解析者: Kiyoshi Obuchi   

 別名:

Trojan-Ransom.Win32.Wanna.m(KASPERSKY), Ransom:Win32/WannaCrypt.H(MICROSOFT), Ransom.Wannacry(NORTON)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、バックドア活動の機能を備えていません。

ワームは、作成されたファイルを実行します。

  詳細

ファイルサイズ 3,723,264 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2019年5月17日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの作成, ファイルの実行

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、以下の方法でコンピュータに侵入します。

自動実行方法

ワームは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.1
Type = "16"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.1
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.1
ErrorControl = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.1
ImagePath = "{initial malware file path} -m security"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.1
DisplayName = "Microsoft Security Center (2.1) Service"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.1
ObjectName = "LocalSystem"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.1\security
Security = {hex values}

ワームは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.1\security

ワームは、以下のサービスを開始します。

  • Service Name: mssecsvc2.1
    Display Name: Microsoft Security Center (2.1) Service
    Path to Executable: "{initial malware file path} -m security"

バックドア活動

ワームは、バックドア活動の機能を備えていません。

作成活動

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • %Windows%\tasksche.exe ← detected as Ransom_WannaCrypt.R002C0DLJ17

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

ワームは、作成されたファイルを実行します。

その他

ワームは、以下を実行します。

  • ワームは、以下のURLに接続します。このURLは、当初感染のためのキルスイッチとして使用されます。
    • http://www.{BLOCKED}sodp9ifjaposdfjhgosurijfaewrwergwff.com
  • ワームは、開放されているポート445を見つけるため、無作為に生成したIPアドレスでインターネットを検索します。
  • ワームは、インターネット上でポート445が開放されているコンピュータを確認すると、脆弱性「MS17-010」を利用して自身のコピーを作成、実行します。
  • ワームは、以下のファイルパスを利用してコンピュータ上にコピーを作成します。
    • %Windows%\mssecsvc.exe
  • ワームは、ファイル%Windows%\ tasksche.exeの有無を確認します。確認された場合、ワームはこのファイルを%Windows%\qeriuwjhrfという名称に変更します。

<補足>
侵入方法

ワームは、以下の方法でコンピュータに侵入します。

作成活動

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • %Windows%\tasksche.exe ← Ransom_WannaCrypt.R002C0DLJ17として検出

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.116.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年5月17日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.117.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年5月17日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「Worm.Win32.WCRY.AGV」 が作成またはダウンロードした不正なファイルを削除します。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

    • Ransom_WannaCrypt.R002C0DLJ17

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services
    • mssecsvc2.1

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Worm.Win32.WCRY.AGV」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Worm.Win32.WCRY.AGV」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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