BKDR_BLADABIN.AB
Backdoor:MSIL/Bladabindi (Microsoft); Trojan.MSIL.Zapchast.cqev (Kaspersky); Trojan.Win32.Generic!BT (Sunbelt); Trojan horse Packed_c.CDKB (AVG)
Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)
マルウェアタイプ:
バックドア型
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
はい
感染報告の有無 :
はい
概要
トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
マルウェアは、ブラジルで開催される2014 FIFAワールドカップを悪用したソーシャルエンジニアリングによる攻撃に関連しています。マルウェアがバックドア活動を展開することにより、このマルウェアに感染したユーザのコンピュータが危険に見舞われる可能性があります。
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。
- %User Temp%\pls.exe
(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)
マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- f3ef1d36b8ed15fcea19675640dc1fb9
自動実行方法
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
f3ef1d36b8ed15fcea19675640dc1fb9 = ""%User Temp%\pls.exe" .."
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
f3ef1d36b8ed15fcea19675640dc1fb9 = ""%User Temp%\pls.exe" .."
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Environment
SEE_MASK_NOZONECHECKS = "1"
マルウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%User Temp%\pls.exe = "%User Temp%\pls.exe:*:Enabled:pls.exe"
バックドア活動
マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- Download and execute files
- Compress files for uploading
- Load plugins
- Ping
- Registry management
- Perform remote shell
- Restart
- Capture screenshots
- Unistall itself
- Update itself
- Terminate itself
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。
- {BLOCKED}her1.no-ip.biz:1177
情報漏えい
マルウェアは、以下の情報を収集します。
- Computer name
- User name
- OS version
- Date of installation
- Window title of open application
その他
マルウェアが実行するコマンドは、以下のとおりです。
- ファイルのダウンロードおよび実行
- アップロードするためファイルを圧縮
- プラグインの読み込み
- Pingの送信
- レジストリの管理
- リモートシェルの実行
- 再起動
- スクリーンショットの取得
- 自身のアンインストール
- 自身の更新
- 自身の終了
マルウェアが収集する情報は、以下のとおりです。
- コンピュータ名
- ユーザ名
- オペレーティングシステム(OS)の種類
- インストールの日付
- 開かれているアプリケーションのウィンドウタイトル
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_BLADABIN.AB」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
手順 3
「BKDR_BLADABIN.AB」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。
- 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャに表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
セーフモードについては、こちらをご参照下さい。 - 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Environment
- SEE_MASK_NOZONECHECKS = "1"
- SEE_MASK_NOZONECHECKS = "1"
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- f3ef1d36b8ed15fcea19675640dc1fb9 = ""%User Temp%\pls.exe" .."
- f3ef1d36b8ed15fcea19675640dc1fb9 = ""%User Temp%\pls.exe" .."
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- f3ef1d36b8ed15fcea19675640dc1fb9 = ""%User Temp%\pls.exe" .."
- f3ef1d36b8ed15fcea19675640dc1fb9 = ""%User Temp%\pls.exe" .."
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
- %User Temp%\pls.exe = "%User Temp%\pls.exe:*:Enabled:pls.exe"
- %User Temp%\pls.exe = "%User Temp%\pls.exe:*:Enabled:pls.exe"
手順 5
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_BLADABIN.AB」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください