Trend Micro Security

WORM_SDBOT.JBR

2015年2月23日
 解析者: Jaime Benigno Reyes   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 物理ドライブまたはリムーバブルドライブ経由による侵入, ピアツーピア(P2P)ネットワークを介した感染活動

ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。 ワームは、ピアツーピア(P2P)の共有フォルダを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 91,648 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年2月17日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, 情報収集, HOSTSファイルの改変

侵入方法

ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。

ワームは、P2Pの共有フォルダを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Windows%\winsupdt.exe

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

ワームは、以下の無害なファイルを作成します。

  • {removable drive letter except A and B}:\driver\usb\Desktop.ini

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 4y6t8mUt1l

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
wins = "winsupdt.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Terminal Server\
Install\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
wins = "winsupdt.exe"

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
{malware path and name} = "{malware path and name}:*:Enabled:wins"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。

  • {removable drive letter except A and B}:\driver
  • {removable drive letter except A and B}:\driver\usb

ワームは、ピアツーピア(P2P)ネットワーク上で使用される以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • bearshare\shared\
  • edonkey2000\incoming\
  • emule\incoming\
  • grokster\my grokster\
  • icq\shared folder\
  • kazaa lite k++\my shared folder\
  • kazaa lite\my shared folder\
  • kazaa\my shared folder\
  • limewire\shared\
  • morpheus\my shared folder\
  • tesla\files\
  • winmx\shared\

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {removable drive letter except A and B}:\driver\usb\ûÉü+çæèòåæ-ÇîÄ

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[autorun]
open=driver\usb\ûÉü+çæèòåæ-ÇîÄ
action=Open
shell\open=Open
shell\open\command=driver\usb\ûÉü+çæèòåæ-ÇîÄ
Usb_Driver installed

ワームは、以下のインスタントメッセンジャ(IM)を用いて標的とする受信者に自身のコピーを送信します。

  • AIM
  • MSN
  • Triton

バックドア活動

ワームは、以下のいずれかのIRCサーバに接続します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.244.154

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • create process and threads
  • download and execute arbitrary files
  • perform DDOS attack (SYN flood)
  • update self
  • terminate self

ただし、情報公開日現在、このサーバには接続できません。

HOSTSファイルの改変

ワームは、ユーザが以下のWebサイトにアクセスできないように、システムのHOSTSファイルを改変します。

  • 127.0.0.1 www.symantec.com
  • 127.0.0.1 securityresponse.symantec.com
  • 127.0.0.1 symantec.com
  • 127.0.0.1 www.sophos.com
  • 127.0.0.1 sophos.com
  • 127.0.0.1 www.mcafee.com
  • 127.0.0.1 mcafee.com
  • 127.0.0.1 liveupdate.symantecliveupdate.com
  • 127.0.0.1 www.viruslist.com
  • 127.0.0.1 viruslist.com
  • 127.0.0.1 viruslist.com
  • 127.0.0.1 f-secure.com
  • 127.0.0.1 www.f-secure.com
  • 127.0.0.1 kaspersky.com
  • 127.0.0.1 kaspersky-labs.com
  • 127.0.0.1 www.avp.com
  • 127.0.0.1 www.kaspersky.com
  • 127.0.0.1 avp.com
  • 127.0.0.1 www.networkassociates.com
  • 127.0.0.1 networkassociates.com
  • 127.0.0.1 www.ca.com
  • 127.0.0.1 ca.com
  • 127.0.0.1 mast.mcafee.com
  • 127.0.0.1 my-etrust.com
  • 127.0.0.1 www.my-etrust.com
  • 127.0.0.1 download.mcafee.com
  • 127.0.0.1 dispatch.mcafee.com
  • 127.0.0.1 secure.nai.com
  • 127.0.0.1 nai.com
  • 127.0.0.1 www.nai.com
  • 127.0.0.1 update.symantec.com
  • 127.0.0.1 updates.symantec.com
  • 127.0.0.1 us.mcafee.com
  • 127.0.0.1 liveupdate.symantec.com
  • 127.0.0.1 customer.symantec.com
  • 127.0.0.1 rads.mcafee.com
  • 127.0.0.1 trendmicro.com
  • 127.0.0.1 www.trendmicro.com
  • 127.0.0.1 www.grisoft.com
  • 127.0.0.1 www.grisoft.com
  • 127.0.0.1 virustotal.com
  • 127.0.0.1 www.virustotal.com
  • 127.0.0.1 virscan.org
  • 127.0.0.1 www.virscan.org
  • 127.0.0.1 scanner.novirusthanks.org
  • 127.0.0.1 www.scanner.novirusthanks.org
  • 127.0.0.1 virusscan.jotti.org
  • 127.0.0.1 www.virusscan.jotti.org
  • 127.0.0.1 threatexpert.com

情報漏えい

ワームは、以下の情報を収集します。

  • IP address
  • OS version
  • host name
  • language

その他

ワームが実行するコマンドは、以下のとおりです。

  • プロセスおよびスレッドの作成
  • 任意のファイルのダウンロードおよび実行
  • DDOS攻撃の実行(SYNフラッド攻撃)
  • 自身の更新
  • 自身の終了

ワームが収集する情報は、以下のとおりです。

  • IPアドレス
  • OSのバージョン
  • ホスト名
  • 言語

ワームは、以下の不正活動を行います。

  • コンピュータ内で、"filemon"、"procmon"、"tcpview"または"wireshark"が実行されている場合、自身を終了
  • ユーザ名が、"currentuser"、"honey"、"sandbox"および"vmware"といった仮想コンピュータ関連文字列を含む場合、自身を終了
  • 自身のパスと名称が"C:\sample.exe"である場合、自身を終了
  • コマンド"netsh firewall add allowedprogram {malware name} 1 ENABLE"を実行することにより、ファイアウォールを回避
  • P2PネットワークおよびIMアプリケーションで拡散する場合、興味をひくため以下のファイル名を利用
    • Autoloader.exe
    • DDOSPING.exe
    • Ebooks.exe
    • FREEPORN.exe
    • fuckshitcunt.scr
    • headjobs.scr
    • HotmailHacker.exe
    • How-to-make-money.exe
    • ilovetofuck.scr
    • image.scr
    • LimeWireCrack.exe
    • MSNHacks.exe
    • paris-hilton.scr
    • Porno.MPEG.exe
    • porno.scr
    • RapidsharePREMIUM.exe
    • ScreenMelter.exe
    • VistaUltimate-Crack.exe
    • WildHorneyTeens.scr
    • Wireshark.exe
    • YahooCracker.exe

ワームは、ルートキット機能を備えていません。

ワームは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 11.490.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年2月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.491.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年2月21日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「WORM_SDBOT.JBR」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • wins = "winsupdt.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Terminal Server\Install\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • wins = "winsupdt.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • {malware path and name} = "{malware path and name}:*:Enabled:wins"

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {removable drive letter except A and B}:\driver\usb

手順 7

「WORM_SDBOT.JBR」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
  • [autorun]
  • open=driver\usb\ûÉü+çæèòåæ-ÇîÄ
  • action=Open
  • shell\open=Open
  • shell\open\command=driver\usb\ûÉü+çæèòåæ-ÇîÄ
  • Usb_Driver installed

手順 8

不正プログラム/グレイウェア/スパイウェアがHOSTSファイルに追加した文字列を削除します。

[ 詳細 ]
    • 127.0.0.1 www.symantec.com
    • 127.0.0.1 securityresponse.symantec.com
    • 127.0.0.1 symantec.com
    • 127.0.0.1 www.sophos.com
    • 127.0.0.1 sophos.com
    • 127.0.0.1 www.mcafee.com
    • 127.0.0.1 mcafee.com
    • 127.0.0.1 liveupdate.symantecliveupdate.com
    • 127.0.0.1 www.viruslist.com
    • 127.0.0.1 viruslist.com
    • 127.0.0.1 viruslist.com
    • 127.0.0.1 f-secure.com
    • 127.0.0.1 www.f-secure.com
    • 127.0.0.1 kaspersky.com
    • 127.0.0.1 kaspersky-labs.com
    • 127.0.0.1 www.avp.com
    • 127.0.0.1 www.kaspersky.com
    • 127.0.0.1 avp.com
    • 127.0.0.1 www.networkassociates.com
    • 127.0.0.1 networkassociates.com
    • 127.0.0.1 www.ca.com
    • 127.0.0.1 ca.com
    • 127.0.0.1 mast.mcafee.com
    • 127.0.0.1 my-etrust.com
    • 127.0.0.1 www.my-etrust.com
    • 127.0.0.1 download.mcafee.com
    • 127.0.0.1 dispatch.mcafee.com
    • 127.0.0.1 secure.nai.com
    • 127.0.0.1 nai.com
    • 127.0.0.1 www.nai.com
    • 127.0.0.1 update.symantec.com
    • 127.0.0.1 updates.symantec.com
    • 127.0.0.1 us.mcafee.com
    • 127.0.0.1 liveupdate.symantec.com
    • 127.0.0.1 customer.symantec.com
    • 127.0.0.1 rads.mcafee.com
    • 127.0.0.1 trendmicro.com
    • 127.0.0.1 www.trendmicro.com
    • 127.0.0.1 www.grisoft.com
    • 127.0.0.1 www.grisoft.com
    • 127.0.0.1 virustotal.com
    • 127.0.0.1 www.virustotal.com
    • 127.0.0.1 virscan.org
    • 127.0.0.1 www.virscan.org
    • 127.0.0.1 scanner.novirusthanks.org
    • 127.0.0.1 www.scanner.novirusthanks.org
    • 127.0.0.1 virusscan.jotti.org
    • 127.0.0.1 www.virusscan.jotti.org
    • 127.0.0.1 threatexpert.com

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_SDBOT.JBR」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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