概要

お客さまの課題

オンプレ/クラウドが混在する1600を超えるサーバ環境のセキュリティ領域に対して、段階的な対策を強化してきたが、さまざまなセキュリティベンダーのソリューションが散在し運用管理が複雑化した結果、工数が増大。対応領域の拡張と対応機能の高度化を進めつつ、より効率的なセキュリティ運用とインシデントレスポンスへの対応が求められていた。

解決策と効果

・ECサーバ環境に求められる複数のセキュリティ機能をTrend Micro Cloud One - Workload Securityで包括的に実装。未対応機能の実装と対応領域の機能強化。
・Trend Service One Complete+Trend Vision One(XDR機能)により、通常運用時の脅威の可視化・詳細調査、インシデント発生時の迅速な対応を強化しつつ、運用負荷軽減を実現。

"Workload Securityで網羅的なセキュリティ機能を実装できたことに加え、各機能の情報がTrend Vision Oneの統合管理基盤に集約され、環境全体の状況を横断的に可視化・分析できる点が魅力的です"

株式会社ecbeing
藤川 氏

藤川 氏

"Trend Micro Managed XDRによる24時間365日の監視で安心感が増しただけでなく、Trend Service Oneのトレンドマイクロの専任SEの方が常に弊社の事情を考慮した上で、臨機応変に対応いただけているのでとても助かっています"

株式会社ecbeing
加藤 氏

加藤 氏

"今回ご提供にあたりトレンドマイクロにご提供価値の訴求・スケジュール・コスト・体制について、即時に・真摯にご支援いただいたおかげで、ecbeingご利用のエンドユーザー様に従来よりも高水準なECサイトセキュリティの実現を図ることができました"

TIS株式会社
IT基盤技術事業本部
奥山 氏

奥山 氏

導入の背景

株式会社ecbeingは、ECサイト用パッケージソフトウェア製品「ecbeing」の開発・販売元ベンダーとして広く知られる企業。これまで1600以上に及ぶECサイトの豊富な導入実績を持ち、富士キメラ総研が実施する市場調査「ECサイト構築パッケージソリューション市場占有率調査」において15年連続国内シェアNo.1を獲得するなど、日本を代表するECベンダーとしての地位を盤石なものとしている。

また同社は単にパッケージソフトウェア製品を提供するだけでなく、ECサイトの構築や運用、さらにはECコンサルティングサービスなどをワンストップで提供するトータルソリューションを強みとしている。同社 藤川氏によれば、特に近年は顧客のECサイトの安全を守るサイバーセキュリティ対策に力を入れているという。

「お客さまのECサイトではエンドユーザー様の個人情報をお預かりしており、もしこれらが漏えいしてしまうとお客さまのビジネスに多大な損失を与えてしまいます。お客さまのECサイトをお預かりする弊社としましても、『セキュリティファースト』を掲げシステムのセキュアな運用を心掛けています」

お客さまの課題

顧客のECサイトをサイバー攻撃の脅威から守るために、同社ではこれまでアンチウイルスやIPSといったセキュリティ製品はもちろんのこと、EDRや脅威インテリジェンスといった最新のセキュリティソリューションも積極的かつ段階的に実装してきた。その背景には、近年におけるサイバー攻撃の高度化・巧妙化があると同社 加藤氏は語る。

「弊社側でセキュリティ対策をどれだけ強固にしても、エンドユーザー様のPC環境からアカウント情報が漏えいしてなりすまし攻撃を仕掛けられてしまうと、どうしても脅威の侵入自体を防ぐことはできません。そのため、システムに侵入されることを前提とした対策から最新の認証方式の導入等、強化を行ってきました」

その一方で、複数の異なるベンダーの製品を使い分けるために生じる手間といった課題と、導入したセキュリティ製品の防御機能や検知内容に物足りなさを感じてきた。

選定理由

加えて、EC事業者にとって今や対応が必須と言われている「クレジットカード情報取り扱いに関するセキュリティフレームワーク」の規格がバージョンアップすることに伴い、同社が運営するECサイトでも新たに対応が必要となった。そこで、セキュリティに関する施策のパートナーであるTIS株式会社(以下、TIS)に相談をしたところ、トレンドマイクロが提供するサーバ環境向けの総合セキュリティ製品「Trend Micro Cloud One - Workload Security(以下、Workload Security)」とセキュリティ運用支援サービス「Trend Service One Complete(以下、Trend Service One)の提案を受けた。

TIS株式会社 IT基盤技術事業本部 奥山氏は、このソリューションを提案した理由について次のように語る。

「Workload SecurityはEDRやEPP、IPS(仮想パッチ)、改ざん検知など、ECサーバを守るための機能を包括的に有しており、高いセキュリティ機能の実装が可能です。さらに、「Trend Vision One」というクラウド統合プラットフォーム上ですべての機能を一元管理できるため、課題となっていたセキュリティ運用負荷を軽減しつつ、コスト効率化が実現できると考えました。
またecbeing様ではそれまで、セキュリティ製品の一部機能において、別ベンダーが提供するマネージドセキュリティサービス(MSS)を利用して監視業務をアウトソーシングされていましたが、Trend Service Oneによりこれと同等以上のサービスを引き続き利用できると判断しました」

ソリューション

この提案を受けたecbeing社側でも、これらの製品・サービス導入を含めた企画を検討しており、他製品との比較検討において最終的に出た結論は「Workload Security+Trend Service One以外の選択肢がない」というものだったという。

「もともとWorkload Securityはセキュリティフレームワーク対応におけるデファクトスタンダードの製品だと言われてきました。他社の提案に比べて、TIS様とトレンドマイクロ様からの提案が、弊社の課題解決にマッチしていたので最終的に採用することに決めました」(藤川氏)

早速、既に導入されている各種セキュリティ製品を、Workload Security+Trend Service Oneにグレードアップするプロジェクトを立ち上げた。対象サイトの数が多いだけに困難も予想されたが、TISがプロジェクトマネージメントを担当し、設定やチューニング作業でも手厚いサポートを提供したおかげで、短期間で広範囲のサイトへの導入作業を推進できた。

製品の活用イメージ

導入効果

現時点では導入完了からわずか数カ月間しか経っていないものの、早くもその効果を実感できていると加藤氏は語る。

「セキュリティ運用面において従来と同等の監視レベルは問題なく実現できています。より詳細な情報が提供される分、高度なセキュリティ対策への活用が可能だと感じています。またTrend Vision Oneのコンソールだけですべての情報を一元的に把握できるようになったので、運用負荷はこれまでとは雲泥の差です」

また、Trend Service Oneを導入したことで、トレンドマイクロの監視サービスやインシデントレスポンス支援サービスを受けられるようになり、「弊社の環境や実現したいことを理解した専任SEの方をアサインしていただけたので、何か相談したいことがあった際には迅速に対応してもらえるようになり、とても助かっています」(加藤氏)という。

今後の展望

なおecbeing社では今後、Workload SecurityやTrend Vision Oneの機能をさらに有効活用することで、より強固なセキュリティ対策を実現していきたいとしている。例えば、「Trend Vision One - Attack Surface Risk Management」によるリスクの予兆検知や、攻撃者の視点から攻撃対象領域の把握等も検討していきたいと藤川氏は抱負を語る。

「TIS様には今回のWorkload Security+Trend Service One Complete導入にあたり非常に熱意をもって、ecbeingをご利用のお客さまのセキュリティ強化の実現に向けて取り組んでいただきました。弊社のメンバーもとても頼りにしており、今後のセキュリティのあるべき姿を実現する上でもぜひ引き続きビジネスパートナーとして伴走していただければと思います。そしてトレンドマイクロ様にも、今後製品を末永く使い続けるためにも、引き続き充実したメーカーによるサポートをお願いできれば幸いです」

  • 製品・サービスの導入効果は、ご利用企業・組織の方の声に基づくものであり、お客さまご利用状況により効果は異なります。
  • 記載内容は2024年6月現在のものです。内容は予告なく変更される場合があります。