Trend Micro Security

WORM_TATERF.ZBE

2016年2月1日
 解析者: Jimelle Monteser   
 更新者 : Sammy Chua

 別名:

Mal/Taterf-F (Sophos); Worm:Win32/Taterf.B (Microsoft); Trojan-GameThief.Win32.Magania.cweh (Kaspersk);

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 すべての物理ドライブ内に自身のコピーを作成, リムーバブルドライブを介した感染活動

ワームはオンラインゲームに関連するユーザ名やパスワードといったユーザ認証情報を窃取します。ワームは、特定の文字列を含むメモリ内のプロセスおよびサービスを監視することで、これを実行します。

またワームは、特定のURLおよびプロセス、レジストリキーを監視し、Yahoo Japanの認証情報も窃取します。

ワームは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した ワーム )を削除します。

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ワーム マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した ワーム )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 92,672 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年5月19日
ペイロード プロセスの強制終了, 情報収集

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %User Temp%\4tddfwq{number}.dll - also detected as TSPY_FRETHOG.LT

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\xvassdf.exe

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
54dfsger = "%User Temp%\xvassdf.exe"

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = "2"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\Folder\Hidden\
SHOWALL
CheckedValue = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoDriveTypeAutoRun = "145"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"255"」となります。)

感染活動

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • qw6t0mpm.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[AutoRun]
open=qw6t0mpm.exe
shell\open\Command=qw6t0mpm.exe

プロセスの終了

ワームは、感染コンピュータ上でプロセスが常駐されていることを確認した場合、以下のいずれかの文字列を含むプロセスまたはサービスを終了します。

  • VCRMON.EXE
  • Update.exe
  • CCSVCHST.EXE
  • ALUSCHEDULERSVC.EXE
  • luall.exe
  • ASHDISP.EXE
  • avast.setup
  • setup.ovr
  • EKRN.EXE
  • updater.dll
  • eguiEpfw.dll
  • eguiEmon.dll
  • ekrnEpfw.dll
  • ekrnEmon.dll
  • AVP.EXE
  • prupdate.ppl
  • AYAGENT.AYE
  • AYUpdate.aye
  • UFSEAGNT.EXE
  • SfFnUp.exe
  • UfUpdUi.exe
  • AVGNT.EXE
  • preupd.exe
  • update.exe
  • VSTSKMGR.EXE
  • vsupdate.dll
  • mcupdate.exe
  • AVGRSX.EXE
  • avgupd.exe
  • avgupd.exe
  • AVP.EXE

ダウンロード活動

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。

  • http://www.{BLOCKED}d3.com/1rb/ar1.rar

ワームは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %User Temp%/ar1.rar

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

その他

ワーム は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した ワーム )を削除します。

ワームが作成する以下のコンポーネントファイルは、「TSPY_FRETHOG.LT」として検出されます。

  • %User Temp%\4tddfwq{number}.dll

作成されたDLLコンポーネントファイルは、その後メモリ内の実行中のプロセスに組み込まれます。

ワームはオンラインゲームに関連するユーザ名やパスワードといったユーザ認証情報を窃取します。ワームは、以下の文字列を含むメモリ内のプロセスおよびサービスを監視することで、これを実行します。

  • pol.exe
  • Ragexe.exe
  • coc.exe
  • Altair(Non-PvP)
  • Arcturus
  • Vega(Non-PvP)
  • Rigel
  • Sirius
  • Canopus
  • Forthgoer

またワームは、以下のURLおよびプロセス、レジストリキーを監視し、Yahoo Japanの認証情報も窃取します。

  • https://login.yahoo.co.jp/config/login_verify2?.src=ym
  • https://login.yahoo.co.jp/config/login?
  • YahooWidgetEngine.exe
  • YPagerj.exe
  • \Software\YahooJapan
ワームは、以下のWebサイトへのトラフフィックを監視し情報を窃取します。
  • 211.13.235.228
  • 211.13.235.227
  • 211.13.235.226
  • 211.13.235.229


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 10.804.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年5月19日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.805.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年5月20日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • 54dfsger = %User Temp%\xvassdf.exe

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: Hidden = "2"
      To: Hidden = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: ShowSuperHidden = "0"
      To: ShowSuperHidden = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced\Folder\Hidden\SHOWALL
    • From: CheckedValue = "0"
      To: CheckedValue = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • From: NoDriveTypeAutoRun = "145"
      To: NoDriveTypeAutoRun = "255"

手順 6

「WORM_TATERF.ZBE」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
[AutoRun]
open=qw6t0mpm.exe
shell\open\Command=qw6t0mpm.exe

手順 7

「WORM_TATERF.ZBE」 が作成またはダウンロードした不正なファイルを削除します。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

    • TSPY_FRETHOG.LT

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_TATERF.ZBE」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 9

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_TATERF.ZBE」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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