企業の情報資産を守る「3C」戦略をグローバルで推進 国内はサイバー攻撃、クラウド、モバイル分野をソリューションとサービスで展開

-3月26日企業向け戦略発表の会見内容-

2012年3月26日

トレンドマイクロ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:エバ・チェン 東証一部:4704、以下、トレンドマイクロ)は、2012年3月26日に企業向け戦略の発表を行いました。
代表取締役社長 兼 CEO エバ・チェンの会見および取締役副社長 大三川 彰彦の会見の要旨は下記の通りです。

エバ・チェン(代表取締役社長 兼 CEO)会見の要旨

トレンドマイクロが新しい市場として2008年よりグローバルで開拓してきたクラウドセキュリティ分野において、関連製品・サービスが2011年に大きな成長を見せました。
グローバルセキュリティ市場のリーダーとして、現在の、そしてこれからのIT環境で企業の情報資産を保護するために、当社は「3つのC」に注力します。

Cloud: 物理・仮想・クラウド環境における脅威からの保護
企業のITインフラが多様化・複雑化する中で、社内と社外の境界を固定化し、境界線で外部からの攻撃を防ぐ従来型のセキュリティだけでは不十分です。
当社は、セキュリティに求められる脆弱性の防御や侵入検知、ファイル改ざんや不正プログラム対策などの多様な機能を、物理・仮想・クラウドのいかなる環境でも統合的に運用・管理できるソリューションを提供し、お客さまのコストの効率化と事業継続を支援します 。

Consumerization: 多様なデバイス・サービス利用の自由度と管理性のバランス
様々な技術革新や高速ネットワークの広範な普及を背景に、従来、各企業が独自に社内向けに開発・提供してきたものより、使いやすく、豊富なコンテンツを扱うデバイス・サービスをコンシューマが容易に入手できる環境になりました。しかし、BYOD(Bring Your Own Device)の許容を含め、ビジネスでこれらを安全に活用する上では、デバイスの管理に伴う手間や費用、紛失時のデータ保護、社内ネットワークへの安全な接続が課題です。
当社は、企業貸与、個人所有にかかわらず多様なデバイスを可視化・管理するとともに、それらのデバイスでアクセス、交換されるデータを保護するソリューションを提供します 。

Control over Risk: リスクに対する情報資産の保護
特定の企業・組織を狙い執拗に攻撃を続ける持続的標的型攻撃が、企業が保有する情報資産の安全を脅かしています。密かに目的を達成するまで様々な手法で繰り返される攻撃に、単一の技術・対策では対抗できません。
社内ネットワークにおいて複数のレイヤーで収集した情報をクラウド上の脅威のデータベースと連携させることで、ネットワーク上の不審な挙動を可視化し、攻撃を未遂に終わらせます。

上記の方針に基づき、当社の重要なコア技術のひとつである「Trend Micro Smart Protection Network™」を現在のメール、Web、ファイルのデータベースに加え、クラウド、モバイル、持続的標的型攻撃の各カテゴリのセキュリティに有効な情報収集・処理と対策の提供の基盤として拡張します。
さらに、エンドポイントやネットワークなどレイヤー毎の共通プラットフォームに必要な機能を付加するワンストップ型の製品開発を進めます。これにより、企業のお客さまは自社の環境で必要なセキュリティ機能を必要な時に実装できます。また、当社のソリューションポートフォリオに、新たにSSL証明書を加え、インターネットにおけるデータの安全な通信を守ります。
グローバルのGo-To-Market戦略として、従来から当社は各地域に適応した 製品・サービスの提供およびパートナー協業によりビジネスを展開してまいりましたが、各地域のビジネス特性、潜在性の観点から以下のように大きく3区分し、より投資効率を高めることでグローバルでのビジネス成長を推進します。

  1. 当社として市場の規模または成長性が最も高く、他と共通する特性が少ない国は、営業・マーケティング部門だけでなく、各国に研究・開発権限を持ち、地域に特化した製品・サービスの提供、パートナー協業により、深く現地に適応したビジネスを推進する。(日本、米国、中国、ドイツ)
  2. 情報セキュリティ市場の大きな成長が見込める国は、国毎の営業・マーケティング部隊により、現地の特性に適したパートナー協業等によりビジネスを拡大する。(インド、英国、フランス、オーストラリア・ニュージーランド、ブラジル、カナダ、中東)
  3. 複数の国で共通したビジネス要件が存在する地域は、国を横断した組織体制により、知識の共有や支援を相互に行うことで効率化を図り、広い地域を網羅した戦略を推進する。(アジア太平洋、南米、欧州)

大三川彰彦(取締役副社長)会見の要旨

本社であり、最大の売上比率を持つ日本はトレンドマイクロのグローバルセキュリティ市場でのリーダーシップを牽引すべく、国内総売上高を2011年の実績から3年後の2014年には25%(※1)、5年後の2016年には50%(※1)の成長を目指します。
※1 業績予想ではなく、受注ベースの売上高の目標です
日本国内のビジネスを最も大きく伸ばす分野として、企業向けのソリューションビジネスを見込みます。ウイルス対策だけではなく、より広範なセキュリティソリューションを、専門部隊であるソリューション事業本部の主導により推進し、セキュリティライフサイクルに即したお客さま個別の課題を解決するビジネス を新たな事業の柱に育てます。
一方、現在の企業向けビジネスの大半を占める、ウイルス対策を中心としたセキュアコンテンツマネジメント分野においては、従来型の製品に加え、サービス型のビジネスを推進します。パートナーが売りやすい商材の開発及び売りやすい環境の整備を進め、顧客層を維持・拡大します。
国内では、グローバルでの「3C」戦略に基づき、「サイバー攻撃」「クラウド」「モバイル」「セキュリティインテリジェンスセンター」の4分野に注力します。

サイバー攻撃対策: PDCAサイクル全般にわたる総合的なサービス・サポート
現状の調査、対策の導入、運用状況の監視、インシデント対応・見直しまでサポートし、企業のセキュリティライフサイクルを支援します。また、製品単体ではなく、各レイヤーで連携するセキュリティ対策を提供し、企業の情報資産を守ります。

クラウド: 混在環境のシームレスなセキュリティと安全なクラウドサービスの提供
物理、仮想、クラウドの混在した環境や移行時においても、一元的に複数の環境を守るセキュリティを提供するとともに、企業のお客さまがクラウドを利用する際に、クラウドサービスを提供する基盤やクラウドに保存されたデータの安全性を保ちます。

モバイル: コンテンツセキュリティ・デバイスマネジメントの製品・サービス
BYODをはじめ、マルチプラットフォーム・マルチデバイスで多様化するモバイル環境に対して、コンテンツセキュリティとデバイスマネジメントを製品とサービスの両形態で提供します。

セキュリティインテリジェンスセンター: 潜在する脅威の可視化と未来の予測
国内の研究組織としてリージョナルトレンドラボとフォワードルッキングスレットリサーチの連携により、日本での被害拡大の予兆の察知・警告に止まらず、潜在する脅威の可視化、さらに数年後を見据えた脅威の調査・予測により新たな技術開発を進めます。

本リリースに掲載されている内容は、2012年3月26日現在の情報をもとに作成されたものです。今後、価格の変更、仕様の変更、バージョンアップ等により、内容の全部もしくは一部に変更が生じる可能性があります。
※TRENDMICROおよびTrend Micro Smart Protection Networkは、トレンドマイクロ株式会社の登録商標です。各社の社名、製品名およびサービス名は、各社の商標または登録商標です。