WORM_PALEVO.SMEP
2016年12月19日
更新者 : Michael Jay Villanueva
- マルウェアタイプ: ワーム
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: はい
- 感染報告の有無: はい
ワームは、ピアツーピア(P2P)の共有フォルダを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。
ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。
ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ワームは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
侵入方法
ワームは、P2Pの共有フォルダを介してコンピュータに侵入します。
ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。
インストール
ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe
(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)
ワームは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。
自動実行方法
ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Taskman = %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe
感染活動
ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO
ワームは、ピアツーピア(P2P)ネットワーク上で使用される以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。
- Ares
- Bearshare
- iMesh
- Shareazza
- Kazza
- DC++
- Emule
- Emule Plus
- Limewire
ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO\torta.exe
ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。
上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。
{garbage code}
[autorun
{garbage code}
open=SLATKO/torta.exe
{garbage code}
icon=%SystemRoot%\system32\SHELL32.dll,4
{garbage code}
action=Open folder to view files using Windows Explorer
{garbage code}
shell\open\command=SLATKO/torta.exe
{garbage code}
shell\explore\command=SLATKO/torta.exe
{garbage code}
useautoplay=1
ワームは、以下のインスタントメッセンジャ(IM)を用いて、メッセージを送信します。このメッセージにはリンクが含まれており、リンク先のリモートサイトには、自身のコピーが組み込まれています。
バックドア活動
ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- Send messages via MSN messenger
- Propagate via Removable drives
- Scan network for VNC
- Flooding (DDOS)
- Steal passwords and sensitive data saved by web browsers
- Download and execute arbitrary files
- Check malware version
- Update itself
- Execute commands from remote user
ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
- sandra.{BLOCKED}onica.com
- pica.{BLOCKED}ucke-ljepotice.ru
- l33t.{BLOCKED}clothes.net
その他
マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは、以下のとおりです。
- MSNメッセンジャーを介してメッセージの送信
- リムーバブルドライブを介して拡散
- VCNを探すためにネットワークをスキャン
- フラッド(「分散型サービス拒否(distributed denial-of-service、DDoS)」)
- Webブラウザに保存してあるパスワードや個人情報の窃取
- 任意のファイルのダウンロードおよび実行
- マルウェアバージョンの確認
- 自身の更新
- リモートユーザからのコマンドの実行
マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。
マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
[ 詳細 ]
[ 戻る ]
セーフモードでの起動:
• Windows 2000 の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「Windows 拡張オプション メニュー」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows XP の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「Windows 拡張オプション メニュー」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows Server 2003 の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「Windows 拡張オプション メニュー」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows Vista、Windows 7 および Windows Server 2008 の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「詳細ブート オプション」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows 8、8.1 および Server 2012の場合:
- 画面の右上隅へマウスポインタを移動し、[チャーム]バーを表示します。
- マウスで、[設定]-[PC設定の変更]を選択します。
- 左側のパネルで、[全般]を選択します。
- 右側のパネルで、[PCの起動をカスタマイズする]が表示されるまで下にスクロールし、[今すぐ再起動]をクリック。コンピュータが再起動するまで待ちます。
- [オプションの選択]メニューで、[トラブルシューティング]-[詳細オプション]-[スタートアップ設定]-[再起動]をクリックします。
- [スタートアップ設定]メニューで、[4]キーを押し、「4)セーフモードを有効にする」を選択します。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
[ 詳細 ]
[ 戻る ]
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
- Taskman = %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe
このマルウェアが追加したレジストリ値の削除:
- 「レジストリエディタ」を起動します。
[スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、regedit と入力し、[OK]をクリックします。
※regedit は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。 - 「レジストリエディタ」の左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Winlogon - 右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
Taskman = %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe - 「レジストリエディタ」を閉じます。
手順 5
「WORM_PALEVO.SMEP」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。
[ 詳細 ]
[ 戻る ]
{garbage code}
[autorun
{garbage code}
open=ucure/ucure32.exe
{garbage code}
icon=%SystemRoot%\system32\SHELL32.dll,4
{garbage code}
action=Open folder to view files using Windows Explorer
{garbage code}
USEAUToplay=1
{garbage code}
shell\open\\command=ucure/ucure32.exe
{garbage code}
shell\\explore\command=ucure/ucure32.exe
{garbage code}作成された AUTORUN.INF の検索および削除:
• Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:
- [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
註:Windowsのバージョンによって異なります。 - [ファイル名のすべてまたは一部]に以下を入力してください。
AUTORUN.INF - [探す場所]の一覧から該当ドライブを選択し、[検索]を押します。
- 検索が終了したら、ファイルを選択し、メモ帳などテキストエディタを用いて開いてください。
- 以下の文字列が存在するか確認してください。
{garbage code}
[autorun
{garbage code}
open=ucure/ucure32.exe
{garbage code}
icon=%SystemRoot%\system32\SHELL32.dll,4
{garbage code}
action=Open folder to view files using Windows Explorer
{garbage code}
USEAUToplay=1
{garbage code}
shell\open\\command=ucure/ucure32.exe
{garbage code}
shell\\explore\command=ucure/ucure32.exe
{garbage code} - この文字列が存在する場合はファイルを削除してください。
- 他のリムーバブルドライブ内の残りの "AUTORUN.INF" についても、この手順3.)から6.)を繰り返してください。
- [検索結果]画面を閉じてください。
• Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:
- Windowsエクスプローラ画面を開きます。
- Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
- Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
- 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
- [コンピューターの検索]に、以下を入力してください。
AUTORUN.INF - 検索が終了したら、ファイルを選択し、メモ帳などテキストエディタを用いて開いてください。
- 以下の文字列が存在するか確認してください。
{garbage code}
[autorun
{garbage code}
open=ucure/ucure32.exe
{garbage code}
icon=%SystemRoot%\system32\SHELL32.dll,4
{garbage code}
action=Open folder to view files using Windows Explorer
{garbage code}
USEAUToplay=1
{garbage code}
shell\open\\command=ucure/ucure32.exe
{garbage code}
shell\\explore\command=ucure/ucure32.exe
{garbage code} - この文字列が存在する場合はファイルを削除してください。
- 他のリムーバブルドライブ内の残りの "AUTORUN.INF" についても、この手順3.)から5.)を繰り返してください。
- [検索結果]画面を閉じてください。
手順 6
以下のフォルダを検索し削除します。
[ 詳細 ]
[ 戻る ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
- %System Root%\RECYCLER
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO
このマルウェアまたはアドウェア等が作成したフォルダの削除:
Windows 2000、XP および Server 2003 の場合: - [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
- [ファイル名のすべてまたは一部]に、以下のフォルダ名を入力してください。
- %System Root%\RECYCLER
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO
- [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
- 検索が終了したら、フォルダを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、フォルダが完全に削除されます。
- 残りのフォルダに対して、このマルウェアまたはアドウェア等が作成したフォルダの削除の手順 2.)から 4.)を繰り返してください。
- %System Root%\RECYCLER
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO
註:ファイル名の入力欄のタイトルは、Windowsのバージョンによって異なります。(例:ファイルやフォルダ名の検索の場合やファイル名のすべてまたは一部での検索)
Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合: - Windowsエクスプローラ画面を開きます。
- Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
- Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
- 画面の左隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
- [コンピューターの検索]に、以下を入力します。
- %System Root%\RECYCLER
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO
- 検索が終了したら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、フォルダが完全に削除されます。
- 残りのフォルダに対して、このマルウェアまたはアドウェア等が作成したフォルダの削除の手順 2.)から 3.)を繰り返してください。
- %System Root%\RECYCLER
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO
註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
手順 7
以下のファイルを検索し削除します。
[ 詳細 ]
[ 戻る ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\Desktop.ini
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO\torta.exe
マルウェアのコンポーネントファイルの削除:
Windows 2000、XP および Server 2003 の場合: - [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
- [ファイル名のすべてまたは一部]に以下のファイル名を入力してください。
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\Desktop.ini
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO\torta.exe
- [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
- 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
- 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。
Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合: - Windowsエクスプローラ画面を開きます。
- Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
- Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
- 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
- [コンピューターの検索]に、以下を入力します。
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\Desktop.ini
- %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe
- {Removable Drive Letter}:\SLATKO\torta.exe
- ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
- 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。
註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
手順 8
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_PALEVO.SMEP」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
手順 9
このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「WORM_PALEVO.SMEP」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください