Trend Micro Security

WORM_NITOL.I

2016年12月23日
 解析者: Byron Jon Gelera   

 別名:

Win32/ServStart.AC (ESET-NOD32); DDoS:Win32/Nitol (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 44,032 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 なし
発見日 2013年5月17日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\hrl{random}.tmp <-- also detected as WORM_NITOL.I, deleted afterwards
  • %System%\{random}.exe <-- detected as WORM_NITOL.I, copy of hrl{random}.tmp

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\hra33.dll

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • National{random} <-- same as registered service name

自動実行方法

ワームは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\National{random}
ImagePath = %System%\{random}.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\National{random}
DisplayName = National{random} Instruments Domain Service

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\National{random}
Description = Provides{random} a domain server for NI security.

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\National{random}
ObjectName = LocalSystem

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\National{random}\Security
Security = {hex value}

ワームは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\National{random}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\National{random}\Security

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download and execute arbitrary files

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • hxxp://www.{BLOCKED}y.cc/vip48.html

その他

ワームが作成し実行する以下のファイルは、「WORM_NITOL.I」として検出され、その後削除されます。

  • %User Temp%\hrl{random}.tmp

ワームが作成し実行する以下のファイルは、”hrl{random}.tmp”のコピーで、「WORM_NITOL.I」として検出されます。

  • %System%\{random}.exe

ワームが作成する以下の Mutexは、登録されたサービス名と同じです。

  • National{random}

ワームが実行する不正リモートユーザからのコマンドは、以下のとおりです。

  • 任意のファイルのダウンロードおよび実行

ワームは、ファイル名"LPK.DLL"を利用してEXEファイルを含むすべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブのすべてフォルダに自身のコピーを作成します。

また、ワームはコマンド&コントロール(C&C)サーバの応答に基づいてさまざまなURLに接続してファイルをダウンロードし実行します。

ワームは、ルートキット機能を備えていません。

ワームは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 13.108.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年12月21日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.109.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年12月22日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

セーフモードでの再起動後、以下のレジストリキーを削除してください。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • National{random 3 letters}

手順 4

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_NITOL.I」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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