Trend Micro Security

WORM_UTOTI.KC

2018年1月23日
 更新者 : Byron Jon Gelera

 別名:

Worm:Win32/Renocide.gen!A (Microsoft); W32.Harakit (Harakit)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード, 物理ドライブまたはリムーバブルドライブ経由による侵入

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、ネットワークドライブ内に自身のコピーを作成します。 ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ワームは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ワーム マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した ワーム )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 985,384 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2018年1月23日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの作成, プロセスの強制終了

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %System%\csrcs.exe

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ワームは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %User Temp%\suicide.bat ← used to delete itself, deleted afterwards
  • {drive letter}:\khq
  • %System%\autorun.inf

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer\Run
csrcs = "%System%\csrcs.exe"

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Shell = "Explorer.exe csrcs.exe"

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
{value} = {data based on value}
where {value} can be any of the following:

  • a
  • b
  • bn
  • dreg
  • eggol
  • exp1
  • fix
  • fix1
  • ilop
  • input
  • input2
  • kin
  • kiu
  • output
  • regexp
  • rem
  • rem1
  • su

ワームは、以下のレジストリ値を変更し、隠しファイル属性のファイルを非表示にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = "2"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
SuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\Folder\Hidden\
SHOWALL
CheckedValue = 1

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{user defined}」となります。)

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {random filename}.exe

ワームは、ネットワークドライブ内に自身のコピーを作成します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

  • {garbage codes}
  • [AutoRun]
  • {garbage codes}
  • open={random filename}.exe
  • {garbage codes}
  • shell\open\Command={random filename}.exe
  • {garbage codes}
  • shell\open\Default=1
  • {garbage codes}
  • shell\explore\Command={random filename}.exe
  • {garbage codes}

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Connect to a website
  • Connect to an IRC channel to receive commands
  • Copy files
  • Delete files
  • Download file
  • Download malware plugins
  • Execute file
  • List MSN Life contacts
  • List active window titles
  • List and terminate processes
  • Query and manipulate registries
  • Scan for IP addresses within the network
  • Update itself

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://star.{BLOCKED}atama.com/yuyo.php
  • http://geo.{BLOCKED}rbo.com/yuyo.php
  • http://{BLOCKED}sai.{BLOCKED}r.tp/yuyal.php
  • http://76yr6s.{BLOCKED}rbo.com:88/tromp2.gif
  • http://{BLOCKED}sai.tp:88/gome2.gif
  • http://{BLOCKED}ro.op:88/tromp2.gif

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ルートキット機能

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません

プロセスの終了

ワームは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • TeaTimer.exe

その他

ワームは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://www.whatismyip.com/automation/n09230945.asp
  • http://checkip.dyndns.org/?rnd1={random number}&rnd2={random number}

ワーム は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した ワーム )を削除します。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

ワームは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %User Temp%\suicide.bat ←自身を削除するために使用され、その後削除される
  • {ドライブ文字}:\khq
  • %System%\autorun.inf

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {ランダムなファイル名}.exe

ワームは、ネットワークドライブ内に自身のコピーを作成します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

  • {ガベージコード}
  • [AutoRun]
  • {ガベージコード}
  • open={ランダムなファイル名}.exe
  • {ガベージコード}
  • shell\open\Command={ランダムなファイル名}.exe
  • {ガベージコード}
  • shell\open\Default=1
  • {ガベージコード}
  • shell\explore\Command={ランダムなファイル名}.exe
  • {ガベージコード}

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Webサイトへ接続
  • IRCチャンネルへ接続してコマンドを受信
  • ファイルのコピー
  • ファイルの削除
  • ファイルのダウンロード
  • マルウェアのプラグインをダウンロード
  • ファイルの実行
  • MSNコンタクトリストの列挙
  • アクティブなウィンドウの列挙
  • プロセスの列挙および終了
  • レジストリの操作
  • ネットワーク内IPアドレスの検索
  • 自身の更新

その他

ワームは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://www.whatismyip.com/automation/n09230945.asp
  • http://checkip.dyndns.org/?rnd1={ランダムな数字}&rnd2={ランダムな数字}


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 6.894.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2010年3月4日
VSAPI OPR パターンバージョン 6.895.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2010年3月5日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「WORM_UTOTI.KC」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\DRM
    • amty

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer\Run
    • csrcs = "%System%\csrcs.exe"

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Shell = "Explorer.exe csrcs.exe"
      To: Shell = Explorer.exe
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: Hidden = "2"
      To: Hidden = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: SuperHidden = "0"
      To: SuperHidden = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: ShowSuperHidden = "0"
      To: ShowSuperHidden = 1
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced\Folder\Hidden\SHOWALL
    • From: CheckedValue = "1"
      To: CheckedValue = "{user defined}"

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\suicide.bat
  • {drive letter}:\khq

手順 8

「WORM_UTOTI.KC」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
 
  • {garbage codes}
  • [AutoRun]
  • {garbage codes}
  • open={random filename}.exe
  • {garbage codes}
  • shell\open\Command={random filename}.exe
  • {garbage codes}
  • shell\open\Default=1
  • {garbage codes}
  • shell\explore\Command={random filename}.exe
  • {garbage codes}

手順 9

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_UTOTI.KC」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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