解析者: Roland Marco Dela Paz   

 別名:

Trojan:Win32/Ransom.FL (Microsoft); Trojan.Ransomlock.G (Symantec)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、「ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)」です。トレンドマイクロは、特にEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域においてこのランサムウェアに関連する検体を多数入手してきました。このことから、このランサムウェアが感染力を高めており、ユーザに対し高い危険性をもたらす可能性があると言えます。

マルウェアは、実行されると、特定のWebサイトにアクセスし、IPアドレスや位置情報、都市、「インターネットサービスプロバイダ(ISP)」などといった感染コンピュータに関する情報を収集します。そしてユーザのデスクトップを固定し、特定の画像を表示します。その画像では、ユーザが複数の違法行為を犯し、それがベルギーの法律に違反していることを訴える内容が記載されています。そして、バウチャー形式の支払いオプション「Ukash(ユーキャッシュ)」またはオンラインショッピング用のプリペイドカード「Paysafecard(ペイセーフカード)」を利用し、その罰金を支払うようユーザに要求します。

マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

  詳細

ファイルサイズ 159,232 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年2月22日
ペイロード デスクトップの固定

侵入方法

マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Windows%\explorer.exe
  • %System%\explorer.exe

(註:%Windows%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、"C:\Windows" です。. %System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • taskmgr.exe
  • procexp.exe

その他

マルウェアは、実行されると、以下のWebサイトにアクセスし、IPアドレスや位置情報、都市、「インターネットサービスプロバイダ(ISP)」などといった感染コンピュータに関する情報を収集します。

  • http://<省略>ls.<省略>location.com/ib2/

マルウェアは、ユーザのデスクトップを固定し、以下の画像を表示します。

上記の画像では、ユーザが複数の違法行為を犯し、それがベルギーの法律に違反していることを訴える内容が記載されています。そして、バウチャー形式の支払いオプション「Ukash(ユーキャッシュ)」またはオンラインショッピング用のプリペイドカード「Paysafecard(ペイセーフカード)」を利用し、その罰金を支払うようユーザに要求します。

マルウェアは、以下のWebサイトへ自身の感染を報告します。

  • http://<省略>ohwxpnn.com/gate.php?cmd=ping&botnet=<パラメータ>&userid=<コード化されたユーザID>&os=<コード化されたオペレーティングシステム(OS)の種類

マルウェアは、正規のファイル "explorer.exe" を以下のように保存します。

  • %Windows%\twexx32.dll

  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 8.794.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年2月23日
VSAPI OPR パターンバージョン 8.795.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年2月23日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_RANSOM.BPA」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

註:手順 2の前に、以下の作業を行なってください。

このマルウェアを確認し、終了します。

  1. Windows のインストールCDを使用して、コンピュータを再起動します。
  2. [セットアップへようこそ] 画面で、修復の R キーを押します。
    註: Windows2000 の場合、Rキーを入力後 C キーを入力し、[修復オプション]から[回復コンソール]を選択します。)
  3. Windows がインストールされているドライブを選択します(通常は "1" を選択します)。
  4. 管理者のパスワードを入力し、Enter キーを押します。管理者パスワードがない場合は、何も入力せずに Enter キーを押します。
  5. コマンドプロンプトに、Windows がインストールされているドライブ名を入力します。
  6. 以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    del %Windows%\explorer.exe
    del %System%\explorer.exe
    copy %Windows%\twexx32.dll %Windows%\explorer.exe
    del %Windows%\twexx32.dll

  7. コマンドプロンプトに EXIT と入力し、コンピュータを再起動してください。


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