Trend Micro Security

WORM_OTOIT.TN

2012年10月9日
 解析者: Abraham Latimer Camba   

 別名:

Worm:Win32/Renocide.F (Microsoft), Worm.Win32.AutoIt.xl (Kaspsersky), Win32/Packed.Autoit.B.Gen application (ESET), Trojan.Win32.AutoIt.gen.1 (v) (Sunbelt)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 フラッシュドライブを介した感染活動, 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 958,032 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年8月10日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システムセキュリティへの感染活動, ファイルの作成

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %System%\csrcs.exe

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\autorun.inf

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 6E523163793968624
  • 95A5756335A574A364C6
  • Q9V1S45G64H79AF6G54B984FGBASASASAS

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer\Run
csrcs = "%System%\csrcs.exe"

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Shell = "Explorer.exe csrcs.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「Explorer.exe」となります。)

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer\Run

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
dreg = "{random}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
exp1 = "{random}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
fix = ""

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
fix1 = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
ilop = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
GlobalUserOffline = "0"

ワームは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = "2"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
SuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

ワームは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%System%\csrcs.exe = "%System%\csrcs.exe:*:Enabled:Windows Life Messenger"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {random filename}.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

;{garbage}
[AutoRun]
;{garbage}
open={random filename}.exe
;{garbage}
shell\open\Command={random filename}.exe
;{garbage}
shell\open\Default=1
;{garbage}
;{garbage}
shell\explore\Command={random filename}.exe
;{garbage}

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download and execute Files
  • Log keystrokes
  • Manage files
  • Manage open Windows
  • Manage processes
  • Manage registries
  • Perform Denial of Service
  • Perform remote shell
  • Refresh IP
  • Remove itself and clean autorun registry entries
  • Set-up IRC bot
  • Spread itself to all physical and removable drives
  • Update, restart, terminate itself
  • Get following information:
    • IP address
    • Language
    • Computer information
    • OS information
    • User information
    • Drive Information
    • MSN contacts

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}t.{BLOCKED}s.com:6854/di.gif
  • http://{BLOCKED}o.{BLOCKED}s.com:6854/yuyo.php
  • http://{BLOCKED}u.{BLOCKED}p.jp:6854/di.gi
  • http://{BLOCKED}k.{BLOCKED}n.ph:6854/di.gif
  • http://{BLOCKED}k.{BLOCKED}n.ph:6854/yuyal.php
  • http://{BLOCKED}n.{BLOCKED}z.hm:6854/di.gif
  • http://{BLOCKED}e.{BLOCKED}r.tp:6854/di.gif

その他

ワームは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://checkip.{BLOCKED}s.org/?rnd1={random}rnd2={random}
  • http://www.{BLOCKED}myip.com/?rnd1={random}rnd2={random}
  • http://www.{BLOCKED}myip.com/automation/n09230945.asp


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 9.314.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年8月10日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.315.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年8月11日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「WORM_OTOIT.TN」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\DRM
    • amty
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies
    • Explorer

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • GlobalUserOffline = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %System%\csrcs.exe = "%System%\csrcs.exe:*:Enabled:Windows Life Messenger"

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: Hidden = "2"
      To: Hidden = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: ShowSuperHidden = "0"
      To: ShowSuperHidden = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: SuperHidden = "0"
      To: SuperHidden = 1
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Shell = "Explorer.exe csrcs.exe"
      To: Shell = Explorer.exe

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\autorun.inf

手順 8

「WORM_OTOIT.TN」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]

    ;{garbage}
    [AutoRun]
    ;{garbage}
    open={random filename}.exe
    ;{garbage}
    shell\open\Command={random filename}.exe
    ;{garbage}
    shell\open\Default=1
    ;{garbage}
    ;{garbage}
    shell\explore\Command={random filename}.exe
    ;{garbage}

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_OTOIT.TN」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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