解析者: Mohammed Malubay   

 別名:

Ransom:Win32/Cryak.PA!MTB(MICROSOFT); Ransom.CryLocker(MALWAREBYTES); Gen:Variant.Ransom.Cryak.55(BITDEFENDER)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。

  詳細

ファイルサイズ 315,392 bytes
タイプ EXE
発見日 2020年4月9日
ペイロード ファイルの暗号化, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\svc{3 random letters}.exe

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %User Temp%\svc{3 random letters}.exe
  • cmd.exe /c "ping 0.0.0.0&del "{malware filepath}\{malware filename}.exe""
  • vssadmin.exe delete shadows /all /quiet
  • wbadmin.exe DELETE SYSTEMSTATEBACKUP -keepVersions:0
  • wbadmin.exe DELETE BACKUP -keepVersions:0
  • wbem\WMIC.exe SHADOWCOPY DELETE
  • bcdedit.exe /set {default} recoveryenabled No
  • bcdedit.exe /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures
  • mshta.exe "%User Temp%\how_to_decrypt.hta"

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • {Generated ID}

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Generated ID} = "%User Temp%\svc{3 random letters}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Generated ID}hta = "%User Temp%\how_to_decrypt.hta"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random numbers} = {random numbers}

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • It empties the Recycle Bin

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • how_to_decrypt.hta
  • %User Temp%\svc{3 random letters}.exe → its dropped copy

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、ファイルパスに以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • Windows
  • Recycler

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • [{Malicious Email}][{Generated ID}].{3 random letters}
    • where
      • {Malicious Email} can be one of the following:
        • {BLOCKED}ry@{BLOCKED}ail.com
        • {BLOCKED}y@{BLOCKED}.me
      • {Generated ID} is unique for every infected machine
      • {3 random letters} is different for every encrypted file

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %User Temp%\how_to_decrypt.hta
  • {Encrypted Directory}\how_to_decrypt.hta

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .bat
  • .bmp
  • .dll
  • .ini
  • .log
  • .sys

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.840.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2020年5月1日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.841.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2020年5月2日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF034

手順 2

Windows XP、Windows Vista 、Windows 7、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Generated ID} = "%User Temp%\svc{3 random letters}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Generated ID}hta = "%User Temp%\how_to_decrypt.hta"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random numbers} = {random numbers}

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\svc{3 random letters}.exe
  • %User Temp%\how_to_decrypt.hta
  • {Encrypted Directory}\how_to_decrypt.hta

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.CRYLOCK.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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