解析者: Abraham Latimer Camba   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

スパイウェアは、2012年11月に韓国の特定の銀行を狙った攻撃に関連しています。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、Browser Helper Object(BHO)として登録し、ユーザのインターネットの閲覧状況を監視します。

スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 339,968 bytes
タイプ EXE, DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2012年10月29日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集, ファイルの作成, キー入力操作情報の記録

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Program Files%\IEHelper\IeHelper.dll - also detected as TSPY_ZBANKER.A
  • %User Profile%\IEHelper\visited.dat - log of visited target banking sites

(註:%Program Files%は、標準設定では "C:\Program Files" です。. %User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\UpDate.exe

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアのDLLコンポーネントは、以下のプロセスに組み込まれます。

  • explorer.exe

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Program Files%\IEHelper
  • %User Profile%\IEHelper

(註:%Program Files%は、標準設定では "C:\Program Files" です。. %User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
IEHelpRun = "%System%\UpDate.exe"

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加し、自身をBrowser Helper Object(BHO)として登録します。これにより、Internet Explorer(IE)が起動するとスパイウェアが自動実行されます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Browser Helper Objects\{BBC9FDC7-26C6-4BED-B907-68BD01C058E2}

スパイウェアは、BHOとして登録し、ユーザのインターネットの閲覧状況を監視します。

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{BBC9FDC7-26C6-4BED-B907-68BD01C058E2}

HKEY_CLASSES_ROOT\Interface\{5D120EBF-7215-4665-BEBF-0FED811643AA}

HKEY_CLASSES_ROOT\TTIEBHO.IEHelper.1

HKEY_CLASSES_ROOT\TTIEBHO.TrackIE

HKEY_CLASSES_ROOT\TypeLib\{C8915F1F-B84E-4AA0-9648-E2CC8E4A194C}

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • MAC address
  • Internet explorer version
  • Operating system version

スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}o.{BLOCKED}0.my5m.com/tongji/123321/count.asp?mac={MAC address}&iever={IE version}&os={OS version}

スパイウェアが作成するファイルは以下のとおりです。

  • %Program Files%\IEHelper\IeHelper.dll - このスパイウェアとして検出
  • %User Profile%\IEHelper\visited.dat - 対象とする銀行の訪問済みのWebサイトのログ

スパイウェアが収集する情報は以下のとおりです。

  • MACアドレス
  • Internet Explorerのバージョン
  • オペレーティングシステム(OS)のバージョン

スパイウェアは、最初に以下のURLにアクセスし、狙う銀行のWebサイトを取得します。

  • http://www.<省略>l.<省略>o.kr/files/consult_common/etc/j.txt

スパイウェアは、ユーザが、以下の銀行のWebサイトのURLの中のひとつにアクセスしているかを監視します。

  • https://obank1.kbstar.com/quics?page=C027221&weblog=introLogin
  • https://obank.kbstar.com/quics?page=C027221&weblog=introLogin
  • https://omoney.kbstar.com/quics?page=C018897
  • https://obank1.kbstar.com/quics?page=C019935
  • https://obiz.kbstar.com/quics?page=C015661
  • http://pib.wooribank.com/pib/cus/wpcus900_01t.jsp

ユーザがこれらのURLのひとつにアクセスしている場合、銀行の公式のWebサイトを装った以下のフィッシングサイトに誘導し、ユーザ名やパスワード、カードコードといったユーザの銀行情報を取得します。

  • <省略>k.<省略>star.com
  • <省略>b.<省略>obank.com

スパイウェアは、どの銀行のWebサイトを訪問済みかを以下に保存します。

  • %User Profile%\IEHelper\visited.dat

また、スパイウェアは、スクリーンショットを取得する機能を備えています。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
VSAPI OPR パターンバージョン 9.495.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年10月30日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Browser Helper Objects
    • {BBC9FDC7-26C6-4BED-B907-68BD01C058E2}
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID
    • {BBC9FDC7-26C6-4BED-B907-68BD01C058E2}
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\Interface
    • {5D120EBF-7215-4665-BEBF-0FED811643AA}
  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • TTIEBHO.IEHelper.1
  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • TTIEBHO.TrackIE
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\TypeLib
    • {C8915F1F-B84E-4AA0-9648-E2CC8E4A194C}

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • IEHelpRun = "C:\WINDOWS\system32\UpDate.exe"

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Program Files%\IEHelper
  • %User Profile%\IEHelper

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBANKER.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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