解析者: Abraham Latimer Camba   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、他のマルウェアによって作成されたマルウェアとしてコンピュータに侵入します。マルウェアは、標的型攻撃のキャンペーンで使用されている「Enfal」の亜種です。このマルウェアを作成する「TROJ_ARTIEF.SDY」は、ハリケーン「サンディ」に便乗したスパムメールに添付された文書ファイルとしてコンピュータに侵入します。

この事例に関する情報は、セキュリティブログ「ハリケーン「サンディ」に便乗する攻撃 NATOの特殊戦司令部を標的に」をご参照ください。

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

  詳細

ファイルサイズ 32,768 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年11月16日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

マルウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

  • TROJ_ARTIEF.SDY

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Temp%\adobeupd.exe

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • HTTPS-GNIK
  • MAINHTTPS
  • RMTCURR

自動実行方法

マルウェアは、<User Startup>フォルダ内に、自身のコピーに誘導する以下のショートカットを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーが自動実行されます。

  • %User Startup%\Adobe Center.lnk
  • All Users' %User Startup%\Adobe Center.lnk

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 98 および ME の場合、通常、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup"、Windows NT の場合、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" および "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。)

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download files from C&C server
  • Upload files to C&C server
  • Enumerate drives
  • Get drive information
  • Enumerate files/folders
  • Find files/folders
  • Get file information
  • Create files/folders
  • Modify files/folders
  • Copy files/folders
  • Delete files/folders
  • Execute files
  • Terminate processes
  • Get time zone information
  • Perform remote shell
  • Sleep for a specified amount of time

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • https://domain.{BLOCKED}2.us

マルウェアは、コマンド&コントロール(C&C)サーバに以下の情報を通知します。

  • Host name
  • MAC address
  • OS version information

その他

マルウェアが実行するコマンドは以下のとおりです。

  • C&Cサーバからファイルのダウンロード
  • C&Cサーバへファイルのアップロード
  • ドライブの列挙
  • ドライブに関する情報の収集
  • ファイル/フォルダの列挙
  • ファイル/フォルダの検索
  • ファイルに関する情報の収集
  • ファイル/フォルダの作成
  • ファイル/フォルダの改変
  • ファイル/フォルダのコピー
  • ファイル/フォルダの削除
  • ファイルの実行
  • プロセスの終了
  • タイムゾーンに関する情報の収集
  • リモートシェルの実行
  • 特定の時間の間スリープする

マルウェアがC&Cサーバに通知する情報は、以下のとおりです。

  • ホスト名
  • MACアドレス
  • オペレーティングシステム(OS)の種類に関する情報

  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.530.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年11月16日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.531.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年11月17日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「BKDR_DLDR.A」 を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。

手順 3

「BKDR_DLDR.A」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Startup%\Adobe Center.lnk
  • All Users' %User Startup%\Adobe Center.lnk

手順 5

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_DLDR.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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