株式会社神戸製鋼所は、2024年のトレンドマイクログローバルカスタマーアワードを受賞しました。
素材系事業、機械系事業、電力事業などを展開する神戸製鋼所にとって、ITの活用とそれを支えるサイバーセキュリティの取り組みは欠かせません。現在はサプライチェーンセキュリティの強化を鑑みて、200社を超えるグループ会社のセキュリティツールを統合しています。サイバー攻撃を事前に防ぐ「プロテクト活動」、万が一問題が発生した際に迅速に対処する「レスポンス活動」をサイバーセキュリティプラットフォームで統合した神戸製鋼所のサイバーセキュリティ戦略を伺います。
"神戸製鋼所がトレンドマイクロのグローバルカスタマーアワードを受賞できたことを嬉しく思います。組織のサイバーリスクコントロールを行うためには、サイバー攻撃を事前に防ぐ「プロテクト活動」、万が一問題が発生した際に迅速に対処する「レスポンス活動」の両面で考えることが必要です。このようなプロテクト、レスポンスという2つのポイントを統合し、1つのプラットフォームで実現していくというトレンドマイクロ社の戦略は、神戸製鋼所が目指しているサイバーセキュリティ対策の方向性と合致しています。サイバーセキュリティを単一のプラットフォームに統合し、俯瞰的に組織全体を見ると、単体では気付きづらい脅威をいち早く察知し、迅速に対処することで組織のサイバーセキュリティを強化できます。神戸製鋼所は、これからもトレンドマイクロ社と共にビジネスを支えるサイバーセキュリティ対策の推進に取り組んでいけることを楽しみにしています"
難波 信充 氏
株式会社神戸製鋼所
IT企画部 部長
ー 神戸製鋼所様の考えるデジタル戦略とサイバーセキュリティ戦略の関係を教えてください。
1905年に創立した神戸製鋼所は、素材系事業(鉄鋼アルミ、素形材、溶接)、機械系事業(機械、エンジニアリング、建設機械)、電力事業など幅広い事業を展開しています。神戸製鋼グループの統一ブランドとして「KOBELCO」を制定し、200社を超えるグループ会社で構成しています。
KOBELCOが魅力ある企業への変革を実現するには、社員一人ひとりがデジタルやデータを活用することが必要です。
ITツール活用による業務時間削減(年間25万時間削減:2023年実績)、データ分析基盤(DataLab®)を活用した新素材開発、IoT/ロボティクス等の先進技術活用によるものづくり変革の推進や安全性向上、「AI操炉®」技術を活用した低CO2高炉鋼材によるCO2削減への貢献など、当社グループの多様な資産とデジタル技術とデータを掛け合わせて、お客様への新たな価値を提供しています。
サイバーリスクがビジネスリスクにつながる現在において、ITの活用を支えるうえでサイバーセキュリティの取り組みは必要不可欠です。KOBELCOの考えるサイバーセキュリティの取り組みは、サイバー攻撃を事前に防ぐ「プロテクト活動」、万が一問題が発生した際に迅速に対処する「レスポンス活動」を軸に、サイバーセキュリティ製品の導入から従業員へのトレーニングの実施、SOCによる24時間365日の監視など幅広く、緻密な体制で実施しています。
ー トレンドマイクロのソリューションを用いて、200社を超えるグループ会社のセキュリティを統合した決め手はなんだったのでしょうか。
KOBELCO全体でサイバーセキュリティを向上させるための抜本的な対策として、2010年頃からセキュリティツールの統合を進めてきました。ここでいうセキュリティツールの統合とは、グループ会社で異なるベンダーの製品を利用していたものを全社で統一することを指します。統合ありきではありませんが、グループ会社を含めてサイバー攻撃の被害を発生させないこと、また万が一何かしらのインシデントが発生しても他のグループ会社に被害を伝播させないサプライチェーンセキュリティの取り組みが重要だと考えた結果、セキュリティツールの統合を行うことを決めました。
そのような中で、近年では利用するセキュリティ製品をできるだけ少なくする取り組みをしています。様々なベンダーの製品を利用する“ベストオブブリード”という考え方もありますが、それではオペレーションが複雑化してしまい、適切なサイバーリスクコントロールを行うことができないためです。
トレンドマイクロのソリューションを導入した一番の理由は、プロテクト、レスポンスという2つのポイントを統合し、1つのプラットフォームで実現していくという戦略が、神戸製鋼所が目指しているサイバーセキュリティ対策の方向性と合致しているためです。サイバーセキュリティを単一のプラットフォームに統合し、俯瞰的に組織全体を見ると、単体では気付きづらい脅威をいち早く察知し、迅速に対処することができます。これにより、組織のサイバーセキュリティを強化すると同時に運用を簡素化できると考えています。
ー エンドポイント、メール、ネットワーク、クラウドに加えセキュリティの監視をトレンドマイクロのソリューションに統一頂いています。導入の効果を教えて下さい。
トレンドマイクロのソリューションを、エンドポイント、メール、ネットワーク、クラウドなど様々なポイントで利用していますが、KOBELCOのサイバーセキュリティ全体を俯瞰して見るためのセンサーでもあると考えています。これらのソリューションの利活用とSOCによる24時間365日の監視をトレンドマイクロと連携して実現しており、KOBELCOが最も重視する”重大インシデントの発生ゼロ“に貢献頂いていると考えています。
ー サイバーセキュリティにおける今後の展望を教えて下さい。
昨今AIの登場でサイバーセキュリティも大きく変わってきています。AIを使うことによる脅威(コンプライアンス、AIの誤認など)が存在することは理解していますが、サイバー攻撃者側がAIを活用していく中で、守る側がAIを使わないことはリスクにつながると考えています。今後、ログ監視や内部統制などでAIをサイバーセキュリティに活用していきたいです。
ー トレンドマイクロに対する今後の期待を教えてください。
トレンドマイクロには、グローバルにおけるサイバーセキュリティのリーダーとして、今後もサイバーセキュリティを牽引頂くことを期待しています。また、ディープフェイクの悪用、AIを構成するシステムへのサイバー攻撃など、現在懸念されている新たな脅威への対策も含め、トレンドマイクロと共にビジネスを支えるサイバーセキュリティ対策の推進に取り組んでいけることを楽しみにしています。
業種
鉄鋼
地域
日本
従業員
※製品・サービスの導入効果は、ご利用企業・組織の方の声に基づくものであり、お客さまのご利用状況により効果は異なります。
※記載内容は2025年1月現在のものです。内容は予告なく変更する場合があります。
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