ネットワークセキュリティとは?重要視される理由や種類などを解説
公開日
2023年6月21日
近年では、中小企業がサイバー攻撃の被害にあうケースも増えており、企業規模を問わず、ネットワークセキュリティ対策は必須になっています。
ここでは、ネットワークセキュリティの重要性と、ネットワーク形態ごとの対策の考え方、具体的な対策の種類などを解説します。
ネットワークセキュリティはネットワークを保護するための防衛策
ネットワークセキュリティは、ネットワークに接続されている情報資産とそれらの情報資産を活用する上で基盤となるネットワークを、不正アクセスやサイバー攻撃から保護するための防衛策のことです。
企業は、顧客の情報や製品の技術情報、財務情報など重要な情報を多く保有しています。これらの多くはデジタルで保管され、インターネットや社内LANなどのネットワークを通じて活用されています。大切な情報資産を保護するため、ネットワークセキュリティが重要です。
ネットワークセキュリティが重要な理由
ネットワーク上に保管されている情報の増加が、ネットワークセキュリティを重視する理由です。
ネットワークセキュリティよりも広い概念として、データやネットワーク、コンピュータなどのデジタル環境全般をハッキングやサイバー攻撃などの脅威から守ることを指すサイバーセキュリティがあります。従来のサイバーセキュリティ対策は、個々の従業員が操作するパソコンやタブレットなど、エンドポイントの対策が重視される傾向にありました。
しかし現在は、サーバやネットワークのクラウドシフトが進んだ影響などもあってあらゆるデータがネットワーク上に存在しており、業務を行う上で、インターネットに接続するのは当たり前になっています。その分、サイバー攻撃を受けるリスクは拡大しており、また被害が発生した際のダメージも大きくなっています。そのような環境の変化があるため、情報資産やネットワークを防御する、ネットワークセキュリティの重要性が高まっているのです。
ネットワーク形態ごとのセキュリティ対策
ネットワークセキュリティの対策の考え方は、ネットワークの形態によって大きく2つに分けられます。ひとつは、直接的または間接的に外部とつながっているオープンネットワーク用の対策です。もうひとつは、完全に外部とつながっていないクローズドネットワーク用の対策です。それぞれについて解説します。
オープンネットワークのセキュリティ対策
オープンネットワークのセキュリティ対策は、不正アクセスやサイバー攻撃からの防御が中心です。インターネットなどで外部とつながっているオープンネットワークでは、外部からの不正アクセス防止が最も重要なセキュリティ対策になります。不正アクセスによる情報漏洩、データの改ざん、コンピュータウイルスへの感染などをどう防ぐかを考え、対策を講じる必要があります。またこれらに加え、内部利用者の不正防止対策も必要です。オープンネットワークにおいて効果的な対策の例は下記のとおりです。
<効果的な対策の例>
・ファイアウォールを使い、悪意ある外部からのアクセスを遮断する
・侵入検知システムを導入する
・アンチウイルスソフトを導入する
・OSや各種ソフトウェアは常に最新の状態を保ち、セキュリティパッチはすみやかに適用する
クローズドネットワークのセキュリティ対策
クローズドネットワークのセキュリティ対策は、不正利用者対策が中心となります。クローズネットワークは外部とつながっていないので、不正利用者や産業スパイが入り込まなければ、安全は保たれます。しかし、不正利用者が出ないとは限らないので、不正利用者を想定した対策をしっかり行っておかなくてはいけません。具体的には、不正利用者によるデータの持ち出しやID・パスワード情報の流出への対策が必要になります。クローズドネットワークにおいて効果的な対策の例は下記のとおりです。
<効果的な対策の例>
・アクセス権限は適切に付与し、各アカウントに余計な権限を付与しない
・USBメモリなど外部接続機器の使用を禁止する
・IDとパスワードは定期的に変更する
・厳格なシステム運用ルールを作り、従業員に周知徹底する
ネットワークセキュリティの種類
ネットワークセキュリティには、「これさえやっておけば100%安全」というものはありません。さまざまな種類の対策を組み合わせ、脅威に対して総合的に対応することが求められます。具体的な対策を7つ紹介します。
ファイアウォールによる保護
ファイアウォールとは、ネットワーク通信において、許可されていないユーザがネットワークにアクセスすることを防ぐ仕組みです。疑わしいトラフィックの侵入は拒否し、正当なトラフィックは許可するソフトウェアやハードウェアを指します。単純な仕組みのものから、機械学習とAIを使用して通過する情報を分析し、拒否・許可を判断するものまで、さまざまなセキュリティレベルのものがあります。
多要素認証
多要素認証は、ID・パスワードなどの知識情報、セキュリティカードなど本人だけが所有している情報を意味する保持情報、指紋や目の虹彩などの生体情報の3つのうち、2つ以上を組み合わせて本人認証を行う仕組みです。もしID・パスワードが流出しても、それだけではログインできないので、情報やネットワークを守ることができます。
IDS・IPS
IDS・IPSは、サーバやネットワークを監視し、不正なアクセスや疑わしいアクティビティの検知・防御を行うシステムです。IDSは、脅威を検知して管理者へ通知する不正侵入検知システムを意味します。IPSは、検知に加え、脅威を検知して遮断を実施する不正侵入防御システムです。
両者を導入することで、脅威を検知すると同時に通知・遮断が行えます。DDoS・DoS攻撃などのサービス停止攻撃に対して有効です。
ネットワークアクセス制御(NAC)
ネットワークアクセス制御(NAC)は、パソコンやタブレットなどの端末のうち、管理者があらかじめ定めたセキュリティポリシーに準拠している端末に限って、ネットワークへの接続を許可するものです。各端末やユーザを個別に認証します。それぞれのウイルス対策ソフトウェア、スパイウェア検出プログラムなどによるセキュリティ対策やアクセス経路などを複合的に判断し、適切なアクセス権限を与えることができます。
テレワークなどで、個人が所有するパソコンを社内のネットワークにつないで作業をするような場合に有効です。
仮想プライベートネットワーク(VPN)
仮想プライベートネットワーク(VPN)は、インターネット上に暗号化された仮想の専用トンネルを作り、そこを通して通信することで、情報の盗み見や改ざんを防ぐ仕組みです。無料Wi-Fiサービスへの接続や、リモートでの会社のネットワークへのアクセス、企業の拠点間の通信などに使われます。
データ損失防止(DLP)
データ損失防止(DLP)は、情報漏洩対策を行うセキュリティシステムです。機密情報とそうでない情報を識別し、特定された機密情報のみを対象とする点が、従来の情報漏洩対策との違いです。対象データが不正に持ち出された場合、管理者にアラートが送信されます。
対象となるデータが限られるため、管理や運用にかかるコストを抑えられる点がメリットです。一方で、機密情報以外の利用を妨げないといったデメリットもあります。
Trend Cloud Oneで総合的なクラウド環境セキュリティ対策を
ネットワークセキュリティは、さまざまな対策を組み合わせて総合的に行うことが求められます。オープンネットワークの中でも、クラウドサービスを利用している場合は、クラウドの特性に合わせたセキュリティ対策が必要です。オープンネットワークの対策と基本は同じですが、しっかり備えるなら、クラウド環境のセキュリティ対策に特化した「Trend Cloud One」のソリューションを活用するのがおすすめです。ぜひ、「Trend Cloud One」をご活用ください。
監修
福田 俊介
トレンドマイクロ株式会社 ビジネスマーケティング本部
ストラテジックマーケティンググループ
グループ長 シニアマネージャー
IPA 情報処理安全確保支援士(第000893号)、AWS Certified Solutions Architect – Professional保有。
約10年間クラウドセキュリティ領域およびエンドポイントセキュリティ領域に従事、クラウドの最新アーキテクチャに対応するセキュリティ戦略を立案、市場啓蒙を実施。これまでのセミナー登壇は100回を超える。専門領域は「クラウド」「サーバ」「仮想化」「コンテナ」「脆弱性」「EDR」「XDR」。
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