クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)

概要

「クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)」とは?

クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)とは、Webアプリケーションに存在する脆弱性、もしくはその脆弱性を利用した攻撃方法のことです。掲示板や問い合わせフォームなどを処理するWebアプリケーションが、本来拒否すべき他サイトからのリクエストを受信し処理してしまいます。

攻撃の手法・特徴

  • 攻撃者は攻撃用Webページを準備し、ユーザがアクセスするよう誘導します
  • ユーザが攻撃用Webページにアクセスすると、攻撃用Webページ内にあらかじめ用意されていた不正なリクエストが攻撃対象サーバに送られます
  • 攻撃対象サーバ上のWebアプリケーションは不正なリクエストを処理し、ユーザが意図していない処理が行われてしまいます

影響と被害

攻撃者は自身が直接攻撃対象サーバへアクセスすることなく、攻撃対象のWebアプリケーションに任意の処理を行わせることができます。CSRFを利用して行われる主な攻撃としては、以下があります:

  • いたずら的書き込み、不正サイトへの誘導、犯罪予告といった掲示板やアンケートフォームへの不正な書き込み
  • 不正な書き込みを大量に行うことによるDoS攻撃

攻撃Webページに誘導された一般ユーザには直接的な被害はありません。ただし、攻撃対象サーバへの不正なリクエストを送信した攻撃者として認識されてしまうことがあります

図:クロスサイトリクエストフォージェリの攻撃概念図

対策と予防

ユーザ側

  • ユーザ側では「攻撃用Webページにアクセスしない」ことが最良の対策方法です
  • セキュリティ対策製品の機能により、攻撃用Webページが置かれている不正サイトへのアクセスをブロックする
  • 電子メール内やWeb上の不審なURLを安易にクリックしない

Web管理者側

  • 根本的な解決のためには、Webアプリケーション側でサイト外からのリクエストを受信、処理しないようにシステムを作りこむ必要があります
  • 攻撃者に推測されにくい任意の情報を照合する処理を実装する。照合に使う任意の情報の例としては、セッションID、ページトークン、ランダムな数字などがあります
  • 画像化されたチェックコードを表示しユーザに入力させる「キャプチャ」機能を実装する

IT管理者側

  • エンドポイントへ総合的なセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態にする
  • ゲートウェイ上で不正サイトへの誘導を目的とした攻撃メールの受信をブロックする
  • ネットワーク内部から外部不正サイトへのアクセスをブロックする

トレンドマイクロのソリューション

ユーザ側

予防と対策 トレンドマイクロのソリューション
個人用端末にも総合的なセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つ

ウイルスバスター クラウド

IT管理者側

予防と対策 トレンドマイクロのソリューション
エンドポイントへ総合的なセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態にする ウイルスバスター コーポレートエディションの導入
ネットワーク内部から外部不正サイトへのアクセスをブロックする ウイルスバスター コーポレートエディション、InterScan Web Security Virtual Applianceなどの製品の「Webレピュテーション」機能により、外部不正サイトへのアクセスを遮断する
メールサーバにおける不審メールの検出 InterScan Messaging Security Virtual Appliance、InterScan Messaging Security Suite、Trend Micro Hosted Email Securityなどのメッセージングセキュリティ製品により、不正サイトへの誘導に繋がる不審メールを検出する