Trend Micro Security

WORM_OTOIT.DCS

2013年3月6日
 解析者: Rhena Inocencio   

 別名:

Worm:Win32/Renocide.gen!G (Microsoft), Worm.Win32.AutoIt.aez (Kaspersky), W32.Harakit (ESET), W32/Sohana-DL (Sophos)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 物理ドライブまたはリムーバブルドライブ経由による侵入, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成, リムーバブルドライブを介した感染活動

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

ワーム マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した ワーム )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 761,889 bytes
タイプ EXE
ファイル圧縮 AutoIt
メモリ常駐 はい
発見日 2013年3月5日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システム情報の収集, システムセキュリティへの感染活動, ファイルのダウンロード

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %System%\csrcs.exe
  • %System%\{random number}.exe

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\autorun.inf

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

ワームは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %User Temp%\suicide.bat - used to delete the initially executed copy. It deletes itself after successfully deleting the malware's initial copy
  • {drive letter}:\{random filename} - empty file

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer\Run
csrcs = "%System%\csrcs.exe"

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Shell = "Explorer.exe csrcs.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「Explorer.exe」となります。)

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
dreg = "{random}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
exp1 = "{random}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
fix = ""

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
fix1 = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
DRM\amty
ilop = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
GlobalUserOffline = "0"

ワームは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
SuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = "2"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {drive letter}:\{random filename}.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

;{garbage characters}
[AuTOrUn
;{garbage characters}
open={random filename}.exe
;{garbage characters}
shell\open\Command={random filename}.exe
;{garbage characters}
shell\open\Default=1
;{garbage characters}

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download and execute files
  • Manage files
  • List active window titles
  • List and terminate processes
  • Query and manipulate registries
  • Scan for IP addresses within the network
  • Update copy of itself

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}d.{BLOCKED}ster.com:5400/banner.gif
  • http://{BLOCKED}rz.hm:4580/banner.gif
  • http://{BLOCKED}u.{BLOCKED}atama.com:4700/banner.gif
  • http://{BLOCKED}d.{BLOCKED}ster.com:5400/po.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.19.236:4700/fruits.htm

情報漏えい

ワームは、以下の情報を収集します。

  • IP address
  • Language
  • Computer information
  • OS information
  • User information
  • Drive Information

その他

ワームは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://www.doctorshadow.com

ワームは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://checkip.dyndns.org
  • http://www.whatismyip.com/automation/n09230945.asp

ワーム は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した ワーム )を削除します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.768.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年3月5日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.769.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年3月6日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアは、通常モードまたはセーフモード下での検出および削除手順では、マルウェアを完全に削除することができない場合があります。そのため、以下の方法で Windows の回復コンソールを使用し、コンピュータを再起動してください。

•Windows 2000、XP および Server 2003 の場合

  1. Windows のインストール CD を使用して、コンピュータを再起動します。
  2. [セットアップへようこそ] 画面で、修復の R キーを押します。 (註: Windows2000 の場合、R キーを入力後 C キーを入力し、[修復オプション]から[回復コンソール]を選択します。)
  3. キーボードを選択します。
  4. 修復する Windows がインストールされているドライブを選択します(通常は 1 を選択します)。
  5. 管理者のパスワードを入力し、Enter を押します。管理者パスワードがない場合は、何も入力せずに Enter を押します。
  6. コマンドプロンプトに、以下のコマンドを入力し、Enter を押してください。
    SET AllowAllPaths = TRUE
DATA_GENERIC
  • コマンドプロンプトに exit と入力し、コンピュータを再起動してください。

    •Windows Vista および 7 の場合

    1. Windows のインストール DVD を使用して、コンピュータを再起動します。
    2. 再起動するかどうかの確認画面が表示されたら、いずれかのキーを入力し、表示される指示に従います。
    3. Windows のインストールDVDによっては、インストールする言語の選択が必要になる場合があります。 Windows のインストール画面で、言語、ロケール情報およびキーボードの種類と入力方法を選択します。[コンピュータを修復する]をクリックします。
    4. コンピュータを修復します。[次へ]-[コンピューターの修復]をクリックします。
    5. [システム回復オプション]で、[Windows の起動に伴う修復用の回復ツールを使用します。修復するオペレーティングシステムを選択してください。]を選択し、該当のオペレーティングシステムを選びます。そして[次へ]をクリックします。
    6. [スタートアップ修復]画面が表示された場合、[キャンセル]-[はい]-[完了]をクリックします。
    7. [システム回復オプション]メニューで、[コマンドプロンプト]をクリックします。
    8. 以下のコマンドを入力し、Enter を押します。
      DATA_GENERIC
      ※Windows 7 の場合、すべてのローカルドライブは、通常よりひとつ多く割り当てられています。例:C:ドライブは、D:ドライブとなります。
    9. コマンドプロンプトに exit と入力し、Enter を押して、コマンドプロンプトを閉じます。
    10. [再起動]をクリックしてコンピュータを通常どおり再起動してください。

  • 手順 3

    このレジストリキーを削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\DRM
      • amty

    手順 4

    このレジストリ値を削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer\Run
      • csrcs = "%System%\csrcs.exe"
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
      • GlobalUserOffline = "0"

    手順 5

    変更されたレジストリ値を修正します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
      • From: Shell = "Explorer.exe csrcs.exe"
        To: Shell = "Explorer.exe"
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
      • From: SuperHidden = "0"
        To: SuperHidden = "1
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
      • From: ShowSuperHidden = "0"
        To: ShowSuperHidden = "1"
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
      • From: Hidden = "2"
        To: Hidden = "1"

    手順 6

    「WORM_OTOIT.DCS」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

    [ 詳細 ]
     ;{garbage characters}
    [AuTOrUn
    ;{garbage characters}
    open={random filename}.exe
    ;{garbage characters}
    shell\open\Command={random filename}.exe
    ;{garbage characters}
    shell\open\Default=1
    ;{garbage characters}

    手順 7

    以下のファイルを検索し削除します。

    [ 詳細 ]

    コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
    • {drive letter}:\{random filename}

    手順 8

    最新のバージョン(エンジン、スパイウェアパターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、スパイウェア検索を実行してください。「WORM_OTOIT.DCS」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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