Cyber Risk
インシデント対応中心の受動的対策から能動的なリスク管理へ:2024年1年間のサイバーリスク動向分析
この数年、サイバー犯罪は過去最大規模で活発化しています。2024年を通じても、法人組織に対してはランサムウェア攻撃、個人利用者に対してはネット詐欺が資産を狙う攻撃を続けています。また、世界を覆う地政学的緊張と分断は、サイバーリスク状況にも大きな影響をもたらしています。
2024年を通じ、過去最大規模のサイバー犯罪が継続しています。法人利用者におけるランサムウェア被害、個人利用者におけるネット詐欺被害の双方が2023年を超え、過去最大規模の被害となっています。トレンドマイクロのまとめでは、2024年1年間にランサムウェア被害を公表した法人組織の数は84件と過去最多となりました。またトレンドマイクロに入ったサポート詐欺の被害報告は6322件となり、これも2023年の4837件を超えて過去最大となりました。


法人組織における被害事例を俯瞰すると、自組織の資産を守るためには能動的な対応が必要となってきていることが分かります。多くのインシデントは、被害組織のアタックサーフェス上に存在した何らかのリスクが放置されたままだったり、認識されてはいたものの回避策が十分では無かったりした場合に起こっています。セキュリティ人材の不足が叫ばれている中、インシデント対応を中心とした受動的な対応には限界があります。法人組織を守るには、アタックサーフェス上の弱点を悪用する攻撃に対していかに先回りできるかが重要です。攻撃者に付け入る隙を与えないよう、能動的に自組織の弱点を把握し、最小化するためにも、軸足を受動的対応から能動的対応へシフトしていかなければいけません。それにより、セキュリティは単なる課題ではなく、イノベーションとビジネス成長の原動力へと変わっていきます。
その他の日本と世界のサイバーリスク動向については、以下のレポートを参照ください。