Trend Micro Security

WORM_PALEVO.SMEP

2016年12月19日
 更新者 : Michael Jay Villanueva

 別名:

Worm:Win32/Rimecud.A (Microsoft); Mal/Rimecud-B (Sophos); Win32.Worm-p2p.Palevo.Ebga (Tencent)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 物理ドライブまたはリムーバブルドライブ経由による侵入, ピアツーピア(P2P)ネットワークを介した感染活動

ワームは、ピアツーピア(P2P)の共有フォルダを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ワームは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 143,360 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年12月14日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, DoS攻撃またはDDoS攻撃, 情報収集

侵入方法

ワームは、P2Pの共有フォルダを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

ワームは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • explorer.exe

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Taskman = %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。

  • {Removable Drive Letter}:\SLATKO

ワームは、ピアツーピア(P2P)ネットワーク上で使用される以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • Ares
  • Bearshare
  • iMesh
  • Shareazza
  • Kazza
  • DC++
  • Emule
  • Emule Plus
  • Limewire

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Removable Drive Letter}:\SLATKO\torta.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

{garbage code}
[autorun
{garbage code}
open=SLATKO/torta.exe
{garbage code}
icon=%SystemRoot%\system32\SHELL32.dll,4
{garbage code}
action=Open folder to view files using Windows Explorer
{garbage code}
shell\open\command=SLATKO/torta.exe
{garbage code}
shell\explore\command=SLATKO/torta.exe
{garbage code}
useautoplay=1

ワームは、以下のインスタントメッセンジャ(IM)を用いて、メッセージを送信します。このメッセージにはリンクが含まれており、リンク先のリモートサイトには、自身のコピーが組み込まれています。

  • MSN Messenger

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Send messages via MSN messenger
  • Propagate via Removable drives
  • Scan network for VNC
  • Flooding (DDOS)
  • Steal passwords and sensitive data saved by web browsers
  • Download and execute arbitrary files
  • Check malware version
  • Update itself
  • Execute commands from remote user

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • sandra.{BLOCKED}onica.com
  • pica.{BLOCKED}ucke-ljepotice.ru
  • l33t.{BLOCKED}clothes.net

その他

マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは、以下のとおりです。

  • MSNメッセンジャーを介してメッセージの送信
  • リムーバブルドライブを介して拡散
  • VCNを探すためにネットワークをスキャン
  • フラッド(「分散型サービス拒否(distributed denial-of-service、DDoS)」)
  • Webブラウザに保存してあるパスワードや個人情報の窃取
  • 任意のファイルのダウンロードおよび実行
  • マルウェアバージョンの確認
  • 自身の更新
  • リモートユーザからのコマンドの実行

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 6.784.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2010年1月19日
VSAPI OPR パターンバージョン 6.785.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2010年1月20日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • Taskman = %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe

手順 5

「WORM_PALEVO.SMEP」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]

{garbage code}

[autorun

{garbage code}

open=ucure/ucure32.exe

{garbage code}

icon=%SystemRoot%\system32\SHELL32.dll,4

{garbage code}

action=Open folder to view files using Windows Explorer

{garbage code}

USEAUToplay=1

{garbage code}

shell\open\\command=ucure/ucure32.exe

{garbage code}

shell\\explore\command=ucure/ucure32.exe

{garbage code}

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\RECYCLER
  • %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}
  • {Removable Drive Letter}:\SLATKO

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\Desktop.ini
  • %System Root%\RECYCLER\S-1-5-21-{Random Numbers}\nissan.exe
  • {Removable Drive Letter}:\SLATKO\torta.exe

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_PALEVO.SMEP」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 9

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「WORM_PALEVO.SMEP」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。


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