解析者: MarfelTi   

 別名:

Symantec: Infostealer.Bancos; Kaspersky: Trojan-Downloader.Win32.Homa.fkj

 脅威タイプ:

情報収集型

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。 スパイウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 2,614,272 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年6月23日

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Windows%\Rede.ini
  • {malware path}\logwindp.txt
  • %System%\drivers\trs.sys - detected as TSPY_BANKER.EST

(註:%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。. %System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\ctfmonn.exe

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{malware file name} = {malware path and file name}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
@ = %Application Data%\ctfmonn.exe

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\ctfmonn

HKEY_CURRENT_USER\EnableLUA

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\EnableLUA
SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
system
EnableLUA = 0

情報漏えい

スパイウェアは、感染したコンピュータ上でInternet Explorer(IE)の使用状況を監視します。スパイウェアは、特にIEのアドレスバーまたはタイトルバー情報を監視しますが、ユーザが銀行関連Webサイトを閲覧しそのサイトのアドレスバーまたはタイトルバーに以下の文字列が含まれていた場合、正規Webサイトを装った偽のログインページを作成します。

  • http://santander.com.br/portal/wps/script/templates/GCMRequest.do?page=6140
  • https://bankline.itau.com.br/lgnet/InternetPJ/HeaderItauEmpresas.htm?vol
  • https://bankline.itau.com.br/lgnet/InternetPJ/HeaderItauPlus.htm?vol
  • https://bankline.itau.com.br/lgnet/banklineprivateNovo.htm
  • https://bankline.itau.com.br/lgnet/itauf/bankline.htm
  • https://bankline.itau.com.br/lgnet/uniclass/banklineuniclass.htm
  • https://itaubankline.itau.com.br/lgnet/pers/banklinenovo.htm
  • https://sitenet.serasa.com.br/elementos_estrutura/login.htm
  • Banco do Brasil
  • Banco Itau
  • Internet Banking Caixa
  • Banco Bradesco
  • HSBC Bank Brasil
  • Banco HSBC
  • Banco Santander

偽のログインページは、正規のログインページに重なり、Internet Explorer(IE)ウィンドウの一部であるように装います。偽のログインページは、正規のWebサイトにおいて決まった位置に表示されます。これにより、ユーザはアカウントに関連する個人情報を入力してしまう可能性があります。また、誤って偽ログインページにユーザ名やパスワードを入力した場合、キー入力操作情報が記録されます。

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Banco do Brasil
  • Banco Itau
  • Internet Banking Caixa
  • Banco Bradesco
  • HSBC Bank Brasil
  • Banco HSBC
  • Banco Santander
  • Santander
  • Itau Global Bank
  • Serasa

情報収集

収集した情報は、以下のファイルに保存されます。

  • %Windows%\Rede.ini

(註:%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://www.{BLOCKED}x.com.br/fotos/galeria.php

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「TSPY_BANKER.CPF」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

    TSPY_BANKER.EST

手順 3

「TSPY_BANKER.CPF」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは Process Explorer に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {malware file name} = {malware path and file name}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • @ = %Application Data%\ctfmonn.exe
  • In HKEY_CURRENT_USER\EnableLUA
    • SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\system
    • EnableLUA = 0

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER
    • ctfmonn
  • In HKEY_CURRENT_USER
    • EnableLUA

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Windows%\Rede.ini
  • {malware path}\logwindp.txt

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_BANKER.CPF」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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