NFV環境のセキュリティを動的に実現する
「Trend Micro Virtual Network Function Suite™」を提供開始

~通信事業者はIoT時代に必要なセキュリティを柔軟に提供可能に~

2018年6月4日

トレンドマイクロ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:エバ・チェン、東証一部:4704、以下、トレンドマイクロ)は、ネットワーク機能の仮想化(NFV:Network Functions Virtualization)※1環境で動作しユーザに安全な通信サービスの提供を実現する新製品「Trend Micro Virtual Network Function Suite(以下、TM VNFS)」を2018年8月下旬より提供することを発表します。TM VNFSは NFV環境で動作するVNF (Virtual Network Function) ※2 として、包括的なネットワークセキュリティを提供します。今後、通信事業者やサービスプロバイダ、クラウド事業者などを対象に、本製品の提供を促進していきます。
※1  汎用サーバ上で仮想化技術を使ってネットワーク機能を実現する技術
※2  ネットワーク機能を実現するためのソフトウェアパッケージ


スマートスピーカーやスマートテレビなどのIoTデバイスがインターネットに接続され始め、ユーザの通信サービスの利用形態にも大きな変化が訪れています。さらに、第五世代移動通信技術「5G」の実用化・商用化などに伴い、サービスやユースケースに応じてより柔軟な通信サービスの提供が可能になります。一方で、セキュリティの脅威も多様化・複雑化しており、このような環境においてセキュリティを担保するには、サービスの利用形態に応じた柔軟なセキュリティ対策の実現が不可欠です。製品仕様やセキュリティ要件が異なる様々なデバイスを脅威から守るためには、デバイス保護に止まるだけではなく、ネットワーク上で動的に実現するセキュリティ対策が効果的です。

TM VNFSは、細分化された様々なネットワークセキュリティ機能を仮想マシンベースのセキュリティソフトウェアとして通信事業者が運用するNFV環境に実装します。ネットワーク上に配置されたセキュリティ機能は、利用者の通信サービスの利用状況(利用アプリケーション、利用デバイス、通信量など)やセキュリティの脅威状況に応じて必要なセキュリティ機能を適切なタイミングで利用者に提供することが可能になります。

通信事業者は、提供サービスに応じて適切なセキュリティ機能を必要なときに、必要なだけ動的にユーザに提供できます。これによりネットワークサービスに必要となるセキュリティ設備への投資を最適化することが可能になります。また、通信事業者はTM VNFSとDPDK (Data Plane Development Kit)等のネットワーク高速化技術を組み合わせることにより、安全性と高速化を担保した通信サービスを提供できます。
通信事業者が提供するネットワークサービスのユーザは、セキュリティ対策機能付きのサービスを利用することで、IoTデバイスに代表されるようなセキュリティソフトを導入できないデバイスへのセキュリティの担保など、安全なデバイスの利用が実現するとともにに自身のセキュリティ対策の負荷を軽減できます。

トレンドマイクロは、6月13日から開催されるInterop Tokyo 2018(小間番号:4G27)にて本製品を出展します。



なお、本発表について以下のエンドースメントを頂戴しています。(50音順)

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)はトレンドマイクロによる「Trend Micro Virtual Network Function Suite」の発表を歓迎いたします。IIJはこれまでSDN/NFV技術においてトレンドマイクロと連携を深め、次世代ネットワークセキュリティの実現を目指して様々な共同実証実験を実施してきました。今後商用化に向けて、さらに協業を進めお客様のITインフラに最適なセキュリティソリューションの提供を実現していきます。

株式会社インターネットイニシアティブ
常務執行役員 ネットワーク本部長 石田 潔様


株式会社ソラコムはこの度のトレンドマイクロの「Trend Micro Virtual Network Function Suite」提供開始を歓迎いたします。ソラコムはIoT 通信プラットフォーム「SORACOM」の提供により、お客様の迅速なIoTビジネス活用を支援します。「SORACOM」のサービスと「Trend Micro Virtual Network Function Suite」の組み合わせが、より安全・安心な IoTシステムを必要とするお客様に新たな選択肢を提供することと期待しています。

株式会社ソラコム
代表取締役社長 玉川 憲様


日本電気株式会社(NEC)はトレンドマイクロによる「Trend Micro Virtual Network Function Suite」の提供開始を心より歓迎いたします。NECでは通信・クラウド事業者向けに最新のSDN/NFV技術を駆使したソリューション提供をはじめ、クラウドネイティブなテクノロジーをベースとしたOSS(Open Source Software)指向で、かつマルチベンダ指向なクラウドソリューション(NEC Cloud System*)の展開を行っています。NECの最先端技術と「Trend Micro Virtual Network Function Suite」を連携させることで、お客様に対してセキュリティ機能の付加価値を備えた次世代サービスの提供がさらに加速すると確信しています。
*NEC Cloud System

日本電気株式会社
サービスプラットフォーム事業部長 上坂 利文様

 


■「Trend Micro Virtual Network Function Suite」概要
詳細はこちらをご確認ください。
提供開始:2018年8月下旬
価格:個別見積
提供対象:通信事業者、サービスプロバイダ、クラウド事業者
主な機能:以下参照

Trend Micro Virtual Network Function Suiteの主な機能

侵入防御 侵入防止/検知システム(IPS/IDS)により、脆弱性を狙った通信を検知/防止します。
Web脅威対策 不正Webサイトへのアクセスをブロックすることにより不正プログラムの感染、フィッシング詐欺サイトへのアクセスを防止します。また、改ざんされた正規Webサイトへのアクセスも防止します。
アプリケーション制御 利用を許可するアプリケーションを許可リストに予め登録しておくことで、許可されていないアプリケーション通信をネットワーク上でブロックすることによりその利用を防止します。
異常通信検知 大量パケットを送信するFlood系通信やスキャン通信等、不正が疑われる異常通信を検知/防止します。
デバイス特定 通信トラフィックを送受信しているデバイスの種別・OS等を特定します。
IoT脅威対策 IoTに特化したレピュテーションサービスと連携し、通信先が危険性のあるIoTデバイスに該当した場合、そのデバイスとの通信を防止します。
ネットワーク利用制限 インターネット等、ネットワークへのアクセスが可能な時間帯を制限します。

図:Trend Micro Virtual Network Function Suiteの提供イメージ




修正履歴:2018年6月6日 本文の一部を以下の通り修正しました。
(修正前)
・アプリケーション制御  
 実行を許可するアプリケーションを許可リストに予め登録しておくことで、許可されていないアプリケーションが端末上で実行されることを防止します。
(修正後)
・アプリケーション制御     
利用を許可するアプリケーションを許可リストに予め登録しておくことで、許可されていないアプリケーション通信をネットワーク上でブロックすることによりその利用を防止します。

 

※ 本リリースは、2018年6月4日現在の情報をもとに作成されたものです。今後、価格の変更、仕様の変更、バージョンアップ等により、内容の全部もしくは一部に変更が生じる可能性があります。
※ TREND MICROは、トレンドマイクロ株式会社の登録商標です。各社の社名、製品名およびサービス名は、各社の商標または登録商標です。