AIとセキュリティの交差点は「運用」にあり! ~2024 Risk to Resilience World Tour Japanセッション紹介①
2024年7月23日に東京、8月1日に大阪で開催されるカンファレンス「2024 Risk to Resilience」。今回はセッション紹介として、AIの効果的な運用をテーマとした、当社のセッションをご紹介します。
生成AIショックの波に乗るべきか?
HAL9000、Mother、MCP―。何の名前か分かる方はいらっしゃるでしょうか?
少し年代が進むとSKYNET、Red Queen、M3GANといった名称も登場します。
全部分かった方は、映画通。そう、SF映画に登場するAI(人工知能)の機能を備えたコンピュータやロボットの名前です。
こうした、AIを描いた映画のような世界がいつか現実になるのではないか―。
誰しもがそう改めて思い浮かんだ出来事が2022年にありました。「ChatGPT」の登場です。
それ以降、どの企業も生成AIを活用したビジネスの効率化や顧客価値の向上を目指す、“生成AIショック”ともいえる状況が全世界で続いています。以下の記事にもある通り、2024年3月に発表された国内企業の調査では、生成AIの利用企業は35%に上っています(今後の利用検討を含めると約7割にもなります)。
参考記事:生成AIのビジネス活用と考慮すべきリスク
こうしたデータや日々のAI関連の華やかなニュースを見聞きすると、「当社もAI導入を急がなくては」と焦る気持ちにもなるでしょう。しかし、そんな方に特に参加いただきたいセッションがあります。当社のシニアスレットリサーチャー 東が登壇する「AIとセキュリティの交差点は『運用』にあり!人間の盲点をカバーするAI活用のすゝめ」です。
AI活用で重要なのは目的のセット?
東はトレンドマイクロに入社以来、脅威ハンティングや機械学習型検索エンジンの研究・開発に従事してきた経験を持ちます。東はAIの真の活用を理解するのに有効な、1つの著名な定理を提示します。それが、「ノーフリーランチ定理」です。
ノーフリーランチ定理とは: 日本語で言う「タダより高い物はない」、「うまい話はない」と同義の言葉で、酒場で「お酒を頼んだ客には無料でランチを振る舞う」サービスを宣伝していたものの、実はお酒の料金にランチ代が含まれていたという話に基づきます。AI開発の世界では、「特定の分野で最高の性能(探索)を示すアルゴリズムは、他の分野でも同等の性能を示すアルゴリズムとはならない」ことを示す言葉として使用されます。 |
ノーフリーランチ定理が示すことは、AIでの学習全般に言えることであり、活用する側も念頭に置く必要があります。私たちがAIとうまく付き合っていくために大切なことは、今も昔も大きく変わっておらず、解決したい問題が何なのかをクリアにすることもその一つです。
東の講演は、この後もう1つの定理を示しながら、AIを作る人だけでなく活用する人も”解決したい問題が何か”を定義することの重要性について議論を深めていきます。
「AI×セキュリティ」でサイバーリスク対策を向上させるには
さて、AIをセキュリティ運用に活用するにはどうするか?このテーマにも東の登壇では、切り込んでいきます。ここで全てをご紹介できませんが、ここでも「解決したい問題」が何なのか、が重要になります。
本講演の後半では、サイバーセキュリティにおける「解決したい問題」とは何なのか?それは誰が把握できるものなのか?を踏まえたうえで、「セキュリティにおける有効なAIの活用」を語ります。長年この分野で研究・開発を行ってきたからこそ語れる、示唆に富んだ講演を行います。
「AI活用をしたいけれど、何に活用してよいのか分からない」、「セキュリティ運用はどこまでAIにお任せできるのか?」などの疑問をお持ちの方はぜひご参加ください。
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