NVIDIA AI EnterpriseソフトウェアプラットフォームとトレンドマイクロのAIを活用したソリューションが、重要な産業分野でのセキュリティをどのように向上できるか解説します。
執筆者:Trend Micro
2024年10月8日
サイバー脅威の規模が拡大し、ますます巧妙化するにつれて、すべての産業分野において革新的なサイバーセキュリティソリューションの必要性が高まっており、最優先事項となっています。2024 Report on the Cybersecurity Posture of the United Statesによると、連邦政府機関や重要インフラは、より高い頻度で、複雑なサイバー脅威に直面しており、堅牢なサイバーセキュリティ対策の必要性が高まっています。このような脅威の高度化は、機密情報を危険にさらし、厳格な規制への対応をより複雑かつ困難にしています。
トレンドマイクロは、NVIDIA AIを活用したセキュリティソリューションの開発を進めてきました。本記事では、NVIDIA AI Enterpriseソフトウェアプラットフォームを活用し、どのようにセキュリティを再構築しているかを解説します。
また、11月12日~11月13日に開催されるNVIDIA AI Summit Japanにおいても、トレンドマイクロブースにて詳細をご紹介します。
当社はNVIDIAと協働し、AIの力を活用してサイバーセキュリティ製品を強化してきました。この協働により、いくつかの重要なマイルストーンを達成しています。
当社は、NVIDIAのフルスタック アクセラレーテッド コンピューティング プラットフォームを統合サイバーセキュリティプラットフォームTrend Vision One™ へ活用することに注力し、脅威の検知と対応を強化しました。
その結果、増大するサイバー脅威の複雑さに対処できるよう設計された高度なツールとフレームワークが開発されました。これらの成果は、組織における最新のアプリケーションやAIモデルを保護するために、サイバーセキュリティの可能性を押し広げていく当社の有効性を強調しています。
トレンドマイクロがAI時代のサイバーセキュリティ戦略として提示する「AI for Security(セキュリティのためのAI)」「Security for AI(AIのためのセキュリティ)」は、次世代のセキュリティソリューションにAIを採用すること、そして急速に拡大するAIインフラを保護すること、その両面が重要であることを強調しています。
世界中のより多くの組織における安全なLLMアプリケーション活用を支援するために、当社はプロンプト インジェクションやデータの完全性の問題、ハルシネーションなどの主要なリスクに立ち向かうための包括的なフレームワークを作成しました。こちらのホワイトペーパーから詳細をご覧ください。
Trend Vision Oneは、NVIDIA NIMマイクロサービスとMorpheusを活用して、イベントストリームのAI分析を行い、異常なふるまいや新たな脅威を特定します。NVIDIA AI Enterpriseの一部であるNVIDIA Morpheusは、大量のデータを分析し、セキュリティオペレーションを高速化するために設計されたGPUアクセラレーテッドAIフレームワークです。NVIDIA Morpheusは、AIを活用したセキュリティアプリケーション開発と展開のためのフレームワークを提供し、脅威の検知・対応の速度と精度を大幅に向上させます。
Trend Vision One™ -Sovereign and Private Cloud(V1SPC)は、プライベートクラウド環境向けの包括的なセキュリティソリューションです。V1SPCはAIを活用してサイバー脅威に対する堅牢な保護を提供し、データを組織の環境下で管理し、特定の組織におけるプライバシー懸念に対応します。V1SPCは、NVIDIA AI Enterpriseに含まれるNVIDIA NIMマイクロサービスを使用してTrend Companion(セキュリティ運用を支える、AIを活用したチャット機能)を完全なプライベート環境で実装、提供します。ソブリンクラウドにおいて、生成AIを活用し、グローバルな脅威インテリジェンスとテレメトリからのインサイトをコンテキスト化します。
AIインフラのネットワーク通信の保護は、脆弱性を突いた攻撃からの保護、不審なアクティビティの検知、データの完全性とプライバシーの確保に不可欠です。脆弱性情報の開示、NDR市場のリーダーとして、トレンドマイクロはTippingPointやDeep Discovery InspectorのようなIDS/IPSソリューションによる高度な保護を提供します。このテクノロジーを組み合わせることにより、組織や政府は重要なAI環境を保護し、主要な課題に対処する最先端のソリューションを開発することができます。
V1SPCの際立った特徴の一つは、データ主権とコンプライアンスに重点を置いていることです。これにより、機密情報が組織の管轄下におかれ、業界標準や政府規制に準拠していることが保証されます。これは、規制の厳しい業界や厳格なデータ保護法が施行されている地域で事業を展開する組織にとって非常に重要です。
V1SPCは、プライベートクラウド内でデータを保持し、高度なセキュリティ機能を提供することで、コンプライアンス要件に対応しながらデータ侵害や不正アクセスから組織を保護するのに役立ちます。
金融機関:金融機関は、NVIDIA MorpheusとTrend Vision Oneの組み合わせを活用して、顧客の機密情報を保護し、不審なアクティビティをより高い精度で検出しています。
医療機関:医療分野では、患者データを保護し、HIPAAなどの規制への準拠を確保するだけではなく、AIを活用した医療研究でのセキュリティも強化しています。
政府機関:政府機関は、機密情報を保護し、AI主導の取り組みが安全で規制基準に準拠していることを確認するために、これらのソリューションを活用しています。V1SPCは、脅威からの保護機能に加え、政府情報を環境内に保持し、SOCチームを支援するTrend Companionのような革新的なテクノロジーを使用することができます。
お客様は、セキュリティ態勢と運用効率が大幅に向上したことを実感しています。脅威をより迅速に検出し、データを安全に管理する能力は、多くの組織にとって大きな変革をもたらします。
当社は革新を続けています。統合サイバーセキュリティプラットフォームTrend Vision Oneは、今日のセキュリティ課題に対応し、明日の脅威を予測できるように設計されています。オンプレミス、ハイブリッド、クラウド環境のいずれにおいても、当社のプラットフォームは、さまざまな業界の組織が、独自のセキュリティニーズに自信をもって対応できるよう必要なセキュリティ機能を提供しています。
Imagine with AI. Secure with Trend.