トレンドマイクロは皆さまの安心・安全・健全なインターネット利用を支援するため、小学校4~6年生の子どもとその保護者を対象に『夏休み親子セキュリティ教室』を2004年より毎年開催しています。第16回目となる今回は東京・名古屋・大阪・広島の4か所で開催し、214名(おとな:100名 子ども:114名)の親子の方に参加いただきました。
「子どものほうが詳しいので、スマホやネット利用について注意ができない」「ゲームやスマホ、タブレットの利用時間が長い」「親が注意しても聞かないので学校で教育してほしい」。子どものネット利用に関して、保護者の方からよく聞く言葉です。今年のセキュリティ教室では、保護者側には、子どものネット利用に関して無関心にならず、子どもと同じ目線でネット利用について考える、家庭内で話し合うヒントを持ち帰る、子ども側には、ネット上の危険を知り、自らスマートに活用する意識を持ってもらうことを目的に開催しました。
子どものスマホ所有について聞いてみたところ、専用のスマホやタブレットをまだ持たせていないという家庭でも、家族共有のタブレットや保護者のスマホを利用させている、ゲーム機や音楽プレーヤーを利用させているという回答が多く、スマホ所有の有無に限らず、多くの子どもがネットに触れていることが分かりました。また誕生日やクリスマスをきっかけにお子さん専用のスマホを持たせることを検討している保護者の方もいらっしゃいました。政府が行っている調査でも子どものインターネット利用の低年齢化は年々進んでいます。本教室では子どもが実際にネットで遭遇した危険な事例を交えて説明しました。スマホの不正アプリや不正サイト、自らが誤った使い方をしてしまい、意図せず罪を犯してしまう例などを聞いて、想像をしていなかった危険もあったと驚かれている保護者・子どももいらっしゃいました。ネットの世界も現実と同じように事前に危険やリスクを知っておくことはとても重要です。
たくさんの人たちがつながることができるインターネットの世界では暗号の技術が使われています。子どもたちには歴史的に存在した暗号方式を元に暗号を復号するなぞ解きに挑戦してもらいました。難易度の高い復号に真剣に取り組んでいる姿がとても印象的でした。子どもからは「暗号を解くのがとても楽しかった」「難しかったけど、解けて嬉しかった」「暗号がインターネットの技術に使われていることを初めて知った」などの感想をいただきました。
後半は大人と子どもに分かれて、それぞれのワークショップに取り組みました。子どもはワークシートを元に、ふだんどのようにネットを利用しているか?自ら気をつけていることはどんなことか?どんな注意をされているか?注意をされないためにどうしたらいいか?などを書き出してもらい、チームで話し合ってもらいました。大人が決めたルールではなく、「自らがスマートに使う」ことを意識してもらうことを目的にと設けたセッションでした。シートには「大人のスマホやネット利用で気になることは?」という質問もあり、「食事をしながらスマホを見るのはやめてほしい」という意見もあり、大人も考えさせられる時間となりました。大人はお子さんが遭遇しうるネット上の危険を事例やデータから学び、意見交換をしました。
ネット利用について、子どもをルールで縛る方法をとることも方法のひとつですが、トレンドマイクロでは、「自律した使い方ができるサポートをする」、「家族で話し合う」といったことがとても重要であると考えています。それぞれの家庭ごとにライフスタイルや環境、考え方が違うように、インターネット利用に関する考え方も違って当然です。保護者同士で互いの家庭の状況を話し、共有することも有効です。インターネットセキュリティは難しいものではなく、私達の技術と皆さんの意識・使い方次第で安全に使うことができます。大人も子どももスマホを安心・安全・健全に活用できるように、家族での話し合いを続けてください。
トレンドマイクロは「デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界の実現」に向け、今後も活動してまいります。