解析者: Byron Jon Gelera   

 別名:

Mal/Bladabi-J (Sophos)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

ワームは、コンピュータの情報を収集し、自身のサーバに送出します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

ワームは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 311,296 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2017年5月18日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, キー入力操作情報の記録, ファイルの作成, 情報収集

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\netcom.exe

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857 = "%User Temp%\netcom.exe" ..

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857 = "%User Temp%\netcom.exe" ..

ワームは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857.exe ← copy of itself

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857
US = "!"

HKEY_CURRENT_USER\Environment
SEE_MASK_NOZONECHECKS = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%User Temp%\netcom.exe = "%User Temp%\netcom.exe:*:Enabled:netcom.exe"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Removable Drive letter}:\2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857.exe

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download and execute files
  • Execute arbitrary codes or shell commands
  • Uninstall itself
  • Update itself
  • Terminate itself
  • Screenshot
  • Registry management

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}mathkor.{BLOCKED}p.biz:9999

作成活動

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • %User Profile%\.tmp ← contains logged keystrokes
  • %Desktop%\.tmp ← contains logged keystrokes

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.. %Desktop%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。.)

情報漏えい

ワームは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

ワームは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。これは、自身のコピーです。

  • %User Startup%\2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857.exe

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • <リムーバブルドライブのアルファベット>:\2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857.exe

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • ファイルのダウンロードおよび実行
  • 任意のコードあるいはシェルコマンドの実行
  • 自身のアンインストール
  • 自身の更新
  • 自身の終了
  • スクリーンショットの取得
  • レジストリの管理

ワームが作成する以下のファイルには、記録されたキー入力操作情報が含まれます。

  • %User Profile%\.tmp
  • %Desktop%\.tmp

ワームは、以下を実行します。

  • 以下のシェルコマンドを実行して、ファイアウォールによる保護を回避します。
    %System%\netsh firewall add allowedprogram "%User Temp%\netcom.exe" "netcom.exe" ENABLE
  • ワームは、リムーバブルドライブにある自身のコピーを隠ぺいします。
  • リムーバブルドライブにある既存のファイルを利用して LNK(ショートカット)ファイルを作成します。元のファイル名とファイル拡張子を利用し、末尾に「.LNK」を追加します。その後、元のファイルを隠し、ユーザに LNKファイルをクリックさせます。このLNKファイルは、リムーバブルドライブ内にある隠れた自身のコピーへと誘導します。

マルウェアは以下の情報を収集し、自身のサーバに送出します。

  • コンピュータ名
  • ユーザ名
  • 国名
  • ボリュームシリアル番号
  • オペレーティング・システム(OS)のバージョン
  • アクティブなウィンドウ

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 13.420.01
初回 VSAPI パターンリリース日 2017年5月21日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.421.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2017年5月22日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • 2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857 = %User Temp%\netcom.exe ..
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • 2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857 = %User Temp%\netcom.exe ..
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857
    • US = !
  • In HKEY_CURRENT_USER\Environment
    • SEE_MASK_NOZONECHECKS = 1
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %User Temp%\netcom.exe = %User Temp%\netcom.exe:*:Enabled:netcom.exe

手順 5

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • 2db3e84bdc810610f78b5d69b1427857
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\MediaResources
    • msvideo

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Removable Drive Letter}:\{existing file name and extension}.lnk
  • %User Profile%\.tmp
  • %Desktop%\.tmp

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_BLADABINDI.YYSQD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

  1. コマンドプロンプトを起動します。
    • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:
      [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows Vista、7、Server 2008 の場合:
      [スタート]をクリックし、検索入力欄に cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
      [スタート]-[プログラムとファイルの検索]に cmd と入力し、Enter を押します。画面の左下隅を右クリックし、[コマンド プロンプト]を選択します。
      cmd は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
  2. コンソールウィンドウに以下を入力します。
  3. ATTRIB [+R | -R] [+A | -A ] [+S | -S] [+H | -H] [+I | -I] [ドライブ:][パス][ファイル名] [/S [/D] [/L]]

    各コマンドの意味は以下のとおりです。
    +:属性の設定
    -:属性の解除
    R:読み取り専用属性
    A:アーカイブ属性
    S:システムファイル属性
    H:隠しファイル属性
    I:非インデックス対象ファイル属性
    [drive:][path][filename]
    [ドライブ:][パス][ファイル名]:attribで処理するファイルの指定
    /S:現在のフォルダとすべてのサブフォルダ内で一致するファイルの処理
    /D:フォルダも処理
    /L:Symbolic Link(シンボリックリンク)のターゲットに対するシンボリックリンク属性での動作

    コマンド例:
    Dドライブ内のサブフォルダを含むすべてのフォルダおよびファイルの隠しファイル属性を解除する場合。
    • ATTRIB -H D:\* /S /D
  4. 他のドライブやディレクトリ内のフォルダおよびファイルに対して、手順 3.)を繰り返してください。


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