SaaSの理解と準備

 

従来のオンプレミスと大きく異なる点として、SaaSではお客さまは基本的にハードウェアやソフトウェアを所有することなく、サービス事業者が準備したインフラ、さらにその上で動作するサービスを利用します。

複数のユーザで同一のサービスを共通で利用するため、サービス内容のカスタマイズ性が低いという特徴はありますが、以下の表にまとめられるように、これまでオフィス内のハードウェア、OSを含むソフトウェアの運用・管理に当てられていたリソースを軽減することができ、さらに日々のハードウェア、ソフトウェアの更新作業を行わずに、常に最新の環境を利用できるという特徴があります。

常に最新の脅威に対抗することが必要なセキュリティ対策としては、この「この常に最新」という点が、特にSaaSご利用時の大きなメリットとなります。

  SaaS オンプレミス
構築期間

即利用可能

設計、サイジング、ハードウェア調達が必要

拡張性・スケーラビリティ

SaaS 事業者による自動的なスケールアップ

トラフィック増大に伴うハードウェアの増強が必要

カスタマイズ性

共通の環境のためカスタマイズは不可

自由な構築が可能

可用性

SaaS 事業者での高可用性

自社でのHA(High Availability)化の必要性

変更管理

SaaS 事業者で常に最新に維持

自社でのアップデートおよびそれに伴う検証が必要

運用を含めたコスト

ハードウェア、OSは基本不要
クラウド事業者で24時間365日の運用

ハードウェア、OS、仮想基盤の準備、パッチ、バージョンアップ、障害時の対応

モバイル

社外の環境から直接利用可能

持ち出しデバイスは、VPNで社内に接続する必要性

サービス自体のセキュリティ

データを除く全レイヤのセキュリティをクラウド事業者が担保

入退室からすべてのレイヤで別途セキュリティの構築が必要