Trend Micro Security

WORM_PUSHBOT.CY

2013年7月9日
 解析者: Nikko Tamana   

 別名:

Mal/Buzus-GA (Sophos), W32/Injector.HRV!tr (Fortinet), W32/CeeInject.AE.gen!Eldorado (FProt), Trojan.Win32.Menti (Ikarus), Backdoor.Win32.Bifrose.fyb (Kaspersky), VirTool:Win32/CeeInject.gen!FI (Microsoft), a variant of Win32/Injector.HNC trojan (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 リムーバブルドライブを介した感染活動

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、情報収集する機能を備えていません。


  詳細

ファイルサイズ 99,328 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年7月5日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\lsass.exe

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • jiuhuig

ワームは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成したワーム)を終了し、侵入したコンピュータ内で作成した自身のコピーの方を実行します。

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows Firewall = "%User Temp%\lsass.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows Firewall = "%User Temp%\lsass.exe"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。

  • {Removable Drive}:\ TTHDHGC
  • {Removable Drive}:\ TTHDHGC\DFG-2352-66235-2352322-634621321-6662355

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Removable Drives}:\TTHDHGC\DFG-2352-66235-2352322-634621321-6662355\364855.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[autorun]
open=TTHDHGC\DFG-2352-66235-2352322-634621321-6662355\364855.exe
icon=%SystemRoot%\system32\SHELL32.dll,4
action=Open folder to view files
shell\open\command=TTHDHGC\DFG-2352-66235-2352322-634621321-6662355\364855.exe
shell\open\default=1

バックドア活動

ワームは、以下のいずれかのIRCサーバに接続します。

  • irc.{BLOCKED}ol.co.cc

ワームは、リモートでInternet Relay Chat (IRC)サーバにアクセスし、不正リモートユーザから以下のコマンドを受信します。

  • Delete itself
  • Kill Specific Processes
  • Establish New IRC Connection
  • Download and Execute Adware
  • Propagate via MSN
  • Propagate via Torrent
  • Update itself

作成活動

ワームは、作成したファイルの属性を以下のように設定します。

  • Read Only
  • Hidden
  • System

情報漏えい

ワームは、情報収集する機能を備えていません。

その他

ワームは、自身のIRCサーバにアクセスする際に以下の認証情報を利用します。

  • NICK [USA][{OS Version}]{Random Numbers}
  • PASS ciaxx

{OS Version}は、感染コンピュータのオペレーティングシステム(OS)によって以下のいずれかが該当します。

  • 2K
  • XP
  • VS
  • W7
  • UNK

ワームが不正リモートユーザから受信するコマンドは、以下のとおりです。

  • 自身の削除
  • 特定のプロセスの終了
  • 新規のIRC接続の構築
  • アドウェアのダウンロードおよび実行
  • インスタントメッセンジャ「MSNメッセンジャー」を介した感染活動
  • Torrentを介した感染活動
  • 自身の更新

バックドアコマンドの1つである「インスタントメッセンジャ「MSNメッセンジャー」を介した感染活動」では、以下のファイル名が利用されます。

  • google_cache113.tmp

ワームは、torrent形式のファイルを作成し実行することにより、バックドアコマンドの1つである「Torrentを介した感染活動」を行います。ワームが作成するtorrentファイルは、以下の通りです。

  • %User Temp%\torr.torrent

ワームは、以下のバッチファイルを作成し実行することにより、バックドアコマンドの1つである「自身の削除」を行います。

  • %User Temp%\removeMe{values}.bat

ワームは、ルートキット機能を備えていません。

ワームは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
VSAPI OPR パターンバージョン 10.137.80
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年7月6日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Windows Firewall = "%User Temp%\lsass.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Windows Firewall = "%User Temp%\lsass.exe"

手順 4

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Removable Drive}:\TTHDHGC

手順 5

「WORM_PUSHBOT.CY」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
[autorun]
open=TTHDHGC\DFG-2352-66235-2352322-634621321-6662355\364855.exe
icon=%SystemRoot%\system32\SHELL32.dll,4
action=Open folder to view files
shell\open\command=TTHDHGC\DFG-2352-66235-2352322-634621321-6662355\364855.exe
shell\open\default=1

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\removeMe{values}.bat
  • %User Temp%\torr.torrent

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_PUSHBOT.CY」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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