サイバー脅威
深刻化する「サポート詐欺」被害:不正広告と遠隔操作の手口がエスカレート
個人利用者への脅威はネット経由の詐欺手口に集約されつつある中、「サポート詐欺」も例に漏れず、被害の拡大が進んでいます。特に、不正広告経由の誘導や遠隔操作など、その詐欺手口がより悪質なものとなると共に被害が高額化する傾向が見られています。トレンドマイクロでは2023年1年間を通じた調査から、エスカレートするサポート詐欺の実態を明らかにしました。
「サポート詐欺」とは、マルウェア感染やシステム不安定を示す警告画面から、偽の「サポート窓口」に電話を掛けさせ、最終的に実体の無い「サポート契約」を結ばせるなどにより金銭をだまし取る詐欺手口です。2023年はそのサポート詐欺が日本でより深刻な問題として浮き彫りになった年だったと言えます。特に被害金額の高額化や手口の悪質化はその脅威を看過できないものとしており、その傾向は2024年に入っても継続しています。
2023年のサポート詐欺事例に対する調査から特定したサポート詐欺の新たな手口の傾向を総括すると、その特徴は主に以下の四つの目的に分類できます。
- 「より効率よく」することで多くの被害者に迅速に接触する
- 「より騙しやすく」することで多くの被害者を獲得する
- 「より検出されにくく」することで対策を回避する
- 「環境変化に適応」して詐欺を継続する
また、以前は数万円程度だった被害額は高額化が顕著です。2023年にトレンドマイクロで確認した事例でも100万円規模の被害が報告されていましたが、2024年に入り1000万円規模の被害も報道されています。被害額高額化の背景としては、リモートサポートを偽装した遠隔操作ツールの悪用によりネットバンキングの送金金額を書き換えるなどの手口を確認しています。
サポート詐欺のより詳細な動向については、以下のレポートを参照ください。レポート内では詐欺手口の具体的な内容と共に、ケーススタディを通した具体的な状況の理解、サポート詐欺に関与する脅威アクターの動向、サポート詐欺の問題に立ち向かうための実践的なアプローチを紹介しています。