Trend Micro Security

WORM_IRCBOT.LZC

2013年2月19日
 解析者: Nikko Tamana   

 別名:

W32/Agent.AUUC!tr.bdr (Fortinet), Backdoor.Win32.Agent.auuc (Kaspersky), VirTool:Win32/CeeInject.gen!DG, W32.IRCBot.NG (Norton)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 リムーバブルドライブを介した感染活動, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  詳細

ファイルサイズ 27,648 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年2月7日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システムセキュリティへの感染活動, ファイルのダウンロード, 情報収集

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\svchosts.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • XhLyHzKTnU57

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Microsoft Corp = "%Application Data%\svchosts.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Microsoft Corp = "%Application Data%\svchosts.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer\Run
Microsoft Corp = "%Application Data%\svchosts.exe"

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer\Run

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Removable Drive}:\SYSTEM.EXE

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

;{garbage}
[aUToRun]
;{garbage}
OpEN=SYSTEM.EXE
;{garbage}
ICoN=%wINdIr%\\\\sYStEM32\\\\\sHeLL32.dLL,4
;{garbage}
aCTIoN=Open folder and view files using Windows Explorer
;{garbage}
sHeLL\\\\\\oPEN=Open
;{garbage}
ShELL\\\\oPEN\\\cOMMaNd=SYSTEM.EXE
;{garbage}
uSEAUTopLaY = 1
;{garbage}
ShElL\\\\\\eXpLorE\\\CoMmAnD=SYSTEM.EXE
;{garbage}

バックドア活動

ワームは、以下のいずれかのIRCサーバに接続します。

  • {BLOCKED}et.in

ワームは、以下のいずれかのIRCチャンネルに接続します。

  • #SKuffLe#

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ワームは、リモートでInternet Relay Chat (IRC)サーバにアクセスし、不正リモートユーザから以下のコマンドを受信します。

  • Initiate MSN Propagation
  • Uninstall itself
  • Join IRC server
  • Download and execute arbitrary files
  • Get visited pages from Internet Explorer

ダウンロード活動

ワームは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • C:\a.zip
  • %Application Data%\nigga.bat - Downloaded via backdoor command

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

情報漏えい

ワームは、以下の情報を収集します。

  • Affected machine's visited websites in Internet Explorer

その他

ワームは、自身のIRCサーバにアクセスする際に以下の認証情報を利用します。

  • NICK {country}{OS version}{00}{random numbers}
  • USER {country}{OS version}{00}{random numbers} "lol" :skuffs

ワームが作成する自身のコピーの属性は、隠しファイルおよび読み取り専用です。

ワームが作成する "AUTORUN.INF" は、「INF_IRCBOT.LZC」として検出されます。

ワームは、ルートキット機能を備えていません。

ワームは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

ワームが実行するコマンドは、以下のとおりです。

  • インスタントメッセンジャ「MSNメッセンジャー」を介した感染活動の開始
  • 自身のアンインストール
  • IRCサーバに参加
  • 任意のファイルのダウンロードおよび実行
  • Internet Explorer(IE)より閲覧したWebページの取得

以下として保存されるファイルは、このワームがバックドアコマンドによりダウンロードするファイルです。

  • %Application Data%\nigga.bat

ワームが収集する情報は、以下のとおりです。

  • 感染コンピュータがIEで閲覧したWebサイト

ワームが自身のIRCサーバにアクセスする際に利用する認証情報は、以下のとおりです。

  • ニックネーム:<国><オペレーティングシステム(OS)の種類>{00}<ランダムな数値>
  • ユーザ:<国><OSの種類>{00}<ランダムな数値> "lol" :skuffs


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.736.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年2月18日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.737.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年2月19日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「WORM_IRCBOT.LZC」 を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「WORM_IRCBOT.LZC」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Microsoft Corp = "%Application Data%\svchosts.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer\Run
    • Microsoft Corp = "%Application Data%\svchosts.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Microsoft Corp = "%Application Data%\svchosts.exe"

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies
    • Explorer

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\nigga.bat
  • C:\a.zip

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_IRCBOT.LZC」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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