Trend Micro Security

WORM_YAHLOVER.LJ

2012年10月9日
 解析者: Erika Bianca Mendoza   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 すべての物理ドライブ内に自身のコピーを作成, インスタントメッセンジャ(IM)を介した感染活動, リムーバブルドライブを介した感染活動

ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。 ワームは、感染ネットワーク共有フォルダを介して、コンピュータに侵入します。 ワームは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

ワームは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。 ワームは、既定のWindowsフォルダのアイコンを用いて、ユーザにファイルを開くよう促します。ユーザがファイルをダブルクリックすることで、このワームは実行されます。

ワームは、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。


  詳細

ファイルサイズ 614,400 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年11月4日
ペイロード プロセスの強制終了

侵入方法

ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。

ワームは、感染ネットワーク共有フォルダを介して、コンピュータに侵入します。

ワームは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • {install directory}\system3_.exe

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • {install directory}\autorun.ini - copy of autorun.inf
  • %Windows%\Tasks\At1.job

(註:%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

ワームは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。

ワームは、既定のWindowsフォルダのアイコンを用いて、ユーザにファイルを開くよう促します。ユーザがファイルをダブルクリックすることで、このワームは実行されます。

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Yahoo Messengger = "{install directory}\system3_.exe"

この「スケジュールされたタスク」により、以下の時間ごとにワームが実行されます。

  • 9:00 AM

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Schedule
AtTaskMaxHours = "0"

ワームは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
Start Page = "{URL}"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{user defined value}」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Internet Explorer\Main
Default_Search_URL = "{URL}"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{user defined value}」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Internet Explorer\Main
Default_Page_URL = "{URL}"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{user defined value}」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Internet Explorer\Main
Search Page = "{URL}"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{user defined value}」となります。)

ワームは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableRegistryTools = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NofolderOptions = "1"

感染活動

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内でフォルダを検索し、検索したフォルダ内に "<フォルダ名>.EXE" として自身のコピーを作成します。

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • New Folder.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[Autorun]
Shell\Open\command={malware filename}.exe
Shell=Open

ワームは、上記のインスタントメッセンジャ(IM)を用いて、以下のメッセージを送信します。

happy valentine day screen saver from http://{BLOCKED}gle. 0catch. com/love.scr and get new tips and tricks from URL
happy valentine day screen saver and beautiful screen saver from lovers http://{BLOCKED}gle. 0catch. com/love.scr and URL
golden lovers rose screen saver from http://{BLOCKED}gle. 0catch. com/love.scr and see more from URL
rose is always red ,see in http://{BLOCKED}gle. 0catch. com/love.scr screen saver from URL
happy valentine day screen saver from http://{BLOCKED}gle.0catch. com/love.scr and get new tips and tricks from URL
I LOVE YOUUUUUUUUUUUUU from screensaver http://{BLOCKED}gle. 0catch. com/love.scr see more in URL happy valentine day screen saver from http://{BLOCKED}gle. 0catch. com/love.scr and get new tips and tricks from URL
happy valentine day screen saver from http://{BLOCKED}gle. 0catch. com/love.scr and get new tips and tricks for lovers URL
happy valentine day screen saver from http://{BLOCKED}gle. 0catch. com/love.scr and view secrets from private cam BIN
happy valentine day screen saver from http://{BLOCKED}gle. 0catch. com/love.scr and view secrets from private cam BIN

ワームは、以下のインスタントメッセンジャ(IM)を用いて、メッセージを送信します。このメッセージにはリンクが含まれており、リンク先のリモートサイトには、自身のコピーが組み込まれています。

  • Yahoo Messenger
  • Google Talk

プロセスの終了

ワームは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • game_y.exe
  • cmd.exe


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 8.547.01
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年11月4日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

以下の変更されたレジストリ値を VBScript を用いて修正します。

変更されたレジストリ値の修正:

  1. 「メモ帳」を起動します。
    » Windows 2000 および Windows XP、Windows Server 2003の場合、[スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、"notepad" と入力し、[OK]をクリックします。
    » Windows Vista および Windows 7の場合、[スタート]-[プログラムとファイルの検索]を選択し、"notepad" と入力し、[Enter]キーを押します。
    ※"notepad" は半角英数字で入力する必要があります。(大文字/小文字は区別されません)。
  2. 以下のスクリプトをコピーおよびペーストします。
  3. このファイルを "C:\RESTORE.VBS" として保存します。
  4. "C:\RESTORE.VBS" を実行します。
    » For Windows 2000, XP, and Server 2003 users, click Start>Run. In the Open input box, type C:\RESTORE.VBS then press Enter.
    » Windows 2000 および Windows XP、Windows Server 2003の場合、[スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、"C:\RESTORE.VBS" と入力し、[OK]をクリックします。
    » Windows Vista および Windows 7の場合、[スタート]-[プログラムとファイルの検索]を選択し、"C:\RESTORE.VBS" と入力し、[Enter]キーを押します。
    ※"notepad" は半角英数字で入力する必要があります。(大文字/小文字は区別されません)。

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Yahoo Messengger = {install directory}\system3_.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Schedule
    • AtTaskMaxHours = 0

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • From: Start Page = {URL}
      To: Start Page = {user defined value}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • From: Search Page = {URL}
      To: Search Page = {user defined value}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • From: Default_Page_URL = {URL}
      To: Default_Page_URL = {user defined value}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • From: Default_Search_URL = {URL}
      To: Default_Search_URL = {user defined value}

手順 6

「WORM_YAHLOVER.LJ」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]


[Autorun]
Shell\Open\command={malware filename}.exe
Shell=Open

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {install directory}\autorun.ini
  • %Windows%\Tasks\At1.job

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_YAHLOVER.LJ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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