Trend Micro Security

WORM_ORKUT.BR

2014年1月23日
 解析者: Ardin Christopher Maglalang   

 別名:

Mal/SillyFDC-A(Sophos), Trojan-Dropper.Win32.Dorgam.xs(Kaspersky), Worm:Win32/Autorun.gen!BS(Microsoft), W32.SillyFDC(Norton), Win32/AutoRun.Agent.AAQ(ESET)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、特定のレジストリ値を変更し、隠しファイル属性のファイルを非表示にします。


  詳細

ファイルサイズ 72704 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい

侵入方法

ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、異なるファイル名を用いて以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\a~UaUv^3.exe

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
WinC = "%User Temp%\a~UaUv^3.exe"

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリキーを変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
HideFileExt = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = "2"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{User Default}」となります。)

ワームは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%User Temp%\a~UaUv^3.exe = "%User Temp%\a~UaUv^3.exe:*:Enabled:Windows Live 2010"

感染活動

ワームは、以下のドライブ内に自身のコピーを作成します。

  • all physical drive except drive letter C: using filename "ESPFOLDER.exe"
  • all removable drive except drive letter A: using filename "ESPFOLDER.exe"

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[autorun]
open=ESPFOLDER.exe
shell\open=abrir
shell\open\Command="ESPFOLDER.exe -e"
shell\explore=explorar
shell\explore\Command="ESPFOLDER.exe -e"

その他

ワームは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://{BLOCKED}os.{BLOCKED}ania.es/v77/MYC/CT/sv.php?s={Computer Name}_{User Name}

ワームは、以下のレジストリ値を変更し、隠しファイル属性のファイルを非表示にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

その他

ワームが自身のコピーを作成するドライブは、以下のとおりです。

  • ドライブレター"C"を除くすべての物理ドライブ ("ESPFOLDER.exe"のファイル名を利用)
  • ドライブレター"A"を除くすべてのリムーバブルドライブ("ESPFOLDER.exe"のファイル名を利用)
  • ワームは以下のディレクトリ内のすべてのフォルダを非表示にし、自身のコピーにフォルダのファイル名を利用します。

    • %All Users Profile%\Start Menu\Programs
    • %User Profile%
    • %Program Files%
    • %Windows%
    • Cを除くすべての物理ドライブ
    • Aを除くすべてのリムーバブルドライブ


      対応方法

    対応検索エンジン: 9.700

    手順 1

    Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

    手順 2

    「WORM_ORKUT.BR」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

    [ 詳細 ]

    • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
    • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
      セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
    • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

    手順 3

    このレジストリキーを削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
      • WinC = "%User Temp%\a~UaUv^3.exe"
    • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
      • %User Temp%\a~UaUv^3.exe = "%User Temp%\a~UaUv^3.exe:*:Enabled:Windows Live 2010"

    手順 4

    変更されたレジストリ値を修正します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
      • From: Hidden = "2"
        To: Hidden = "{User Default}"
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
      • From: HideFileExt = "1"
        To: HideFileExt = "0"
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
      • From: ShowSuperHidden = "0"
        To: ShowSuperHidden = "1"

    手順 5

    1. コマンドプロンプトを起動します。
      • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合
        [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、cmd と入力し、Enter を押します。
      • Windows Vista および 7 の場合
        [スタート]-[プログラムとファイルの検索]に cmd と入力し、Enter を押します。
        cmd は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
    2. コンソールウィンドウに以下を入力します。
    3. ATTRIB [+R | -R] [+A | -A ] [+S | -S] [+H | -H] [+I | -I] [ドライブ:][パス][ファイル名] [/S [/D] [/L]]

      各コマンドの意味は以下のとおりです。
      +:属性の設定
      -:属性の解除
      R:読み取り専用属性
      A:アーカイブ属性
      S:システムファイル属性
      H:隠しファイル属性
      I:非インデックス対象ファイル属性
      [drive:][path][filename]
      [ドライブ:][パス][ファイル名]:attribで処理するファイルの指定
      /S:現在のフォルダとすべてのサブフォルダ内で一致するファイルの処理
      /D:フォルダも処理
      /L:Symbolic Link(シンボリックリンク)のターゲットに対するシンボリックリンク属性での動作

      コマンド例:
      Dドライブ内のサブフォルダを含むすべてのフォルダおよびファイルの隠しファイル属性を解除する場合。
      • ATTRIB -H D:\* /S /D
  • 他のドライブやディレクトリ内のフォルダおよびファイルに対して、手順 2.)を繰り返してください。
  • 手順 6

    最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_ORKUT.BR」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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