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- 第22回SMILE PROJECTレポート
みなさま、こんにちは。 第22回 トレンドマイクロ SMILE PROJECT メンバーの谷村&大澤です。 今回は大阪および福岡営業所メンバーをメインに総勢10名で 2015年5月7日(木)~5月9日(土)にかけて宮城県気仙沼市・陸前高田市へ行って参りまいした。 今回の活動で実施した「iPad教室」「移動図書館の洗車・気仙沼図書館さんのお手伝い」の活動報告と、 震災語り部ツアーに参加して見てきたこと、感じたことをご報告させて頂きます。
【1日目】(担当:谷村) 初日は東京駅~一ノ関を新幹線で移動し、ローカル線に乗り換えてお昼に気仙沼へ到着いたしました。気仙沼駅から送迎バスへ乗り込んで宿泊施設へ移動する途中、早くも震災時の津波到達地点を示す痕跡が目に飛び込んできました。いま自分たちが乗車して走っているマイクロバスを軽々と超える津波の高さに、驚きと自然の脅威を感じました。 昼食後、iPad教室を開催する気仙沼中央公民館へ徒歩で移動する途中、嵩上げされている区間を通りました。 残された建物はそのままに、1階部分は土砂に埋まり“地下”として使用されることになるそうです。 土が運ばれ、均されている風景。 震災から4年たった今も復興までにまだまだ時間がかかっている現実を突きつけられます。 当日のメイン活動である「iPad教室」には気仙沼公民館さんのお声かけで11名の方にご参加いただきました。 タブレット等の扱いに慣れてないご年配の方々がほとんどでしたが、地図パズルや3Dお絵かきのアプリを実際扱っていただき、 笑顔や笑い声が溢れ、スタッフ側も楽しくiPad教室を終えることができました。 夜は大島の漁師さんたちとご一緒に気仙沼名物「ホルモン道場」にて夕食を取りました。 お店の方々も漁師のみさなんもとても明るくきさくな人柄が印象的でした。 最終便(船)で帰られる漁師のみなさんをお見送りし、その日は就寝につきました。
【2日目】(担当:大澤) 2日目は、震災語り部ツアーに丸一日参加し、まず最初に陸前高田市へ「奇跡の一本松」を見に行きました。本来は70,000本が植わっていたのに、1本だけ残ったという奇跡の松。しかし残念ながら、海水に浸かった為に枯れてしまい、現在はレプリカとなっております。製作費は1億5千万かかったそうです。そこまでして残すことに物議をかもしたそうですが、長い目で見て風化させないシンボルとしては必要なのかなと思いました。陸前高田市は、入り江に島などの津波を緩和させる要素がなかったことと、低地に市街地や生活居住地が広がっていたこともあり被害が甚大で亡くなられた方も多く、復興が追いついてないため人口が震災前の半分になったそうです。海沿いは海抜が低い事もあり、ベルトコンベアでダンプ200万台分の土を使って土地のかさ上げを行っていました。自然の力は巨大で、そんな土を盛ったところで、18mの津波の影響は避けられないのでは、と、住民の方々は皆そう懸念されておられ、もう少し議論が必要だったのではとの事でした。高台へ移り住むのが安全なのでしょうが、昔から低い平らな利便性の良い土地が好まれ、過去津波があっても、繰り返し低い場所へ家を建てられたそうです。時間は色々なものを与えてくれますが、忘れてしまってはいけない事を未来にしっかり残さないといけないなと思いました。次に、津波から逃れて助かった米沢さんのお話を聞かせていただきました。 米沢さんは津波で流されることのなかった店舗ビルを震災遺構として残される活動を個人の努力で行っておられます。 巨大な津波が押し寄せてくる中で、ご自身はビルの屋上にある煙突に駆け込まれて既の所で助かったのですが、避難場所の市民会館へ避難されたご両親と弟さんは亡くなられたそうです。周りは全て波に飲み込まれていたとの事でした。幸いにも助かった後、大切な人や家を失った事に気づき、一瞬の内に日常が失われた現実の辛さを思うと、やり切れない気持ちになりました。同じ日本に生活するものとして、誰しも他人事ではないのではと思います。午後に訪れたリアス・アークミュージアムで目にした被災現場写真・被災物。語り部さんから語られる実体験のお話。改めて津波の恐ろしさを、また被災された方々の悲しみを思い 胸が締め付けられました。プレハブの商店街に寄った際、様々な人達の想いが壁に貼られていたのですが、 ある一文で、『被災していない人から、「勇気をもらった」という事を言われますが、被災地からすれば、やらざるを得ない状況なだけ』と書かれていました。 体験された方とそうでない方の、なんというか、、温度差のようなものを感じました。 しかしそれでも、私たちができる何かを考えて行動する事に繋がればいいなと思います。
【3日目】(担当:谷村) 最終日となるこの日は、移動図書館の洗車と気仙沼図書館さんのお手伝いをいたしました。 気仙沼図書館は大震災の影響により建物の一部が損壊し、代替施設に移転のため閉館していましたが、初日のiPad教室で訪れた気仙沼中央公民館の1階に代替施設が置かれており、教室を開催した当日は ちょうど開館初日でした!現在閉館されている気仙沼図書館には、整理が必要とされる本が大量にあり、カビの繁殖が想像以上に進んでいるそうです。今回はアルコールを付けた布巾で本を1つ1つキレイに拭き上げ、カビが付着した本の仕訳を行いました。 限られた時間で整理できた本はごくごくほんの1部でしかなく、まだまだ膨大の時間と作業が必要とされます。一刻でも早く図書館新館が開館することを切に願います。当日の活動を終え昼食を済ませた後、気仙沼駅へと移動しました。2日目の語り部ツアーで引率いただいた熊谷さんがお見送りに来てくださり、電車が動き出した後も駐車場の脇から手を振ってくださっていました。私たちも熊谷さんに手を振って気仙沼を後にしました。
【SMILE PROJECTを終えて】 本当に貴重な経験をさせていただきました。大切なのは、「寄り添い忘れない事」「経験を周りに伝えていく事」「できる事を考えて実行すること」と思います。 復興が進んでいく気仙沼・陸前高田の町をこの目に刻むために、またこの地に訪れたいと思います。陸前高田、気仙沼、大島の皆様、暖かく迎えてくださった皆様、本当にありがとうございました!
活動年月日 2015年5月7日(木)~5月9日(土)