Trend Micro Security

WORM_OTORUN.XXSK

2018年8月2日
 解析者: John Donnie Celestre   

 別名:

Virus:Win32/Capsfin.A (MICROSOFT), W32/Madang.C (FORTINET)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。 ワームは、レジストリ値を変更し、Windowsのファイアウォールを無効にします。これにより、ワームは、自身を検出されることなく不正活動を実行することが可能になります。 ワームは、特定のレジストリ値を変更し、ファイルの拡張子を非表示にします。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。


  詳細

ファイルサイズ 241,664 bytes
タイプ EXE
発見日 2018年8月1日

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • {drive letter}:\SYS\AAR.exe
  • {drive letter}:\SYS\SYS.exe
  • %System Root%\Documents and Settings\Administrator\{malware name}.exe
  • %System%\restore\Thole.exe
  • %System%\com\THole.exe
  • %Windows%\{malware name}.exe
  • %System%\inf\svchost.exe

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
NTD = %System%\Com\THole.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
NT = %System Root%\Documents and Settings\Administrator\{malware name}.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
Startup Scan = %Windows%\{malware name}.exe/check

ワームは、以下のサービスを追加し、実行します。

  • eventchk

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\AeLookupSvc
Type = 16

(註:変更前の上記レジストリ値は、「20」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\Winmgmt
Type = 16

(註:変更前の上記レジストリ値は、「20」となります。)

ワームは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableRegistryTools = 0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\Folder\SuperHidden
CheckedValue = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\Folder\SuperHidden
UncheckedValue = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\Folder\Hidden\
NOHIDDEN
DefaultValue = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\Folder\Hidden\
SHOWALL
CheckedValue = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\Folder\Hidden\
SHOWALL
DefaultValue = 2

ワームは、以下のレジストリ値を変更し、Windowsのファイアウォールを無効にします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
list\%System%\inf
svchost.exe = %System%\inf\svchost.exe:*:Enabled:@xpsp2res.dll,-22001

ワームは、以下のレジストリ値を変更し、ファイルの拡張子を非表示にします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\HideFileExt
UncheckedValue = 1

感染活動

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内でフォルダを検索し、検索したフォルダ内に "<フォルダ名>.EXE" として自身のコピーを作成します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.412.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年7月30日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.413.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年7月31日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

レジストリエディタおよびタスクマネージャ、フォルダオプションの機能を有効にします。

[ 詳細 ]
この手順により、このワームが無効にした他のアプリケーションまたはプログラムの機能も有効になります。

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • NTD = %System%\Com\THole.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • NT = %System Root%\Documents and Settings\Administrator\{malware name}.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • Startup Scan = %System Root%\WINDOWS\{malware name}.exe/check
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\list\%System%\inf
    • svchost.exe = %System%\inf\svchost.exe:*:Enabled:@xpsp2res.dll,-22001

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\services\AeLookupSvc
    • From: Type = 16
      To: Type = 20
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\services\Winmgmt
    • From: Type = 16
      To: Type = 20

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {drive letter}:\SYS\AAR.exe
  • {drive letter}:\SYS\SYS.exe
  • %System%\restore\Thole.exe
  • %System%\com\THole.exe
  • %Windows%\{malware name}.exe
  • %System%\inf\svchost.exe
  • %System Root%\Documents and Settings\Administrator\{malware name}.exe

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_OTORUN.XXSK」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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