Trend Micro Security

WORM_STRAT.BG

2012年10月9日
 解析者: Michael Cabel   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 Eメールを介した感染活動

ワームは、大量送信されたスパムメールに添付されて、コンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、Windows のアドレス帳(WABファイル)から特定のEメールアドレスを収集します。


  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2009年4月8日
ペイロード 情報収集, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

ワームは、大量送信されたスパムメールに添付されて、コンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %System%\{Random File Name}.dll - also detected as WORM_STRAT.BG
  • %System%\e1.dll - also detected as WORM_STRAT.BG
  • %System%\{Random File Name}.exe - also detected as WORM_STRAT.BG
  • %System%\{Random File Name}.dll - also detected as WORM_STRAT.BG

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

ワームは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %Windows%\serv.s
  • %Windows%\serv.wax

(註:%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Windows%\serv.exe

(註:%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Serv = "%Windows%\serv.exe s"

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows
AppInit_DLLs = "{Random File Name}.dll e1.dll"

感染活動

ワームは、WABから特定のEメールアドレスを収集します。

このワームは、自身のコピーをEメールに添付して感染活動を行います。ワームは自身でSMTPの電子メール送信を行う機能を備えているため、Microsoft Outlook 等の一般のメールアプリケーションを使用せずにメールを送信することが可能となります。

ワームが送信するメールの内容は以下の通りです。

  • 件名:(以下のいずれか)
    • Error
    • Good day
    • hello
    • Mail Delivery Sy
    • Mail server repo
    • Mail Transaction
    • picture
    • Server Report
    • Status
    • test
  • メッセージ本文:

Mail server report.

Our firewall determined the e-mails containing worm copies are being sent from your computer.

Nowadays it happens from many computers, because this is a new virus type (Network Worms).

Using the new bug in the Windows, these viruses infect the computer unnoticeably.

After the penetrating into the computer the virus harvests all the e-mail addresses and sends the copies of itself to these e-mail addresses

Please install updates for worm elimination and your computer restoring.

Best regards,
Customers support service

  • 添付ファイル:(以下のいずれかのファイル名、偽の拡張子名、実際の拡張子名の組み合わせ)
    • (ファイル名)
      • body
      • data
      • doc
      • docs
      • document
      • file
      • message
      • readme
      • test
      • text
      • Update-KB{random numbers}-x86

    添付ファイルは以下のいずれかの偽の拡張子および実際の拡張子を組み合わせた二重拡張子になっています。偽の拡張子の後に空欄やドット(".")が入り、その後に実際の拡張子が追加されます。

    • (偽の拡張子)
      • DAT
      • ELM
      • LOG
      • MSG
      • TXT
    • (実際の拡張子)
      • BAT
      • CMD
      • EXE
      • PIF
      • SCR
      • ZIP

上記の添付ファイルはワームのコピーです。ワームは二重拡張子を使用して添付ファイルを作成し、無害なファイルを装います。そのため、二重拡張子に気が付かないユーザが誤ってワームのコピーを実行してしまう場合があります。ただし、上記の添付ファイル名のうち "Update-KB{random numbers}-x86" のみ、ファイル拡張子は常に.EXEです。

その他

ワームは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://upgrade.{BLOCKED}net.ne/?version=196644&source=kazaa_336
  • http://www2.{BLOCKED}desachlion.co/cgi-bin/a.cgi
  • http://www3.{BLOCKED}desachlion.com/cgi-bin/a.cgi
  • http://www3.{BLOCKED}desachlion.com/chr/tdg/lt.exe
  • http://www4.{BLOCKED}desachlion.co/chr/tdg/lt.exe
  • http://www6.{BLOCKED}desachlion.co/chr/tdg/nt.exe


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
VSAPI OPR パターンバージョン 5.883.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2009年4月8日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Serv = "%Windows%\serv.exe s"

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
    • From: AppInit_DLLs = "{Random File Name}.dll e1.dll"
      To: AppInit_DLLs = ""

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Windows%\serv.s
  • %Windows%\serv.wax

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_STRAT.BG」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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