Trend Micro Security

WORM_PALEVO.FH

2013年9月20日
 解析者: Nikko Tamana   

 別名:

W32/Pincav.APZQ!tr (Fortinet), Trojan.Win32.Pincav (Ikarus), Trojan.Win32.Pincav.apzq (Kaspersky), Win32/AutoRun.Agent.ZM worm (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 フラッシュドライブを介した感染活動

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  詳細

ファイルサイズ 1,486,848 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年1月11日
ペイロード ファイルの作成, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\vfbu.exe

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。)

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • K/Fz+56

ワームは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • explorer.exe

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Winlogon
Taskman = "%User Profile%\Application Data\vfbu.exe"

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Licenses

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{5A8A1D95-22E9-3963-2E06-90BDD094E562}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
CLSID\{5A8A1D95-22E9-3963-2E06-90BDD094E562}\InprocServer32

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
CLSID\{5A8A1D95-22E9-3963-2E06-90BDD094E562}\ProgID

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
CLSID\{5A8A1D95-22E9-3963-2E06-90BDD094E562}\VersionIndependentProgID

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
RFC1156Agent

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Licenses
{K7C0DB872A3F777C0} = "{random values}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
CLSID\{5A8A1D95-22E9-3963-2E06-90BDD094E562}\InprocServer32
ThreadingModel = "Both"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Licenses
{IAA4A1823DF778B97} = "{random values}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
RFC1156Agent\CurrentVersion\Parameters
TrapPollTimeMilliSecs = "3a98"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。

  • {Removable Drive}:\U3ROM

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {removable drive letter}:\U3ROM\system32.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

;garbage characters
[autorun]
open=U3ROM/system32.exe
;garbage characters
icon=U3ROM/default.ico
;garbage characters
action=Open
;garbage characters
shell\open\command=U3ROM/system32.exe
shell\explore\command=U3ROM/system32.exe
useautoplay=1
:GOTO NUL
;garbage characters

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • MSN spreader
  • P2P Spreader
  • DDOS (TCP/UDP Flooding)
  • Retrieve Stored Browser Passwords
  • Update / Remove self
  • Download and execute arbitrary files
  • USB Spreader
  • Visit a URL / Display pop-up advertisements

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}cureupdate.com
  • {BLOCKED}dates2000.com
  • {BLOCKED}servis.in
  • {BLOCKED}windows.net
  • {BLOCKED}ureserv.com

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

情報漏えい

ワームは、以下の情報を収集します。

  • IP Address
  • Network Setting
  • Operation System
  • Admin Rights
  • Country
  • Port Used
  • Username / Hostname

ワームが実行するコマンドは以下のとおりです。

  • インスタントメッセンジャ「MSNメッセンジャー」を介した感染活動の実行
  • P2Pを介した感染活動の実行
  • 分散型サービス拒否(DDoS)攻撃(TCP/UDPフラッド)の実行
  • ブラウザに保存されたパスワードの取得
  • 自身の更新/削除
  • 任意のファイルのダウンロードおよび実行
  • USBを介した感染活動の実行
  • URLへのアクセス/ポップアップ広告の表示

ワームが収集する情報は以下のとおりです。

  • IPアドレス
  • ネットワークの設定
  • オペレーティングシステム(OS)の種類
  • 管理者権限
  • 国名
  • 使用ポート
  • ユーザ名/ホスト名

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 10.286.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年9月9日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.269.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年9月10日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

スタートアップディスク、または、回復コンソールを用いて、「WORM_PALEVO.FH」として検出されたファイルを確認し削除します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Winlogon
    • Taskman = "%User Profile%\Application Data\vfbu.exe"

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • Licenses
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID
    • {5A8A1D95-22E9-3963-2E06-90BDD094E562}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft
    • RFC1156Agent

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Removable Drive}:\U3ROM

手順 6

「WORM_PALEVO.FH」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
;garbage characters
[autorun]
open=U3ROM/system32.exe 
;garbage characters
icon=U3ROM/default.ico
;garbage characters
action=Open 
;garbage characters
shell\open\command=U3ROM/system32.exe
shell\explore\command=U3ROM/system32.exe
useautoplay=1
:GOTO NUL
;garbage characters

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_PALEVO.FH」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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