ディープフェイクに関する国内実態調査2024

~14.6%がディープフェイクの悪用にあった経験あり~

2024年7月3日

トレンドマイクロ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 兼 CEO:エバ・チェン 東証プライム:4704、以下、トレンドマイクロ)は、18歳以上の男女 2,585名を対象にインターネット上で広がりをみせているディープフェイク※1の実態を調べる「ディープフェイクに関する国内実態調査2024」を実施しました。本調査の結果は以下の通りです※2
※1 ここでのディープフェイクとは、最新のAI処理技術により人工的に生成された、事実や実物とは異なる画像、音声、動画のことを指します。
※2 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第二位を四捨五入した数値です。

■6割以上が動画や画像などの情報を日常生活で参考にしている
WebサイトやSNSでは莫大な情報が日々やりとりされています。その中でも画像、音声、動画による情報は視覚的にも強いインパクトを視聴者に与えることができます。それらの情報を最新ニュースの収集や商品購入時の参考情報としてどのくらい活用しているかをたずねたところ、15.9%が「とても参考にしている」と回答し、「やや参考にしている(46.3%)」と合わせると6割以上が日々の生活の中で参考にしていることが明らかになりました(図1)。
年代別に見てみると、10代では「とても参考にしている(27.6%)」、「やや参考にしている(60 .5%)」と9割近くが、次いで20代でも「とても参考にしている(26.5%)」、「やや参考にしている(53.8%)」と約8割が参考にしていることが分かりました。若い世代では動画配信サービスやSNS上でやりとりされている情報に対して他の世代に比べて非常に感度が高く、これらの情報をより頻繁に活用していることが分かります。

【図1】「WebページやSNS(YouTubeなどの動画共有サイトを含む)上にある画像、音声、動画を介して得る情報を、日常のシーンでどのくらい参考にしていますか。なお日常のシーンとは最新ニュースの情報収集時や商品サービスの購入時などを指します。」
(単一回答:n=2,585)

■約4割が目にしたり耳にしたことがあるディープフェイク
2,585名にディープフェイクという用語の認知度を調査したところ、「よく知っている(15.7%)」、「名前だけ知っている(31.8%)」と約半数近くが知っていると回答しました。
更に「よく知っている(15.7%)」、「名前だけ知っている(31.8%)」と回答したn=1,227名を対象にディープフェイクと思われるものを実際に見たり耳にしたことがあるかをたずねたところ、37.5%が「目にしたり耳にしたりしたことがある」と回答しました(図2)。

【図2】「ディープフェイクと思われるものを、あなたご自身で目にしたり、耳にしたことがありますか。」(単一回答:n=1,227)

■悪用にあったうち5割以上がフェイクニュースやデマ情報に煽動された経験があり
また、アンケート対象者全体の1割強がディープフェイクの悪用に遭ったことがあることが明らかになりました(図3)。このデータは「悪用に遭った」と自身が認識している数になるため、気づかないうちに実際は遭っているというケースもまだまだあるかもしれません。

【図3】「あなたご自身がディープフェイクの悪用に遭ったことはありますか」(単一回答:n=2,585)

ディープフェイクの悪用に遭ったことがあると回答した14.6%にあたる377名を対象に、実際にどのようなケースに遭ったかをたずねたところ、「フェイクニュースやデマ情報に煽動される」(54.4%)が半数以上を占めることが明らかになりました(図4)。日本でも特定の政治家の動画を基に偽の発言にすり替えた動画や、天災時の現地の被害状況と偽った偽画像が広く出回ったケースなどが世間で話題に上がりました。

【図4】「あなたご自身がディープフェイクの悪用に遭ったことはありますか。当てはまるものを全てお答えください。」(複数回答:n=377)

■ディープフェイクを見分けられると回答したのはわずか2%未満
アンケート対象者全体のわずか1.9%がディープフェイクを自身で「本物かどうか見分けることができる」と回答した一方で、「分からない」(36.6%)、「おそらく見分けられないと思う」(31.8%)、「見分けられないと思う」(15.6%)と、大半が情報の真偽の判断ができる自信がないことが分かりました(図5)。「見分けることができる」と回答した割合を高い順に年代別で見ると、20代で3.4%、次いで30代が2.7%となりました。

今後AIの開発も更に進み、技術の進歩とともに見分けることもますます困難になってくるのではないかと指摘する専門家もいます。本調査からも6割以上が動画や画像などを日常生活で参考にしている傾向が明らかになっています。偽情報が出回っていることを意識し、流れてくる情報をその場ですぐに鵜呑みにはせず、発信元の確認を行ったり、公共機関など信頼できる情報源から情報を取得したり、他の情報も合わせて取得し照合するなどの対応が大切です。
ディープフェイクは自身が被害者にもなると同時に、その情報を自身が拡散してしまうことで、意図せず犯罪者側に加担してしまう可能性も含んでいることを心に留めて慎重な判断と行動が求められます。

【図5】「ディープフェイクを、ご自身で本物かどうかを判断し見分けることができると思いますか。」(単一回答:n=2,585)

トレンドマイクロでは、AIにより生成された悪意あるコンテンツやAIによって改変されたコンテンツからコンシューマユーザを保護するソリューションを今後提供する予定です。

本調査の更に詳しいデータは、以下をご覧下さい。
「ディープフェイクに関する実態調査2024年版」から見えてきた脅威を解説(Security GO記事)

<調査概要>
調査名: 「ディープフェイクに関する国内実態調査2024」
調査期間: 2024年05月31日~ 2024年06月01日
調査対象: 18歳以上の男女 2,585名
調査方法: Web調査 

 

  • 2024年7月3日現在の情報をもとに作成したものです。今後、内容の全部もしくは一部に変更が生じる可能性があります。
  • TREND MICROはトレンドマイクロ株式会社の登録商標です。各社の社名、製品名およびサービス名は、各社の商標または登録商標です。