のWebブラウザを問い合わせます。

HKEY_CLASSES_ROOT\http\shell\open\command

そして、隠しWebブラウザのプロセス(例:iexplore.exe)を実行します。さらにマルウェアは、そのプロセスに自身のバックドア活動を含むコードを挿入します。

マルウェアは、以下の機能を備えています。

  • スクリーン、音声、Webカメラの画像の取得
  • ファイルの削除、検索およびアップロード
  • リモートコードをダウンロードし、正規のプロセスに挿入
  • キー入力操作情報およびアクティブなウィンドウの記録
  • プロセスおよびサービスの管理
  • レジストリ値の変更および検索
  • シェルコマンドの実行
  • コンピュータに関する情報(IPアドレス、コンピュータ名、ユーザ名、OSのバージョン)の送信
  • マルウェアの更新/アンインストール
  • アクティブなウィンドウおよびポートの確認および終了

その他

マルウェアは、RAR形式の自己解凍型アーカイブ(拡張子SFX)に含まれ、Eメールに添付されてコンピュータに侵入します。

このSFXファイルは、以下のいずれか、またはそれ以外のファイル名としてこのマルウェアを作成し、実行します。

  • %User Temp%\anti.exe
  • %User Temp%\anti15.exe
  • %User Temp%\delete.exe
  • %User Temp%\forget.exe
  • %User Temp%\fuck.exe
  • %User Temp%\sa.exe
  • %User Temp%\so.exe
  • %User Temp%\t120k.exe
  • %User Temp%\xx.exe
  • %User Temp%\xxxx.exe

(註:%User Temp%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Temp"、Windows NT の場合、"C:\Profiles\<ユーザー名>\TEMP"、Windows 2000、XP、Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\TEMP" です。)

また、このSFXファイルは、以下のいずれかの暗号化されたコンポーネントファイルを作成します。

  • %User Temp%\815anti.txt
  • %User Temp%\anti.txt
  • %User Temp%\hol.txt
  • %User Temp%\msvc000001a.txt
  • %User Temp%\offer.txt
  • %User Temp%\ophcrack.txt
  • %User Temp%\query.txt

(註:%User Temp%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Temp"、Windows NT の場合、"C:\Profiles\<ユーザー名>\TEMP"、Windows 2000、XP、Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\TEMP" です。)

実行されると、マルウェアは、感染コンピュータのアカウントユーザが、管理者権限を保有しているかを確認します。

感染コンピュータのアカウントユーザが管理者権限を保有している場合、マルウェアは、自身のコピーを代替データストリーム(ADS)へ作成、または<Windowsシステムフォルダ>内の物理ファイルとして自身のコピーを作成します。作成されるコピーのファイル名は検体によって変化します。

  • %System%:mstrc.scr
  • %System%:mstseca.exe
  • %System%:msvcr71.exe
  • %System%:secrm.scr
  • %System%\lsyae.exe
  • %System%\msvc81.exe
  • %System%\sysmrc.exe
  • %System%\winsys.exe

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

感染コンピュータのアカウントユーザが管理者権限を保有してない場合、マルウェアは、以下のいずれかとして自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\mscyv.exe
  • %User Profile%\Application Data\mstrc.scr
  • %User Profile%\Application Data\secrm.scr
  • %User Profile%\Application Data\winsys.exe

(%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、暗号化されたコンポーネントファイルを以下としてコピーします。

  • %Program Files%\Common Files\ODBC\odbc.DAT
  • %Program Files%\Common Files\ODBC\ODUBC.DLL
  • %Program Files%\NetMeeting\netsa.dll
  • %Program Files%\Outlook Express\msvc7.dll
  • %System%\jql.sys
  • %Windows%\java\classes\JQB.dll
  • %Windows%\java\java.dll
  • %Windows%\system\JQB.dll
  • %Windows%\system\VER.SYS
(註:%Program Files%は、標準設定では "C:\Program Files" です。 %System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。 %Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • Explorer.exe

これは、複数の「BKDR_POISON」の亜種を解析した結果に基づいた説明です。ファイル名およびレジストリ値といった具体的な情報は、亜種によって異なります。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.200

トレンドマイクロのお客様:

    最新のバージョン(パターンファイル and エンジン)を導入したセキュリティ対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。検出したファイルはすべて「削除」し、検出したウイルスはすべて「駆除」してください。削除対象となるファイルには、トロイの木馬型不正プログラムやスクリプト系、上書き感染型ウイルス(overwriting virus)、ジョーク・プログラムなど「駆除」できない不正プログラムがあげられ、これらのファイルを検出した場合は、すべて「削除」してください。

インターネットをご利用の皆様:

    1. トレンドマイクロの「オンラインスキャン」を使って、あなたの PC がウイルスに侵されていないかどうかを簡単にチェックすることが可能です。オンラインスキャンはあなたのコンピュータの中に不正なプログラムが存在するかどうかをチェックします。
    2. 今日、PCやネットワークをセキュリティ上の脅威から守り、安全なIT環境を維持するためには、セキュリティ製品を活用することが最も有効な方法となっています。トレンドマイクロは、一般の個人ユーザだけでなく、企業ユーザやインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)向けに、ウイルス対策製品やコンテンツセキュリティ対策をご提供しています。トレンドマイクロの製品・サービスについては、こちらをご参照ください。


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