解析者: Anthony Joe Melgarejo   

 別名:

TrojanSpy:Win32/Alinaos.E (Microsoft), Infostealer.Alina (Symantec), Troj/Trackr-Gen (Sophos), W32/Spy.POSCARDSTEALER.D!tr (Fortinet), Win32/Spy.POSCardStealer.D trojan (ESET)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからリモートで受信する特定のコマンドを実行します。これにより、感染コンピュータおよび同コンピュータ上の情報は危険にさらされることとなります。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 60,928 bytes
タイプ EXE
ファイル圧縮 UPX
メモリ常駐 はい
発見日 2013年7月24日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Profile%\Application Data\{file name}.exe

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
CurrentVersion\Run
{file name} = "%User Profile%\Application Data\{file name}.exe"

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Update itself
  • Set intervals of checking for update and download link
  • Set intervals of sending of logs and log level

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}ns.com/forum/login.php
  • http://{BLOCKED}zus.com/forum/login.php

マルウェアは、コマンド&コントロール(C&C)サーバに以下の情報を通知します。

  • act = Action type ([d]ownload, [l]og or [c]ard data)
  • b = Volume serial number
  • c = Computer Name
  • v = Malware build version
  • p = Malware Installation path
  • ldata = log data
  • cdata = card (track) data

その他

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは以下のとおりです。

  • 自身の更新
  • 更新およびダウンロードするリンクを確認する間隔の設定
  • ログを送信する間隔とログレベルの設定

マルウェアがコマンド&コントロール(C&C)サーバに通知する情報は以下のとおりです。

  • act = アクションタイプ (“[d]ownload“,“[l]og“または“[c]ard data“)
  • b = ボリュームシリアルナンバー
  • c = コンピュータ名
  • v = マルウェアのビルトのバージョン
  • p = マルウェアのインストールパス
  • ldata = ログのデータ
  • cdata = カード(トラック)データ

{file name}には、以下のいずれかが該当します。

  • dwm
  • win-firewall
  • adobeflash
  • desktop
  • jucheck
  • jusched
  • java

マルウェアは、すべての実行中のプロセスのメモリをスキャンし、カードトラックデータを収集します。

マルウェアは、以下のプロセスのスキャンはスキップします。

  • explorer.exe
  • chrome.exe
  • firefox.exe
  • iexplore.exe
  • svchost.exe
  • smss.exe
  • crss.exe
  • wininit.exe
  • steam.exe
  • devenv.exe
  • thunderbird.exe
  • skype.exe
  • pidgin.exe

マルウェアは、以下の正規表現をトラックデータをスキャンするためのパターンとして利用します。

  • ((%?[Bb´`]?)[0-9]{13,19}\^[A-Za-z\s]{0,26}/[A-Za-z\s]{0,26}\^(1[2-9])(0[1-9]|1[0-2])[0-9\s]{3,50}\?)
  • ([0-9]{13,19}=(1[2-9])(0[1-9]|1[0-2])[0-9]{3,50}\?)
  • (((%?[Bb´`]?)[0-9]{13,19}\^[A-Za-z\s]{0,26}/[A-Za-z\s]{0,26}\^(1[2-9])(0[1-9]|1[0-2])[0-9\s]{3,50}\?)[;\s]{1,3}([0-9]{13,19}=(1[2-9])(0[1-9]|1[0-2])[0-9]{3,50}\?))

    マルウェアがHTTP POSTを利用して送信するデータのテンプレートは以下のとおりです。


    [Download/Update]
    act=d&b={volume serial number}&c={Computer Name}&v={Malware build version}&p={Malware Installation path}


    [Sending log data]
    act=l&b={volume serial number}&c={Computer Name}&v={Malware build version}&p={Malware Installation path}&ldata={encrypted log data}


    [Sending Card data]
    act=c&b={volume serial number}&c={Computer Name}&v={Malware build version}&p={Malware Installation path}&cdata={encrypted card data}

    マルウェアは、以下の実行パラメータを受け取ります。


    [Installation]
    alina={initial malware path and file name}

    {initial malware path and file name}が、利用されるため、作成されたマルウェアのコピーによってマルウェアを削除することが可能です。


    [Update]
    update={Current Installation Path};{New Installation Path}

  •   対応方法

    対応検索エンジン: 9.700
    初回 VSAPI パターンバージョン 10.174.06
    初回 VSAPI パターンリリース日 2013年7月25日
    VSAPI OPR パターンバージョン 10.175.00
    VSAPI OPR パターンリリース日 2013年7月25日

    手順 1

    Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

    手順 2

    このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
    最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_ALINA.NG」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

    手順 3

    Windowsをセーフモードで再起動します。

    [ 詳細 ]

    手順 4

    このレジストリ値を削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\CurrentVersion\Run
      • {file name} = "%User Profile%\Application Data\{file name}.exe"

    手順 5

    コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_ALINA.NG」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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