更新者 : Bren Matthew Ebriega

 別名:

Trojan.Win32.Scar.sydj (KASPERSKY)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

トレンドマイクロは、サイバー犯罪者がビデオ会議アプリ「Zoom」の人気に便乗し、バックドア型マルウェアを同梱させた偽のZoomインストーラをユーザにインストールさせる手口を確認しました。これらの偽のZoomインストーラは、不正サイトや不審サイト上に設置されていると考えられます。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  詳細

ファイルサイズ 14424628 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2020年5月11日
ペイロード ファイルの作成, URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\pyclient.cmd → Detected as Backdoor.BAT.DEVILSHADOW.THEAABO
  • %User Temp%\cmd_shell.exe → Detected as Trojan.Win32.DEVILSHADOW.THEAABO
  • %User Profile%\boot-startup.vbs → Detected as Trojan.BAT.DEVILSHADOW.THEAABO
  • %User Profile%\new_script.txt → Detected as Trojan.JS.DEVILSHADOW.THEAABO
  • %User Profile%\shell.bat → Detected as Trojan.BAT.DEVILSHADOW.THEAABO
  • %User Temp%\zoom.exe → Legitimate Zoom Installer
  • %User Profile%\node.exe → Legitimate node.exe
  • %System Root%\botnet\client_id_file → contains generated_id
  • %System Root%\botnet\bot_id_{Generated ID} {Hostname} {IP Address} {Client} → Client Identifier
  • %System Root%\botnet\botnet_start.vbs
  • %System Root%\botnet\wget.js
  • %System Root%\botnet\pyclient.cmd → Copy of the one in %User Temp%
  • %System Root%\botnet\scexec-win32.exe
  • %System Root%\botnet\scexec-win64.exe
  • %System Root%\botnet\Rar.exe
  • %System Root%\botnet\K7firewall.exe
  • %System Root%\botnet\unzip.exe
  • %System Root%\botnet\webcam.exe
  • %System Root%\botnet\execute.vbs
  • %User Temp%\av → contains result of Anti-Virus Query

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\cmd.exe /c %User Temp%\pyclient.cmd
  • %System%\cmd.exe /c %User Temp%\cmd_shell.exe
  • %System%\cmd.exe /c %User Temp%\zoom.exe
  • %System%\cmd.exe /c cd %userprofile% & attrib +s +h +a *.vbs & attrib +s +h +a *.bat & reg add Hkey_CURRENT_USER\software\microsoft\windows\currentversion\run /v bootstartup /t reg_sz /d %userprofile%\boot-startup.vbs /f & shell.bat
  • %System%\cmd.exe /c "Tasklist /FI WINDOWTITLE eq D3ViL ShaDow"
  • %System%\cmd.exe /c "Tasklist /FI WINDOWTITLE eq Administrator: D3ViL ShaDow"
  • %System%\cmd.exe attrib +s +h +a %System Root%\botnet
  • %System%\cmd.exe copy /y %User Temp%\pyclient.cmd %System Root%\botnet\pyclient.cmd
  • %System%\cmd.exe reg add hkcu\software\microsoft\windows\currentversion\run /v botnet /t reg_sz /d C:\botnet\botnet_start.vbs /f
  • %System%\cmd.exe ping www.google.com -n 1
  • %System&\cmd.exe unzip.exe -ox python_client.zip
  • %System%\cmd.exe %System%\WScript.exe %System Root%\botnet\botnet_start.vbs
  • %System%\cmd.exe copy /y %System%\cmd.exe %Public%\explorer.exe
  • %System%\cmd.exe %User Profile%\node.exe new_script.txt
  • %Public%\explorer.exe
  • %System&\cmd.exe wmic /namespace:\root\securitycemter2 path antivirusproduct GET displayName, productState, pathToSignedProductExe

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %System Root%\botnet

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
bootstartup = %User Profile%\boot-startup.vbs

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
botnet = %System Root%\botnet\botnet_start.vbs

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Update/Reset/Terminate Client (Self)
  • Load Client Modules (Self)
  • Log Keystrokes
  • Take Screenshots
  • Record Desktop
  • Operate Webcam
  • Operate CMD
  • Install Programming Languages
  • Download/Upload/Execute Files
  • Install and Operate Ngrok
  • Install and Operate WinVNC
  • List and Modify AutoStart Registries
  • List, Add and Start Scheduled Tasks
  • Check and Elevate User Privileges
  • Execute Shellcode and Scripts
  • Harvest the Following Information:
    • Process List
    • Drive List
    • Directories and Files List
    • System Info
    • Startup Items
    • AntiVirus Info
    • Locally Stored Credentials

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • https://hosting303.{BLOCKED}hostapp.com
  • madleets.{BLOCKED}s.net:4444

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。

  • https://raw.{BLOCKED}usercontent.com/DevilBot000/Tools/master/unzip.exe → %System Root%\botnet\unzip.exe
  • https://raw.{BLOCKED}usercontent.com/DevilBot000/Tools/master/python_client.zip → %System Root%\botnet\python_client.zip

<補足>
インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\pyclient.cmd → 「Backdoor.BAT.DEVILSHADOW.THEAABO」として検出
  • %User Temp%\cmd_shell.exe → 「Trojan.Win32.DEVILSHADOW.THEAABO」として検出<
  • %User Profile%\boot-startup.vbs → 「Trojan.BAT.DEVILSHADOW.THEAABO」として検出
  • %User Profile%\new_script.txt → 「Trojan.JS.DEVILSHADOW.THEAABO」として検出
  • %User Profile%\shell.bat → 「Trojan.BAT.DEVILSHADOW.THEAABO」として検出
  • %User Temp%\zoom.exe → 正規のZoomインストーラ
  • %User Profile%\node.exe → 正規のnode.exe
  • %System Root%\botnet\client_id_file → 生成されたIDを含む
  • %System Root%\botnet\bot_id_{生成されたID} {ホスト名} {IPアドレス} {クライアント} → クライアント識別子
  • %System Root%\botnet\botnet_start.vbs
  • %System Root%\botnet\wget.js
  • %System Root%\botnet\pyclient.cmd → %User Temp%内のコピー
  • %System Root%\botnet\scexec-win32.exe
  • %System Root%\botnet\scexec-win64.exe
  • %System Root%\botnet\Rar.exe
  • %System Root%\botnet\K7firewall.exe
  • %System Root%\botnet\unzip.exe
  • %System Root%\botnet\webcam.exe
  • %System Root%\botnet\execute.vbs
  • %User Temp%\av → ウイルス対策のクエリ結果を含む

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • クライアントの更新/リセット/終了 (自身)
  • クライアントモジュールの読み込み (自身)
  • キー入力操作情報のログ記録
  • スクリーンショットの取得
  • デスクトップの録画
  • Webカメラの操作
  • コマンドプロンプトの操作
  • プログラミング言語のインストール
  • ファイルのダウンロード/アップロード/実行
  • Ngrokのインストールおよび操作
  • WinVNCのインストールおよび操作
  • 自動実行させるレジストリの一覧表示および変更
  • スケジュールされたタスクの一覧表示、追加、開始
  • ユーザ権限の確認および昇格
  • シェルコードおよびスクリプトの実行
  • 以下の情報を窃取します。
    • プロセスの一覧
    • ドライブの一覧
    • ディレクトリおよびファイルの一覧
    • システム情報
    • スタートアップアイテム
    • ウイルス対策製品の情報
    • ローカルに保存された認証情報

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.862.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2020年5月11日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.863.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2020年5月12日

手順 1

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「Backdoor.Win32.DEVILSHADOW.THEAABO」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • bootstartup = %User Profile%\boot-startup.vbs
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • botnet = %System Root%\botnet\botnet_start.vbs

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\botnet

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %User Profile%\node.exe
  • %System Root%\botnet\client_id_file
  • %System Root%\botnet\bot_id_{Generated ID} {Hostname} {IP Address} {Client}%System Root%\botnet\botnet_start.vbs
  • %System Root%\botnet\wget.js
  • %System Root%\botnet\pyclient.cmd
  • %System Root%\botnet\scexec-win32.exe
  • %System Root%\botnet\scexec-win64.exe
  • %System Root%\botnet\Rar.exe
  • %System Root%\botnet\K7firewall.exe
  • %System Root%\botnet\unzip.exe
  • %System Root%\botnet\webcam.exe
  • %System Root%\botnet\execute.vbs

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Backdoor.Win32.DEVILSHADOW.THEAABO」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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