Trend Micro Security

WORM_NUQEL.AX

2012年10月9日
 解析者: Jasen Sumalapao   

 別名:

Worm:Win32/Nuqel.BB (Microsoft), PAK:UPX, ARC:Embedded, [script.au3]:Trojan.Win32.Autoit.zu (Kaspersky), W32.Imaut (Symantec), W32/YahLover.worm.gen (NAI), Mal/Tiotua-F, Mal/Tiotua-F (Sophos), Trojan.Win32.AutoIT.gen (v) (Sunbelt), TR/Dropper.Gen (Antivir), W32/MalwareS.AZSL (Authentium), Trojan.AutoIt.TQ (Bitdefender), PUA.Win32.Packer.Upx-53 (Clamav), W32/YahLover!worm (Fortinet), W32/MalwareS.AZSL (exact) (Fprot), Trojan.Win32.Agent (Ikarus), Win32/Virut.NBP virus (NOD32), New unknown virus W32/Obfuscated.H2!genr (Norman), Trojan.Autoit.F (VBA32)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 物理ドライブまたはリムーバブルドライブ経由による侵入, 共有ネットワークフォルダを介した感染活動

ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。 ワームは、感染ネットワーク共有フォルダを介して、コンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。 ワームは、既定のWindowsフォルダのアイコンを用いて、ユーザにファイルを開くよう促します。ユーザがファイルをダブルクリックすることで、このワームは実行されます。

ワームは、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。 ワームは、自動実行のレジストリ値を削除し、プロセスを終了します。これにより、アプリケーションは無効となります。

ワームは、ネットワーク共有フォルダを介して感染活動をします。その際、利用可能なネットワーク共有フォルダ内に自身のコピーを作成します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  詳細

ファイルサイズ 307,200 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年9月14日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。

ワームは、感染ネットワーク共有フォルダを介して、コンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、異なるファイル名を用いて以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • %Windows%\IEXPLORER.EXE
  • %System%\IEXPLORER.EXE
  • %System%\WORD.exe

(註:%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。. %System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

ワームは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %Windows%\setting.ini
  • %System%\autorun.ini
  • %Windows%\Tasks\At1.job

(註:%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。. %System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

ワームは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。

ワームは、既定のWindowsフォルダのアイコンを用いて、ユーザにファイルを開くよう促します。ユーザがファイルをダブルクリックすることで、このワームは実行されます。

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Yahoo Messengger = "%System%\IEXPLORER.exe"

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Shell = "Explorer.exe IEXPLORER.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「Explorer.exe」となります。)

この「スケジュールされたタスク」により、以下の時間になるとワームが実行されます。

  • Everyday at 09:00

他のシステム変更

ワームは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
GlobalUserOffline = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Schedule
AtTaskMaxHours = "0"

ワームは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableRegistryTools = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NofolderOptions = "1"

ワームは、自動実行のレジストリ値を削除し、プロセスを終了します。これにより、アプリケーションは無効となります。

ワームは、以下のレジストリキーを削除します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\SafeBoot\Minimal\
{4D36E967-E325-11CE-BFC1-08002BE10318}
{default} = "DiskDrive"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\SafeBoot\Network\
{4D36E967-E325-11CE-BFC1-08002BE10318}
{default} = "DiskDrive"

ファイル感染

ワームは、ネットワーク共有フォルダを介して感染活動をします。その際、利用可能なネットワーク共有フォルダ内に自身のコピーを作成します。

感染活動

ワームは、以下の共有フォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • game_y.exe

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • Bi mat.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[Autorun]
Open=IEXPLORER.exe
Shellexe cute=IEXPLORER.exe
Shell\Open\command=IEXPLORER.exe
Shell=Open

バックドア活動

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.128.132:80

ダウンロード活動

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正なファイルをダウンロードして実行します。

  • http://setting.{BLOCKED}b.com/setting.doc
  • http://hvaonline.com.{BLOCKED}pages.com/setting.doc
  • http://setting3.{BLOCKED}5.com/setting.doc

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 9.396.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年9月14日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.397.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年9月15日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

レジストリエディタおよびタスクマネージャ、フォルダオプションの機能を有効にします。

[ 詳細 ]
この手順により、このワームが無効にした他のアプリケーションまたはプログラムの機能も有効になります。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Windows%\setting.ini
  • %System%\autorun.ini
  • %Windows%\Tasks\At1.job

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Yahoo Messengger = "%System%\IEXPLORER.exe"

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Shell = "Explorer.exe IEXPLORER.exe"
      To: Shell = Explorer.exe

手順 7

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • GlobalUserOffline = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Schedule
    • AtTaskMaxHours = "0"

手順 8

削除されたレジストリキーを修正します。

  1. レジストリエディタの左側のパネルにある以下のキーをダブルクリックします。
    HKEY_LOCAL_MACHINE>SYSTEM>CurrentControlSet>
    Control>SafeBoot>Minimal
  2. 上記キーのフォルダ[Minimal]上で右クリックし、[新規]-[キー]を選択します。新規作成するキー名に、以下の値を入力します。
    {4D36E967-E325-11CE-BFC1-08002BE10318}
  3. 新規で作成したキーの値の名前上で右クリックし、[修正]を選択します。[値のデータ]欄に下記を入力します。
    DiskDrive
  4. 次に、レジストリエディタの左側のパネルにある以下のキーをダブルクリックします。
    HKEY_LOCAL_MACHINE>SYSTEM>CurrentControlSet>
    Control>SafeBoot>Network
  5. 上記キーのフォルダ[Network]上で右クリックし、[新規]-[キー]を選択します。新規作成するキー名に、以下の値を入力します。
    {4D36E967-E325-11CE-BFC1-08002BE10318}
  6. 新規で作成したキーの値の名前上で右クリックし、[修正]を選択します。[値のデータ]欄に下記を入力します。
    DiskDrive
  7. レジストリエディタを閉じます。

手順 9

「WORM_NUQEL.AX」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
[Autorun] Open=IEXPLORER.exe Shellexe cute=IEXPLORER.exe Shell\Open\command=IEXPLORER.exe Shell=Open

手順 10

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_NUQEL.AX」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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