解析者: David John Agni   

 別名:

Trojan:Win32/Xabil.A (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、不正リモートユーザからリモートで受信する特定のコマンドを実行します。これにより、感染コンピュータおよび同コンピュータ上の情報は危険にさらされることとなります。

マルウェアは、感染コンピュータから特定の情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 208,384 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年5月21日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\vmater.exe -> detected as BKDR_EMDIVI.WUI
  • %User Temp%\201502.pdf -> Decoy file

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 213e029c7c6c89555adb9ba3cc6a5338

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = "%System%\userinit.exe,%User Temp%\vmater.exe,"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"%System%\userinit.exe,"」となります。)

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Enumerate files and folders
  • Delete files and folders
  • Download files
  • Upload files
  • Execute files
  • Get file attributes
  • Enumerate processes
  • Perform remote shell
  • Loads a library using LoadLibrary API
  • Import functions from a library using GetProcAddress API
  • Gather credentials using CredEnumerate or PStoreCreateInstance API
  • Gather Firefox settings from prefs.js
  • Gather proxy settings from proxy.pac
  • Gather proxy settings from windows registry
  • Sleep

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://www.{BLOCKED}g.com/sites.php

情報漏えい

マルウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。

  • Host name
  • Process ID of the malware
  • Internet Explorer Version
  • OS Information (Major Version, Minor Version and Build Number)
  • System Language
  • Country/Region
  • Time Zone Information

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://www.microsoft.com
  • http://www.msftncsi.com
  • http://www.yahoo.co.jp

マルウェアが作成する以下のファイルは、「BKDR_EMDIVI.WUI」として検出されるファイルです。

  • %User Temp%\vmater.exe

マルウェアが作成する以下のファイルは、おとりとなるファイルです。

  • %User Temp%\201502.pdf

マルウェアが実行するコマンドは、以下のとおりです。

  • ファイルおよびフォルダの列挙
  • ファイルおよびフォルダの削除
  • ファイルのダウンロード
  • ファイルのアップロード
  • ファイルの実行
  • ファイル属性の取得
  • プロセスの列挙
  • リモートシェルの実行
  • LoadLibrary APIを使用してライブラリの読み込み
  • GetProcAddress APIを使用してライブラリからのファンクションのインポート
  • CredEnumerateまたはPStoreCreateInstance APIを使用して認証情報の取得
  • prefs.jsからFirefox設定の取得
  • proxy.pacからのプロキシ設定の取得
  • Windowsレジストリからプロキシ設定の取得
  • スリープ

マルウェアが収集する情報は、以下のとおりです。

  • ホスト名
  • マルウェアのプロセスID
  • Internet Explorerのバージョン
  • オペレーティングシステム(OS)の情報(メジャーバージョン、マイナーバージョンおよびビルド番号)
  • システム言語
  • 国/地域
  • タイムゾーン情報

マルウェアは、ホスト名が以下の文字列と類似している場合、不正活動を実行しません。

  • wilbert-SC1508
  • xp-sp3-template
  • mip-xp-cht
  • CWS01_03
  • wilbert-SC2202
  • CWS05D102

マルウェアは、すべての可視ウィンドウを列挙し、各ウィンドウのタイトルバーのテキストを以下の文字列と比較します。

  • ollydbg
  • W32Dasm
  • Wireshark
  • SoftICE
  • Process Explorer
  • Process Monitor
  • Process Hacker

ウィンドウのタイトルバーのテキストが上述の文字列を含む場合、マルウェアは、スリープコマンドの実行により、自身の不正活動の実行を中止します。

マルウェアはPDFのアイコンを利用し、また無害なファイル"%User Temp%\201502.pdf"を作成しこれを開くことで、ユーザにマルウェアが正規のファイルであると装います。

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
VSAPI OPR パターンバージョン 11.689.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年5月25日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit = "%System%\userinit.exe,%User Temp%\vmater.exe,"
      To: Userinit = %System%\userinit.exe,

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\vmater.exe
  • %User Temp%\201502.pdf

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_EMDIVI.WUI」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください